森林は昔から生活の一部として成り立ってきました。
よくよく考えると森林は生きていくうえで必要な物が詰まっているんです。
それは、木が紅葉する本当の意味を含めて森林の生態系の多様性が関係しています。
紅葉狩りって本当は・・
日本の森林には春夏秋冬があり様々な情景を楽しませてくれたり、色鮮やかさを感じることができることは良く知られています。
冬まじかには、一年の色物の見納めとして、大渋滞覚悟で紅葉狩りに出かけたりしますよね。
それだけ目に焼き付けたい山の情景が日本にはあります。
紅葉狩りをするまでには、良くも悪くも気象条件や様々な環境、いろんな生態系が関わっていたり、個々の樹木に蓄積された生育状態の結果そこに至ります。
その背景には、春になると緑が増えてきて光合成が盛んに行われます。すると植物は育ち始め、同時に動物たちも活動を始めます。
夏になると光合成をはじめ成育活動の最盛期を向かえ、森林の生態系ではたくさんの生命の動きがあることを感じられます。
秋になると冬へ向けて樹体内へ養分の蓄えを終えたり、葉を落として生態系の循環に使われる有機物として貢献してくれます。
この頃に紅葉狩りが行なわれ騒がれますが、実は当の本人である樹木たちは、冬が訪れる準備をしているだけで何も意識していないのがホンネです。
紅葉狩りはきれいに見える森林のこの時期を見届けるために、渋滞覚悟で出かける年内行事のひとつになっています。
森林の多様性とは
人間が生きていくためには、衣食住が最低限必要になります。
衣は着るもので、昔は獣(けもの)の皮から着るものを作ったり毛皮のコートやミンクの襟巻などもありましたね。カイコからも絹をとり昔は、養蚕が盛んに行われてました。
現代は少し形を変えてきましたが、まだまだ着るものには生き物からの恩恵を受けて作られています。
食は食べ物で、山から産出される食べ物には、魚や鳥、獣などがおり、特に山菜や木の実、果実、キノコ類、タケノコ、雑草や薬草が豊富にあります。
生活するうえで困らないほどたくさんの食べ物が森林にはギッシリと詰まっています。
住は住むための場所ですが、材料には主に木材を使っています。
木材は山のスギの木などが使われていますが、林業によって山から伐採されて切り出され、製材されてやっと家を建てるための一本の木の柱が出来上がります。
これら衣食住は昔も今も一般的には変わりありませんが、森林の中で生産されることが多いです。
これが、森林が持つ多様性となるわけです。
森林の歴史的な側面
歴史的な背景から森林を見てみると、昔から林業や農業が盛んに行われてきました。
山から伐採した木や竹を使っては、生活に必要な色々な物を作ったり生産してきました。
たとえば、伐採した木からは柱や梁として使われて建物が建てられたり、枯れた木や廃材も無駄にしないで燃料として使われました。
また、竹の幹や枝を使って精巧な竹細工を作って遊び心を取り入れたり、生活に必要な籠などの道具作りも昔から行われてきました。
森林から受け取れる木材には、生活に必要とされる要素が詰まっています。
森林には木だけが生存しているわけではなく、様々な動植物が生息しています。
それらの生き物全てが、現在まで生態系を維持して共存してきているのです。
生態系や生存競争に耐えられずに絶滅した動植物もあるでしょう。
強く生き残ったり、外国から参入したり導入された動植物もあるでしょう。
これからの生態系がどのように変わるのかはわかりませんが、できるだけ良い状態を維持して行きたいものです。
これからの森林の多様性を守るには
現代は人材不足などで森林活動が低迷していることもあり、このままでは森林が劣化していく状態に向かっていきます。
体力的にきついことや危険なイメージが強いので、機械化の導入により若者などが参入しやすい状況を作っていくことが大事だと思います。
森林がもつ重要性を生かして生態系を崩さずに維持し、昔のような自然豊かな森林に蘇ることを期待します。