環境緑化とは、人工的に環境に緑を増やすことを言いますが、不適地に植栽すると生育できない場合があります。
不適地に植栽する時はどのようなことに気を付けたらよいのでしょう。
環境緑化を促進する事例
環境緑化は、たとえば
・公園や街路樹などに樹木を植栽して緑を増やす
・個人宅の庭に園芸種を植えて緑を楽しむ
・建物の窓部などに緑化を施して涼しくする
・植林や植樹など自然保護運動を通じて緑化を増殖させる
まだまだあるかもしれませんが、このようなことが考えられます。
しかし、環境緑化では、地域によってはその土地の土壌状態や気象条件が関係して、植栽してもうまく生育できない場合があります。
植栽しても育たないのはなぜか?
寒冷地に南の地域で育つ樹種を植栽したとしても生育は難しいです。
確かに多くの樹種はその土地の条件や気候に適することで生育するので、「好みの樹種だから植えたい!」とどんなに頑張って植えても、そのような樹種を生育不良な不適地に植栽しても育つわけがありません。
たとえば、低地では育つが高地では育たない樹種や、太平洋側の地域では育つが日本海側では育ちにくい樹種。沖縄では育つが北海道では育たない樹種。
極端な例をあげましたが、樹種によっては不適地に植えても育たない樹種はあるので、もしも「木を植えたら枯れた」ということがあれば、そのような理由もあるかもしれません。
植栽しても生育しにくい事例
不適地に植える樹種で難しいというか、少し面倒なのは堤防敷に植えるサクラです。
寒冷地でサクラの幼木を風の強い堤防に植栽する場合、「冬囲い」という作業を冬になる前に行ないます。
「冬囲い」は樹木に寒冷紗等で覆う作業で、強風や強い冷気から樹体を守ってやらないと木は凍傷害で枯れることがあるからです。
これは、サクラは幹が太くならないうちは寒害や風害に非常に弱い性質があり、ましてやその気象害が強い堤防に無理に植えるのだから人為的に手を加えて守ってやらないといけません。
1本程度なら楽ですが、堤防の場合は並木に植栽されていることがあり数が多いです。
しかも風が強く薄い生地でできている寒冷紗は飛ばされるので作業は面倒なのです。
堤防という場所は、気象害だけでなく、コスカシバやアメリカシロヒトリ等の病害虫の発生率も高いので、発生が見込まれる暑い時期などは特に注意しながら、樹木の樹勢などの調査や観察などの管理を施していかないといけません。
寒冷地で堤防にサクラを植栽した後に管理も何もしないで放置した場合、おそらく衰弱したり枯れる可能性は高くなると感じます。
不適地に植栽する場合のまとめ
今回はサクラを例に、その地域で生育できる植栽可能な樹種を選ぶことや、気象害や病害虫から守るなどの管理をすることの重要性をお伝えしました。
このことは堤防に限った話ではなく、不適地に植栽する場合には、植栽した後の調査や観察を行ない、成育状況を確認して管理していくことが重要です。