日本では野外に生息する外来種の数は2,000種を超えるといわれています。
野外だけでなく、農作物や家畜、ペットなどの動植物にも外来種はたくさんいます。
それほど多くの外来生物が忍び込んでいますが、日本の樹種に悪影響はないのでしょうか?
特定外来生物とはなにか?
外来生物は、海外から日本に人為的に導入された生物のことです。
特定外来生物とは、海外が起源の外来生物で、生態系を崩したりする動物や植物などの生物で、特定外来生物の法律に基づいて国が指定した生物のことを指します。又、及ぼすおそれがあるものも指定されています。
特に、外来生物の中でも自然環境に大きな影響を与える、生物の生息を脅かす恐れのあるものを「侵略的外来生物」といいます。
「特定外来樹種」は「特定外来生物」の中の一部分です。
特定外来樹種がこのまま増え続けると日本に生息している植物はどうなってしまうのでしょうね。
特定外来樹種のメリット
特定外来樹種にもメリットはあります。
特定外来樹種の多くは街路樹や防災などの生活に役立つと期待され導入されました。
たとえば、ニセアカシア(ハリエンジュ)は、街路樹、公園樹、飼料木、薪炭材、養蜂で活用される蜜源植物などに利用されていきました。
その他にも、土壌浸食の防止や砂防、土止め用の植栽に役立つことから導入された経緯があります。
特定外来樹種のデメリット
デメリットとして、成長が早く繁殖しやすいので、その地域の植物の生長が止まり生態系が崩れることがあげられます。
またまた、ニセアカシアの例ですが、マメ科植物でその繁殖能力が強く、流水によって種が流され河川敷に多く発生しています。
増えすぎたことで他の在来種の生息の妨げにもなっていて、しかもトゲがあり、人が直接触れることでケガを負う危険性もあります。
駆除をする際にも、その旺盛な繁殖能力の高さや、実際に見える部分を取り除いても、まだ生きている根を取り除かないことには再び生えてくることになります。
このような一時的な駆除しか方法がなく、特定外来生物の存在には頭を悩まされます。
特定外来樹種の影響
「特定外来樹種」の多くは繁殖能力が旺盛で、日本の生態系を崩し在来種の生息域が失われるほどの影響を与えます。
役立つメリットよりも失うデメリットの方が大きいです。
はるか昔に人為的に運び込まれた樹種も多く生息しています。しかし、私たちはどの植物が「外来樹種」なのかということはよく理解できないですよね。
「外来樹種」は中国から来たものが多いですが、ウメやイチョウだって「外来樹種」です。
あの植物が「外来生物」だったなんてというものはたくさん存在します。
たとえば、最近健康によいとされる「菊芋」は要注意外来生物です。
積極的に「特定外来樹種」を駆除することで生態系を壊さずに維持していくことは大事で、合わせて日本固有種樹種の生息を守っていくことも重要事項です。