松のもみあげって何?作業を行なう時期はいつがよいか?

松(マツ)の手入れで行う「もみあげ」という作業は、主に冬期に実施される松の手入れの一環です。

この「もみあげ」を行なう作業の時期や理由についてわかりやすく説明します。

11.24-1もみあげ

松(マツ)の「もみあげ」とはなに?

松の「もみあげ」とは、松の枝葉を整えるために古い葉や余分な芽を取り除く、主に冬期に行なう作業です。

これは松の健康を保つだけでなく、美しい樹形を作るためにもなくてはならない重要な作業になります。

「もみあげ」という名前の由来は、枝から不要な葉を「もむ」ようにして取り除くことに由来しているようです。

松の葉っぱは、寒さが訪れる冬に入るころに黄色く色づきだします。
それはその葉っぱが養分の吸い上げや光合成の役目を終わらせ、枯れていらなくなったという印です。

松の剪定ではこの黄色くなった葉っぱを取り除いてあげる作業が必要になります。
なぜなら、この黄色くなった葉っぱはだんだんと茶色く変色して見栄えが悪くなり、枯れ葉が溜まってくると病害虫の良い住み家になり、樹勢を脅かすことになりかねないからです。

この枯れた葉っぱは放っておいてもいつかひとりでに落ちることはあります。
しかしこれら全てが落ちるという訳ではなく、下部に生えているどこかの枝に引っかかることが多く非常に見栄えが悪くなります。
この枯れた葉っぱがいつも溜まるところはなぜか同じ場所なので、人の手ですべて落とすことをおすすめします。

枯れた葉に覆われてしまった松の芽は、日が当たらなくなり通風しもが悪くなることで枯れてしまいます。
新しく出る芽もこれでは枯れてしまいます。

いつまでも枯れた古い葉を放っておくと、枯れ葉が湿り、どんなに強い風が吹こうとも、その枝の場所からも落ちなくなります。
すると病害虫がそこに潜んで住み着くようになりますし、芽が枯れやすくなることで樹勢が悪くなります。

そうなる前の予防策として、葉っぱが枯れた時の冬の作業として、古くなった葉や不要な葉を取り除いてあげる「もみあげ」の作業を行なってあげるのです。

「もみあげ」で古い葉を取り除くだけで、密集する部分が少なくなるので風通しがよくなります。
それだけでなく黄色や茶色い枯れ葉がなくなることで、松全体が緑色の葉だけになり、色和えもよくなりスッキリときれいに見えるようになります。

この時に樹形を乱すような、不要な枯れ枝や古い枝を確認して除去しておいた方がよいです。

松の「もみあげ」作業を行なう一番良い時期はいつか?

「もみあげ」で古い葉を落とすことは、松の生育にとってとても重要な作業になります。

一般的な書籍にはもみあげを行なう季節は冬間近のころと書かれているかもしれません。
それでよろしいのですが、ひとつ書き加えますと、基本的にもみあげを行なう作業は、葉が黄色くなり始めた頃。
特に茶色く変色した時には葉っぱがもう枯れているので、この寒くなってきた頃の時期から行なえばよいです。

もみあげを行なう具体的な時期は地域にもよりますが、例えば岩手では、11月頃から黄色く色づき始めますので、岩手よりも南の地域では、その頃からあとになる可能性がありますね。

ご自身で作業される場合ですが、書籍などには「ミドリつみ」だの「もみあげ」と、型にはまった一般的なことが書かれるので、何もわからない素人の方がそれを読んだら、その作業を忠実に行わなくてはいけないと勘違いしてしまうのでしょうが、全然そんなことはありません。

仕上がりが悪くしかも樹勢も悪ければ多少問題でしょうが、樹形の仕上がりが良くてしかも樹勢が良ければ、そこに行き着くまでの過程がどういうものであっても問題ないと思います。

松が好きでご自身で趣味で作業しているのであれば「ミドリつみ」と「もみあげ」の年2回の作業と間引く剪定で手間をかけて行なってあげてください。

本当は手間暇かけて年3回の作業をしてあげれば松も喜びます。

ほとんどの方は、仕上がりをよくするにはその過程を気にされるかもしれませんが、時間は限られています。

松の手入れに年3回も手を加えないで、なるべくなら、年1回で済ませる方がよくないですか?

そんな時は、このページを参考に作業してみてください。
 ↓ ↓ ↓

松の剪定は年に1回だけ!1年を通した基本的な作業と管理方法

冬期に「もみあげ」を行う理由

冬期に松の「もみあげ」を行う理由として、次のようなことがあげられます。

■冬期に行なう理由として、松の成長が緩やかになり成長が落ち着いている時期なので、剪定によるダメージが最小限に抑えられるからです。
■松の葉は通常2年から3年程度で自然に落葉しますが、冬は古い葉が黄ばんでくるので見分けがつきやすく、楽に葉を落とせて作業がしやすいからです。
■冬は他の植物が休眠期に入り、松の全体像がよく見えるので、樹形の確認が容易で適切な手入れがしやすくなるからです。