松の剪定は年に1回だけ!1年を通した基本的な作業と管理方法





松の剪定や管理方法は難しと思い込んでいる方は多く、
そのように思っている方は作業がはかどらなかったりするようです。

そこで、書籍等を見てもなかなか思うように松の剪定ができないという方のために
ここでは1年間を通した松の剪定作業と管理方法について解説します。

松の剪定

松の剪定1年間のスケジュール

松の剪定作業には

「みどりつみ(新芽つみ)」
「樹形を整える剪定作業」
「もみあげ」

大きく分けると1年間に行なう作業は
基本的にこれら3つに分けられます。

すべて全く趣旨の違う作業になり、剪定時期も各々違います。

これら3つについて、初心者の目線で解説していきますが、
松の剪定方法は、慣れと経験値はありますが淡々と作業を行なうだけです。

なので、松の剪定方法がわかる方には
すでに知っている内容になるので
恐らく退屈なページになるかもしれません。

松の剪定作業は同じことの繰り返しの作業がほとんどです。

特に裏技とかはなく、大きな松になるほど
作業にかける時間と忍耐力の勝負になります。

ところで、一般的に庭師さんたちは同じお宅に年3回も行かないことを知っていますか?

ここでは、1年間のスケジュールで松の剪定方法を教えることはできますが、
庭師が年に1回だけ行なう松の剪定方法についても触れておきます。

これを行なうことで、年に3回も松に時間をかけなくても
1回で済ませることができますが、裏技ではないです

これを知ることで、年に1回の剪定で済ませることができるだけでなく、

初心者の方がよく悩まれる
「みどりつみ(新芽つみ)」の季節はいつがよいか?とか、

「もみあげ」の季節はいつがよいか?
などと毎年悩むことがもうなくなります。

ではどのような作業を1回で行っているのか、
それについては順を追って、後ほどお教えします。

松のみどりつみ(新芽つみ)

松のみどりつみの季節は新芽がグンと伸びたころ、
しかもまだ新芽がポキっと手で折れる柔らかい頃です。

地域によっても時期は違いますが、その時期は期間にして
2週間くらいしかありませんので、見極める必要があります。

おそらく5月のゴールデンウイーク前後が
みどりつみの適期だと思います。

北国岩手では6月に入る頃(5月末ころ)が、
まるでアスパラガスをもぎ取っているかのように
ポキッと気持ちよく折れる一番良い時期です。

その時期を過ぎてしまうと手では折れなくなり
ハサミで切るしかありません。

時期を逃してしまっても、3つの新芽の一番長い真ん中を切って
長さを周りの樹形の丈に合わせればよいだけです。

松のみどりつみ1

松のみどりつみ2

通常は3本のうち真ん中を切りますが、
他の2本も長すぎる場合には切って調節して下さい。

松のみどりつみ4

5.8-1

松のみどりつみ6

松のみどりつみ7

面倒であれば、3本の真ん中を切ってから、
刈り込みバサミを使って、全体的にバッサリと刈って
長さを揃えると短時間で済みます。

時間をかけてみどりつみをする必要もないでしょうが、
技術力を上げたいのであれば、ぜひ1本1本挑戦してみて下さい。

松の樹形を整える剪定作業

一番重要なのが、この「松の樹形を整える剪定作業」
ここに一番時間をかけることになります。

後で解説する、庭師が年に1回だけ行なう松の剪定方法でも、ここに時間をかけます。

では、松の樹形を整える剪定作業ではどんなことをするのかといいますと、

剪定を行なう時期的には、7月頃または、
生長が止まる9月頃の時期が良いと思います。

事前にみどりつみを行っている場合は樹形も整っていると思います。

ただ、樹形内部を覗いてみるとおそらく
密になっているはずですので、間引く剪定を行ない
適宜に枝葉に空間を作ってあげます。

松の樹形内部

蜜であると横から見る見栄えは良いのですが
病害虫が発生しやすい状況になりますので、
空間を作って風通しを良くしてあげる必要があります。

松の樹形横

間引くには横からではよくわからないことが多くありますので、
できるだけ上から覗き込むように見て切り取る枝葉を選ぶようにします。

最終的には、真下から覗いてお日様が見えるようであれば良い状態です。

松の下から見上げる

これを樹形のかたまりごとに時間をかけて行なってやります。

松の樹形のかたまり

急ぐ必要はありませんので、ジックリと時間をかけて
「この枝葉を切ったほうがよいですか?」
・・・と、松と対話しながら手入れをしてあげてください。

迷う場合は一度残しておいて、後から考えてた方がよいです。

切ったら終わりですので。

松の樹形を整える剪定作業は、
同じことの繰り返しの手作業がほとんどです。

大きな松になるほど作業にかける時間と忍耐力の勝負になります。

松のもみあげ

松のもみあげを行なう時期は寒くなる頃。

地域によりますが、11月前後頃からだと
葉っぱが取れやすいので、よい時期だと思います。

もみあげを取る作業は、茶色く変色した葉っぱは必ず取らないと
見栄えが悪くなりますが、枝をこするように握ってやると簡単に取れます。

緑色の葉っぱは全て取ってあげる必要はありませんが、
全て残す必要もありません。

ただ、もみあげを行なう際に、気をつけてほしいことは、
下に向いて生えている葉っぱは必ず取ってあげることです。

この葉を残した場合、
人間でいうあごのラインがだらしなく見えてしまいますし
素人が剪定した松だと簡単に見破られてしまいます!

しかも将来的に、残した葉から新芽が下に伸びる可能性もありますので、
下がって生えている葉は、確実に取ってほしいです。

松のもみあげ

松の葉は上にギュンッと向いて伸びていないと
盆栽でも風格のある松に見えないということです。

黒松

庭師が年に1回だけ行なう松の剪定時期

さて、

お待ちかねの

庭師が年に1回だけ行なう松の剪定の解説となります。

この方法は、剪定時期が重要になります。

10月頃に行なうには、北国岩手では肌寒くなるころで、
松が風邪をひく可能性があり遅いかもしれません。

黒松の剪定時期は10月ではだめだ~~と思った理由

私は一度、10月中旬にこの方法で黒松の剪定を行なったころがあります。

その日は肌寒い日でしたが、もうこれ以上先延ばしできないと思い決行しました。

剪定後しばらくは問題ありませんでしたが、次の年の5月ころに、
一部の枝の樹形の葉っぱが茶色く変色しだしました。

マツクイ虫ではないかと不安になりました。

しばらく様子を見てみると・・・

一部分の葉っぱだけが長い期間茶色いかったので、
松くい虫ではないと断言できました。

となると、やっぱり時期的に寒くて悪い時期に剪定したので、
松が風邪を引いたのかもしれないと思いました。

お客様には悪いことをしたと思いましたが、
その後樹勢は回復して枯れはしなかったのでホッとしました。

このようなことが過去にありましたので、
あまりにも遅い時期の剪定はしない方がよいです。

特に黒松は寒さに弱いので、気をつけた方がよいです。

意外と寒さに強いのが赤松で、11月ころに違うお宅で
毎年のように剪定してましたが大丈夫なようです。

これは樹勢が強い場合の話ですので、
通常は寒さが訪れるだいぶ前には済ませておいた方がよいです。

時期的には、通常の剪定時期は酷暑を除いて7月前後。

または、酷暑を除いて9月中旬頃までには終わらせておきたいものです。

この時期が適期だと思います。

庭師が年に1回だけ行なう松の剪定方法

さて、

再びお待ちかねの

庭師が年に1回だけ行なう「松の剪定方法」の解説となります。

通常の松の剪定作業には

「みどりつみ(新芽つみ)」
「樹形を整える剪定作業」
「もみあげ」

大きく分けると1年間に行なう作業は
基本的にこれら3つに分けられます。

実は、これら3つの作業を、良い剪定時期に
1度に行なってしまうという事です。

私が行なう時期は6月中旬から7月中旬ころが多いです。

みどりつみは行なっておりませんので、
この頃は新芽がグンと伸びきっています。

もしかしたらまだまだ伸びる可能性もあります。

ここで初めに行なうことは、全体を見るとひと枝に固まっている樹形があるはずです。

その樹形を整える作業を各々の樹形で行ないます。

松の剪定樹形

枝にひとかたまりの樹形で横から見ると
だいたいの高さがわかるはずです。

その高さに揃えるように剪定を行ないます。

松の剪定

かつ、上から見て間引く剪定も同時に行ないます。

松の剪定上

とりあえず、横からみて飛び出している新芽を
上に向かって軽く引っ張ってみましょう。

マツの剪定新芽

そして、上から覗いてやってその枝を剪定してやったら
どのような空間が生まれるのかを確認します。

程よい空間ができるのであれば、その枝を剪定します。

剪定と言っても根元から切るわけではありません。

切り取る場所があります。

それが今回のポイントになります。

切るのはこの部分。

来年の芽を残して、伸びた枝葉を赤線で切ります。

松 剪定

そして、残った部分を見てみると、葉っぱが残っています。

この葉っぱを、来年の芽を残して全て抜いてやります。

4.14-2

これを行なうことで、冬のもみあげが不要になります。

これを樹形ごとに全ての枝葉で行なうことになります。

松の樹形を整える剪定作業は、
同じことの繰り返しの手作業がほとんどです。

大きな松になるほど作業にかける時間と忍耐力の勝負になります。

前年度に、同じ時期に剪定を行なっていれば、
樹形は乱れにくくなり剪定作業が楽になります。

松の管理方法

松の剪定方法がわかったところで、今度は管理について解説します。

管理と言っても、毎年しっかり剪定作業を行なっていて
樹勢がよい松は管理をする必要はほとんどないかもしれません。

それでも、管理をしないことに越したことはないので
これから最低限行なった方がよい管理方法について解説します。

日中の温度が上がりそうな夏の対策

私のご近所さんの松の木はすごく元気です。

なぜかというと、夏の暑くなりそうな朝に
水をた~~っぷりと与えているからです。

水を与えているお宅の松と、全く与えないお宅の松では
だいぶ勢いが違う事が見た目でもわかります。

このことは松だけでなくツゲでも証明されています。

同じくこのご近所さんのツゲの話ですが、
庭を一部壊して広げようとした時です。

管理者は庭木に詳しい奥さん。
庭を壊すために業者に頼んだのが旦那さん。
一応業者は造園業者です。

その造園業者さんが旦那さんに頼まれて、

なんと

ツゲを半分以上の枝を、葉っぱをすっかりなくして丸坊主に刈ってしまったのです。

その後夫婦はどうなったのかはご想像におまかせしますが、
このツゲもしかしたら半分枯れるかなと思っていました。

そうしたら、時間はかかりましたが
5年後に立派に葉っぱを生やしていました。

奥さんが毎日のように水をやっていたから?かもしれませんが、
ここの庭木は樹勢が良すぎるようです。

水やりは樹勢に影響があるようですので、
夏に水やりを行なうと樹勢が良くなるかもしれませんよ。

松を犯す病害虫の駆除

松を数年放っておくと枝葉がボウボウと伸び枝も樹形も荒れてきます。

そして風通しの悪くなった樹形内部には病害虫も増えます。

病害虫を寄せつけない予防策としては、毎年の剪定は欠かさず行なうことです。

病害虫から松を防ぐには、余計な徒長枝を伸ばして樹勢を取られないように、
最低限、風通しを良くしてあげ、病害虫が発生しないように毎年剪定を行ないます。

それでも病害虫に侵されるようであれば、
薬剤を散布してあげる必要があります。

全く病害虫が発生しないことはないと思います。

部分的に目に見える害虫が発生していれば、
蚊やハチを殺すスプレータイプの殺虫剤で代用することもできます。

スプレータイプの殺虫剤

スプレータイプのハチ殺虫剤

場合によっては、専用のスミチオンや
オルトランなどの薬剤を使う事もあると思います。

病害虫が発生しないためにも、剪定は欠かさず行ない
樹勢を保つようにしてください。

忍び寄る松くい虫の予防策

松を数年放っておくと枝葉がボウボウと伸び枝も樹形も荒れてきます。

そして風通しの悪くなった樹形内部には病害虫も増えます。

最悪の場合には松くい虫に侵されてあっという間に葉が赤くなりご臨終です。

松くい虫を寄せつけない予防策としては、毎年の剪定を欠かさないことです。

松くい虫から松を防ぐには毎年剪定を行ない風通しを良くしてあげ
余計な徒長枝に樹勢を取られず、弱らせないようにしてあげなければいけません。

それでも松くい虫に侵されるのが心配であれば、
薬剤を散布してあげて、もしかしたら潜んでいるかもしれない
マツノマダラカミキリを駆除する必要があります。

マツクイ虫の被害は、マツノマダラカミキリが
マツクイ虫(マツノザイセンチュウ)を運んできて
弱った松の木に媒介して枯死させます。

なので、山に近いほど多く発生し、
だんだんと里に飛んで下りてきます。

赤松も黒松も関係なく侵されます。

山を見てみて松(山だとおそらく赤松)が密集して
赤く枯れていたら、ほぼマツクイムシだと思ってください。

5.4

それが家の近くであれば、近未来に
お宅の松は松くい虫にやられてしまいます。

そうならないためにも、剪定は欠かさず行ない
樹勢を保つようにしてください。

太い枝でも折れる雪積の予防法

年内の剪定作業が終わっても安心することはできません。

特に積雪の多い地域では、松の枝が折れる心配をしなければいけません。

雪単体では軽いように感じますが、
重ね合い、積もるととんでもなく重くなります。

気温によっても重い雪にもなりますし、
軽い雪にもなります。

特に気をつけなければいけない時期は1~2月頃、
一度積もった雪が若干溶けて、その夜に凍ると重量を増します。

それが積み重なると、重量に耐えきれず
ボキっと折れてしまいます。

積もった雪を落としてやれば良いのですが、
毎日降り続けられると一苦労です。

それを予防するために幹の中心辺りに太く長い棒や竹を設置し
その頂上からワラ縄を各枝に結わえて吊る「雪吊り」という方法を行ないます。

雪吊りは兼六園の松の雪吊りが有名ですが、あれです。
兼六園の松の雪吊り

最近では雪吊りをされる一般家庭が少なくなりました。

雪吊りの料金も高いですし、
そもそも松のあるお宅が少なくなりました。

将来、貴重な松の存在はどうなるのか気になります。

剪定時の松ヤニ除去

剪定をする時には、どんなに気をつけていても必ずヤニがつきます。

松を切った切り口から、あるいは葉っぱを抜いたところからも

手袋には確実に付き、時にはズボンや服にも付き、帽子や顔にも付くことがあります。

ズボンについたヤニはどういうわけか普通に洗濯機で洗うと取れるようです。
ただ、そのあとの洗濯層の中が松ヤニの匂いが残ります。

剪定時に手に松ヤニがついた時に取る方法は松の皮にこすり付けると取れます。
ズボンは取れません。逆に茶色くなり汚くなります。

あるいは薬剤のようなものがあるのでそれを使うとよいです。

使ったことはないですが、ハンドボールでボールが滑らないように
松ヤニを使うようですがこれを取る時に使う薬剤を塗って取る方法があります。

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これらが、松の1年間を通した剪定作業・管理方法になります。





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