アカマツの葉が茶色くなった原因は何?対策はあるの?

アカマツの葉が茶色くなって枯れている状況をよく見かけます。

アカマツが衰弱し枯れるのには理由があります。

根の状態が悪かったり、病害虫による被害であったり、剪定などの人為的要因などでも起こります。

ここでは、葉が茶色くなって枯れる原因には何があるのだろうか?
そしてそれに適した治療法はあるのかお伝えします。

アカマツの葉が茶色くなって枯れるのはマツクイムシのせい?

よくアカマツの葉が赤茶色く枯れると「マツクイムシじゃないか?」とすぐに言われます。

本当にマツクイムシ病にかかっている場合もありますが、土壌状態が悪かったり、ほかの病害虫の被害であることの方が多いです。

たまに、剪定時期を誤ったり、強剪定して枯らす場合もあるようです。

半径500mくらいの圏内にマツクイムシの被害木が見当たらない限りマツクイムシに侵されている可能性は、断定はできませんが低いかもしれません。逆に圏内に被害木があれば注意しなければいけません。

マツクイムシによる被害ではない場合は、違う事が原因で衰弱していると考えた方がよいです。

アカマツの葉が赤茶色くなって枯れる原因にはなにがある?

アカマツの葉が茶色くなる原因はさまざまありますが、大きく分けると以下のような要因があります。
それぞれの原因に応じた対策も紹介します。

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1.病害によっておこる

■主な病気によっておこる害には、マツ材線虫病(マツノザイセンチュウ病)があります。
■その原因とは、マツノマダラカミキリが媒介する線虫(マツノザイセンチュウ)が樹体内に侵入し、水や養分の通り道を塞ぐことにより起こります。
■症状として、急激に葉が茶色くなり、すぐに枯死する場合もありますが、いずれ完全に枯れることになります。
■対策としては、マツノマダラカミキリを防ぐために、特別な薬剤を散布することがあります。
現実的な効果の高い対策として、枯れた感染木を早めに伐採・処分して、周囲への感染を防ぐことです。
マツ材線虫病に強い品種が改良されているので、アカマツを植えたい場合には導入を検討してもよいかと思います。

2.害虫によっておこる

害虫の被害により葉が茶色くなることがあります。
アカマツの葉が枯れるのはマツクイムシ病だけでなく色々な病害虫があります。
ただ害虫には、葉を食害したり、葉の中に潜んで食害する害虫や、枝や幹に潜んで食害し枯らしたり、枝や幹に穿孔して衰弱させたり色々なタイプがあるので、被害木を見ないと原因とする害虫を断定すること難しいです。
■マツクイムシ以外の主な害虫には、アカマツの葉を食害する幼虫のマツケムシがいます。
■アカマツの葉が赤茶色くなって枯れる原因として、幼虫が葉を食い尽くすことで、木が光合成ができなくなりダメージを受けます。
■症状として、部分的または全体的に葉が茶色くなることが多いです。
■対策として、幼虫が発生する初期段階で直接薬剤を散布したりして駆除することです。
枯葉の除去、木の健康管理などに気をつけて、害虫が好む環境を作らないことで虫害を防げることもあります。

3.環境ストレスが原因

■主な要因として、アカマツは乾燥に強い木ですが、長期間の干ばつで水不足になったり、極度の乾燥状態がおこったり、ほかの要因が加わることでアカマツの葉が茶色くなることもあります。
逆に水をたくさん与えるようなことはしないでください。通常の庭に植えてある環境であれば水を与える必要はありません。(盆栽は別です)
また、極端な酸性土壌や栄養が少ない環境など土壌の栄養不足によって葉が茶色くなることもあります。
冬季に寒波や霜害を受けることも原因のひとつです。

■症状として、アカマツの葉が徐々に茶色くなり、樹体は衰弱していきます。
■対策として、堆肥や緩効性肥料の施用して根の状態を良くするなどして土壌の改良を行い栄養状態を改善します。
防霜ネットや風よけを設置して寒波の影響を軽減します。

4.自然現象による老化が原因

■アカマツの葉が茶色くなる原因ですが、赤松の葉は数年で自然に落葉するため、古い葉が茶色くなるのは正常な現象です。
■その症状は、新しい葉が正常の緑色で、古い葉のみがはじめは黄色くなり、徐々に茶色く変色していきます。
■対策として、葉が赤茶色くなるその状態を枯れると勘違いし心配されることもあるかもしれません。
この場合は自然に任せて大丈夫なので、新芽が出るまで様子を見ましょう。ただし、病気や害虫の兆候がないは確認します。

5.土壌の排水不良による根の障害が原因

葉が茶色くなる原因で多いのは、ひとつは、通水伝導に障害が発生していたり、根に障害が起きていることが考えられます。
たとえば、アカマツを植えてある場所が以前水田だった場合、そこに盛り土をして後で植えたとしても、時間の経過とともに水分を多く含む土壌に変化したことが考えられます。
田んぼの土質は水分を通しにくい粘土質なので透水性が悪く、しかも通気性もよくないです。
そこに盛り土をしたとしても徐々に水分が上がってきて湿気の多い土壌に変わっていくことがあります。
アカマツは乾燥には強いのですが、湿気の多く通気性が悪い土壌に弱いので、根が酸欠をおこし根腐れすることで葉にその影響が出やすくなるのです。

■このように、アカマツの葉が茶色くなる原因には、根腐れや過湿によるストレスがあります。
■症状として、葉が均一に茶色くなることが多いです。
■その対策として、排水性の良い土壌に植えるか土壌自体を入れ替えることです。
根の過密や損傷を避けるために植栽時に注意します。

アカマツの葉が茶色くなって枯れる原因のまとめ

アカマツの葉が茶色くなって枯れるのには、次のような原因があります。

■マツクイムシ病など病害虫による被害
■環境ストレス
■土壌の状態が悪い
■根の状態がよくない
■剪定などの人為的要因

アカマツの葉が茶色くなる原因はひとつではなく、意外と複数の要因が重なって起こるため、どの項目も意識して赤松を管理することをお勧めします。

アカマツを枯らさない予防と対策のまとめ

アカマツを枯らさない予防と対策には、次のようなことがあげられます。

■定期的に病害虫が発生していないか、赤松の状態を観察することで枯れを防げます。
■周囲の環境を清潔に保ち整備することで、害虫や病原菌の繁殖を防ぐことができます。
■アカマツの葉が茶色くなる原因の多くは土壌の状態が悪いことなので、土壌診断を行い適切な施肥と管理を心がけます。

湿気を多く含んだ土壌のように状態が悪いと根が酸欠をおこします。
すると根腐れをおこすようになり葉にその影響が出て枯れていきます。

原因が湿気が多いことで起きる酸欠であることが判明したら、その場合は、土壌を通気性と透水性を良くし、水を滞在しにくくする必要があります。
そのための対策として、パーライトなどの土壌改良材を使ったり腐葉土を混ぜることで通気性と透水性を良くして、土壌の性質を変えるとよいです。
間違っても土を盛るような行為は行わないでください。根が酸欠を起こして、それこそ枯れるのを助長することになります。

また、病害虫が原因で葉が枯れると判明したら、害虫の種類が特定できればそれに見合った薬剤散布などの防除法をする必要があります。

アカマツの葉が茶色くなる原因は一つではないことが多いため、まず具体的な原因を特定し、それに応じた対策を取ることが重要です。

アカマツの葉が茶色くなって枯れたらどうする?

「なんだか最近アカマツの葉っぱが赤茶色に変色してきた!枯れたかも!」という最悪の事態がおこるかもしれません。

マツクイムシ病にすでに侵され枯れているのであれば、もう打つ手はなく、駆除も対策も何もできません。
マツノマダラカミキリが幼虫として材内に潜んでいる可能性の高い冬期に、確実に伐採・処分してください。
具体的な処分方法は、チップ化や焼却する業者に頼んだりして、確実にカミキリの幼虫を殺処分して、飛散して被害を拡大させない周囲の方に迷惑が及ばないような対策が必要です。
これは、マツノマダラカミキリが成虫になり飛散する前の春までには、完全に終了しておく必要があります。

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