「てんぐす病」ってよく聞くことがあるかもしれませんが、サクラに発生することが多い病気です。
サクラのてんぐす病とはいったいどんな病気なのか?その原因と防除方法についてお伝えします。
てんぐす病の特徴
てんぐす病は、枝の一部分が異常に大きくなり、ほうき状に密集して生えることが特徴です。
てんぐす病の病巣は周辺の枝の生え方と違い、コロニーを形成しているような異空間を感じられ差別化しやすく、見慣れると発見しやすくなると思います。
その性質上、花はほとんど咲くことがなく、葉だけが生えるので、花が咲いている春先にてんぐす病がどこにあるのか見つけることは容易です。
てんぐす病がおきる原因
サクラの枝を切るとその付近に腐朽菌が付着し、キノコが生えてきて枯れを助長するので侵された様子が伺えます。
てんぐす病の場合は、枝を切らなくても発生しますが、いったい何が原因で発生するのでしょう。
てんぐす病は、子嚢菌類のタフリナ菌の感染によって引き起こされます。
日が当たらないくらいほど枝の間隔が狭く、葉が密集していると余計にてんぐす病は発生しやすくなります。
てんぐす病はサクラだけでなく、カンバ類にも発生します。
ツツジ類にも発生しますが、原因菌が違く担子菌です。
その他にも、モミ類のてんぐす病ではさび病菌だったり、キリてんぐす病ではファイトプラズマによってひき起こされるなど、てんぐす病は樹種によっても原因菌が違うようです。
てんぐす病が増えるとどうなる?
てんぐす病を意識してサクラを観察すると、あそこにもある、あそこにもあると面白いように目に入ってきます。
普段は気が付かないかもしれませんが、実はてんぐす病はそれほど多く発生していて、サクラの木を枯らす方向に導いているようにも見受けられます。
てんぐす病は、枝葉が密集していたり、感染している枝を残しておくとどんどん増殖していき、増えすぎた場合は枯死する場合もあり危険です。
そのまま放置しているとてんぐす病に侵され、サクラが枯れる可能性はあります。
てんぐす病の防除方法
てんぐす病を増やさないためには、てんぐす病の病巣を見つけ出すことと、適切な方法と時期に防除することが大事です。
てんぐす病の防除法は、葉が生える前に病巣の枝元部分から切除することで、発生をくい止めやすくなります。
てんぐす病に侵された枝を切除する方法が、てんぐす病を除去するためには一番良い方法です。
適度な剪定をすることで、てんぐす病を発生しにくくすることが大事です。
てんぐす病の病巣には花が咲きにくいので、花が咲いている最中は発見しやすいです。
しかし、その時期に病巣ごと枝を切除することは、子嚢菌類の胞子を飛ばす可能性があります。
なので、てんぐす病の病巣場所を確認したら覚えておいて、葉が落ちた冬期にその枝元で切除することをおすすめします。
できるだけ初期の段階で切除することは、病巣を増やすことが少なくサクラを守る最適な方法です。