サクラの木を元気に育てるためには、いらない枝を切ったりるする剪定作業が必要です。
この作業をすることで木が健康になり、美しい花が咲きます。
ここでは、サクラの木を枯らさない剪定時期と剪定方法についてお伝えします。
サクラの木は大きく伸びるため、剪定が必要になってきます。
よくサクラ切るバカと言われますが、特にソメイヨシノのような太く大きくなるサクラは、冬の休眠期以外に太い枝を切ると枯れやすいことは間違いないです。
サクラの木を枯らさない剪定時期はいつがいい?
サクラの剪定は落葉時期に行うのが基本的な考えで、特に葉が落ちた直後の11月頃が一番よいです。
サクラは大きくなりすぎた時に始めて慌てて気がついて切ろうとするから、しかたなく太い枝で切る羽目になる場合が多いようです。
だいたいサクラが大きくなったと気づくのは、葉っぱが生い茂り大きく見える時期や、病害虫が増えだした時がほとんどで、サクラの活動期に太い枝を切ってしまうので枯れる可能性が高いのです。
サクラの剪定は落葉時期に行うのが基本的ですが、いくら落葉時期の剪定が良いとはいえ太い枝を切るということは、人間で言えば腕を切るのと一緒と思ってください。
麻酔して寝ている間に腕を切られるわけです。
切り口は消毒して細菌に犯されないようにしていても大きな外科手術をしたことには変わりありません。
体力も栄養もその分必要になることはお分かりかと思います。
サクラの剪定でも同じことがおこっているんです。
葉が落ちた直後の11月頃が一番よい理由に、サクラの剪定を乾燥の激しい低温期にすると切り口が傷みにくいことがあります。
そして春近くになり根が活動し始めた時に剪定すると切り口から樹液が出て樹勢を弱めたり、切り口に腐敗菌が繁殖する恐れがあるので、真冬や花の咲く直前の剪定は避けて葉が落ちた直後の11月頃に剪定してください。
剪定したあとの切り口は、太枝も中枝もユゴウ剤やツギロウを厚めに塗って切り口からの枯れ込みや菌の繁殖を防いでください。
太枝で切ると切り口が枯れこみやすいので、毎年小さな枝のうちに剪定することがポイントです。
人間に例えるなら髪の毛を毎月切る感じと似ています。
これなら体力的にも問題がなく清潔できれいにしていられるメリットのほうが大きいです。
サクラの木を枯らさない剪定時期のまとめ
サクラの剪定をするのに良い時期は、葉っぱが落ちた冬の終わり頃の11月~2月までがよいです。
この時期はサクラの木の成長が止まり休んでいるので、切ったところからの病気にはなりにくいです。
ただし、真冬の寒すぎる日や雪の日は避けたほうがよいかもしれません。
剪定がダメな時期は、4月から7月の間で、サクラが成長しているので剪定しないほうがよいです。
この時期に切ると、切ったところに菌が繁殖しやすく、しだいにサクラは弱りはじめ、病気が発生しやすくなることが多いです。
特に、強剪定の時期に関しては、必ず 葉っぱが落ちた冬の終わり頃の 11月~2月までの冬期に行ってください。
夏場に強剪定をしてしまうと、枯れる可能性はかなり高くなります。
サクラの木を剪定する理由
サクラの木の剪定を行なう理由として、風通しをよくするがあげられます。
枝が込み合っていると、空気が通りにくくなって病害虫が発生しやすくなり木を弱らせるからです。
そしてサクラの花をたくさん咲かせるために適度な剪定をすることがあげられます。
無駄な枝を切ることで、栄養が必要な部分に届きやすくなります。
大きくなりすぎると太い枝を切ることになり手入れがしにくくなります。
できるだけ小さいうちにバランスよく整え樹形と樹高を維持し、サクラの木の樹形を整えます。
サクラの木を枯らさない剪定方法
ここから説明するサクラの木を枯らさない剪定方法は、落葉時期の冬期に行うことを前提にお伝えします。
サクラが活動している夏期の剪定はおすすめできないので、もしも夏期にする場合は枯れや細菌の繁殖は免れないものと覚悟して行ってください。
その前に、剪定時に必要なものを揃えます。
剪定時に絶対に用意するもの
■剪定ばさみやノコギリ: 枝を切るための道具で、私は剪定ばさみは4種類、ノコギリは3種類使っています。
■薄いゴム手袋や軍手: 手をけがしないようにするために必要で、場合によっては皮手袋が必要です。
■三脚: 高いところの枝を切るときに使う3本足のものをいいます。これも私は3種類の高さを使っています。決して4本足の危険な脚立ではないです。
必要とあれば、生け垣を切り揃える電気バリカン(電動トリマー)やエンジンで動くバリカン、
チェンソー(大小)、養生シート(枝葉の集める手間が減り掃除が楽になる)、スタンドバック(剪定ゴミを入れておく四角型や丸型のバック)、掃除道具、ハチ駆除用スプレー等(冬期はいらないかも)、などが必要です。
どの枝を切るか事前に確認
はじめに樹形を見てどの枝を切るか、事前に確認しておくとやりやすいです。
行き当たりばったりやってもうまくいくことはないです。
少し切ったら木から何度も降りて、いろんな方向から見て、自分が思ったように切れていくのか確認していくと良いです。
病気や枯れている枝をはじめに切るとあと作業が楽になります。
茶色くなったり、折れたりしている枝を見つけたら切っておきます。
次に交差している枝や、枝同士がぶつかっているところを切ります。
また、上に伸びすぎている枝を切ると、他の枝に日光が当たるようになるので、伸びすぎた枝を適度に短くします。
極端に下に向かって下がった枝は樹形を悪くしますので、地面につきそうな枝や人が歩くのに邪魔になる枝を切っておきます。
剪定する時のコツ
サクラの木を大きく育ててもよい場合は、木の頂上や枝の先端など、樹形を見だす突発的に伸びた枝の先端を軽く切る程度の剪定で十分です。
混みあった枝や絡み合った枝、弱った枝などを枝の付け根から間引き、さらに徒長ぎみの横枝を枝の基部から間引く剪定でよいです。
少し太い枝を間引く時は枝の付け根で切り、ユゴウ剤やツギロウを塗って切り口の処置を必ず行います。
枝を切るときは、枝分かれしている又部分の少し上を切るとよいです。
一度にたくさん切りすぎると木が弱ってしまうので、多くても全体の1/5くらいの枝でとどめて切るようにします。
剪定をするときの注意点
無理に木の中(樹冠中)に入りすぎると、太い枝に頭をぶつかってけがをするかもしれません。
太い枝に頭をぶつけた時たんこぶになりやすいですが、意外に頭部の損傷ではなく首をやられることが多いです。(私ははけっこう首をやられます)
集中して剪定作業をしてると、太い枝でも意外と視界からはずれてしまい見えくなるものです。
道具の使い方を守ることに越したことはありませんが、特にノコギリは要注意です。
私は危険とわかっていても、意識を遠ざけた時に限って、何度もノコギリで手や指を切りました。
剪定ハサミも危険で、軍手をしていても手は切れます。
落としたりすることもあるので、下に人がいる時は作業はしないか、よけてもらうことです。
剪定が終わるころ、切った枝をそのまま庭に置いておくと病害虫が発生します。
庭やせっかくきれいにしたサクラの見栄えも悪くなりますので、切った枝は必ずきれいに片付けるくせをつけましょう。
「剪定をするとサクラの木が元気になり、来年もきれいな花を咲かせてくれる!」と信じて始めから終わりまで意識してケガのないように作業しましょう。
強剪定でサクラを枯らさない方法
ソメイヨシノのような大きくなりすぎた場合、太い枝を切る強剪定をして高さや幅を狭める時は、伸び始めて2年くらい経過した枝が 3本くらいまとめて出ているところを探し、木の内側に向かって生えた「ふところ枝」を残して切り詰めると良い、、、というのが剪定本などで語られている基本的なことです。
要は伸びすぎて太くなった枝は周りの枝の状況を見て、切った時にまんべんなくお日様が当たるように、混みいらないようにすれば良いのです。
枝葉がこみ過ぎて密集するほど病害虫の原因となるからです。
逆に「ふところ枝」のないところで切ると、枝が枯れたり、強くて太い徒長枝を出し樹形を乱してしまうことになります。
サクラの剪定を左右する「ふところ枝」について
「ふところ枝」というのは、木の内側にある枝のことを指します。
具体的には、幹(木の中心の太い部分)や太い枝の近くから伸びている内側に向かっている枝です。
「ふところ枝」の特徴として、木の内側は葉や枝が多く日光が届きにくい場所なのです。
そのため、「ふところ枝」は十分に成長しにくいことがあります。
また、「ふところ枝」が多いと木の内側の風通しが悪くなり、病気や害虫が発生しやすくなります。
「ふところ枝」は他の枝と重なっていることが多く、枝同士がぶつかることで傷がついたり、木の形が不格好になることがあります。
サクラの木を元気に育てるためには、「ふところ枝」を剪定して風通しと日当たりをよくするのが大切です。
枯れていたり、他の枝と重なっていたり、幹に近すぎて成長しにくい「ふところ枝」は切ったほうが良いです。
全部切ると木が弱ることがあるので、元気で大事な位置にある「ふところ枝」は残した方が良い場合もあります。
「ふところ枝」の整理をすると、木全体が健康になり、美しい花がたくさん咲くようになります!
サクラの強剪定の図解
切り詰める場合は必ず枝の分岐点で残す枝の伸びる方向にそって切ることが大事ですが、あまり幹に近いところで切ることは枯れる原因になるので避けてください。
↓下の写真ではチェンソーでだいぶ太い枝を切っています(直径20cm程度)。訳あってかなり長く枝を残していますが、枯れるくらいなら少し長めに残しておくことをおすすめします。
合わせて切り口後の処置(防腐剤塗布)を必ずしておいたほうが良いです。
数年後の切り口ですが、周辺からこのような徒長枝が出ているのでこれも切っておいてください。
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うまく巻き込んで修復していないので、これよりももう少し長めに切っておいたほうが良さそうです。
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家を建てる時に5月に業者に切ってもらったソメイヨシノですが、完全に幹に近い部分で切ったあとが腐れている状態です。
ここにアリが巣を作って大変なことになっています。
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