松の剪定方法を頭ではわかっていても、いざ現場で作業してみると思うようにいかない!
他の松と比べるとなんだか形が違う!
松の剪定を失敗したかな?
などと悩まれる方も多いようです。
では、どこが違うのか?
なんで、樹形が崩れるのか?
ここでは失敗した例を実際に見て「失敗した原因とその対策」について解説したいと思います。
剪定の目的はただスッキリしたいだけか?
毎年剪定を行なっていれば、ある程度の形は決まってくるので、楽に剪定を行なうことができます。
しかし、2、3年放置しておいた松は樹形を崩しますので、同じような形を再生するのに3年以上はかかります。
樹勢が強い松であれば、3年で3節伸びることになるので、極端なことを言うと放置していれば、太い枝が1mも伸びるかもしれません。
そんな状態になり見栄えが悪くなってしまったったら、バッサバッサと切ってしまいたくなるのもわかりますが、太い枝を切れば樹勢は確実に弱ります。
松は毎年手をかけてやらないと、怒って暴れだします。
それだけ松の管理には時間がかかり、もしかしたらお金もかかるかもしれません。
だから、もしも松の存在がストレスに感じて不要だと思ったら、根元からスパッと切った方が何かにつけスッキリすると思います。
松の存在が負の方向に意識が向いてしまうと松の価値は低くなります。
そのだらしなくなった松の姿を誰かに見られてしまたら恥ずかしくなりますが、それでよいのでしょうか?
松に興味がある方や松を所有している方の多くは、プライドが高い傾向があるのですが気づいていましたか?
ある種のプライドを見せつけたいがために、どんなに剪定が面倒くさくても、時間がかかっても、管理するのにお金がかかっても、その価値を高めようと努力します。昔の人は特にそうでした。
プライドが高い方は、どんなことがあっても、バッサバッサと切ってしまうようなことはないのです。
松を所有しているあなたの性格は、松の状態からわかるのです。
だって、大きな松を所有しているだけで、普通は「スゴイ!」って思われますよね。
それがしっかりと管理されていれば尚更です。
その松は代々伝わる松かもしれませんし、欲しくて手に入れた松かもしれません。
松の品格や価値を高めるために、あなたのプライドを高める目的のために、毎年丁寧に手をかけてやれば、松はそれに応えてくれるんです。
自分で剪定を行ないたいけどわからなければ勉強すればよいですし、自分でできないのであれば業者に頼めばよいだけです。
毎年しっかりと松の管理を行なった方が気持ちが良いでしょうしプライドも保てます。
さて、あなたの松の剪定の目的はなんでしたか?
まだうっとうしいと感じていたらストレスが増してしまうので、早く根元から切り倒した方がよいです。
松の剪定ポイントのズレがうまくいかない原因
そもそも松の手入れが上手くいかない方は、剪定方法を理解していないです。
松の枝を切るポイントを理解していないのが原因のようです。
だからこのようなとんでもない剪定をしてしまい、枯れる方向に向かう枝になってしまうのです。
常緑樹は枝の先に葉っぱや芽がついていないと光合成ができなくなります。
松の場合は先端に芽が残っていないと、養分を運ぶための樹勢が弱くなりしだいに枯れます。
だから最低でも1つは芽を残して切らなくてはいけません。
どこを切れば良いのかわからないが、枝葉を切ってなくなればスッキリする。
たぶん枝葉はまた生えてくるだろう!
あなたはそのような勘違いをしているかもしれません。
もしかしたら松を剪定しているという優越感を味わっているだけなのかもしれません。
それではいつまでたっても松の剪定が上手くなるはずがありません。
次から、松の基本的な剪定方法について、ポイントを2つ上げ解説しますので、よく理解されて下さい。
ポイント1:松の基本的な剪定方法
これはうちの父親が剪定した松です。
高齢で指が腱鞘炎で細かい作業がうまくできないようです。
剪定の経験はほぼありません。独学です。松の剪定もド素人です。
そんな父親が剪定した家の黒松・・・ひどいですよね!
この失敗した剪定を良い(悪い?)お手本として解説していきます^^
あなたは松の盆栽を見たことがあるでしょうか?
あなたが剪定した松と何が違うのかわかりますか?
松の盆栽の方は、全て葉っぱが上を向いているということです。
下を向いている葉っぱは1本もありません。
では、あなたが剪定した松を確認してみて下さい。
もしかしたら下の写真のように、だらしなく枝や葉っぱが下に向いていたりしませんか?
これでは、下に枝葉が向かっているので樹形を崩し、見栄えが悪いですよね。
上の松の盆栽とも全然違うと思いませんか?
これ実は、簡単に枝葉を上に向かせることができるんです。
その方法は図解で説明すると、この部分(赤い線)の枝を切ってやるだけです。
そうすると青い丸の部分が残ります。
もう少しわかりやすい画像で解説します。
下の写真で、下に向いて小枝が生えているので、赤い点線で切ります。
上に向いてい伸びる、次の年に伸びる小さな芽を残して切る
これが松の剪定のポイント1です。
ポイント2:スッキリさせるにはある部分に注目する
今度は上に向かって伸びている芽を残した後に、さらにスッキリさせる方法を解説しますね。
まず下の写真を見て下さい。松の盆栽と違って、だいぶだらしないですよね。
松の盆栽は全て葉っぱが上を向いていましたが、
この写真も盆栽のように葉っぱを上に向かせればよいのです。
下の写真のように、下に向かって生えてる葉っぱを全部抜いてやるだけです。
これで、芽も残せて、スッキリしたと思いませんか?
これが松の剪定のポイント2です。
このポイント1とポイント2の作業が松の剪定の基本になります。
松の剪定が失敗した!どのように切れば良かったのか?
松の剪定を失敗してしまった今となってはタイムマシーンでもないかぎり、去年に戻って剪定し直すことはできません。
では、去年の段階でどのように切れば良かったのか?
それは・・・・・私が剪定すればよかったのです。
それを言ったら、なにも始まりませんよね。
そうではなく、去年の段階でどのように切れば良かったのかというと・・・
まず、先ほどのポイント1とポイント2の剪定知識を頭に入れておいた方がよいでしょう。
これさえ理解できていれば、あとは何もいりません。
これをひたすら前向きに練習して上達するだけです。
忘れたら、樹形が良い盆栽を思い浮かべてみて下さい。
葉っぱは全部きれいに上を向いていましたよね!
一本たりとも、葉っぱは下を向いてはいません。
どこかの観光地に行くことがあったら松を見てみて下さい。
すべて盆栽のようになっていると思いますよ。
これを常に意識できれば、下に向いている枝葉を見ると切り取りたくなる「松の剪定脳」に切り替わるはずです。
自信がないなら剪定方法を勉強する
剪定方法(ポイント1とポイント2)を解説しましたが、それでも理解できない時は、このページを何度も読み返してみて下さい。そして、何度も現場で実践してみて下さい。
こればっかりは、個人差がありますので、何度も練習して習得するしかありません。
1日でわかる人もいれば、1年かかってもわからない人もいるかもしれません。
でもやっていれば、いつか分かるようになります。
こんな私でも、ほぼゼロから誰にも教えられることなく(先輩がやるのを見て覚えろと言われた)庭師になれたので、松に興味があるあなたはきっとうまくいくはずです。
今はブログだとかYouTube動画があり、松の剪定ひとつするのにも情報がたくさんあるので、一昔前よりもうまくできる良い時代になりました。
ただ情報量が多すぎてどれを信じてよいのかわからないことはネックですけどね。
松に興味を持ち、自分を信じて楽しめることが一番うまくいくようです。
業者に依頼した時に剪定方法を教えてもらう
それでも、どうしても理解できない・・・・という場合もあると思います。
その場合は、業者に松の剪定を依頼した時に剪定方法を教えてもらう。
または作業方法を盗むのが良いと思います。
作業方法は永遠と同じことを行ないますので、ずーっと見ていればわかるようになると思いますよ。
そして、慣れてきたら自分も一緒にやらせてもらい、直に教えてもらうという方法を取ると良いと思います。
松が枯れなければ失敗ではない
松を剪定しても、太い枝を切ったりする強い剪定など、よほどのことをしない限り枯れることはありません。
だから今回剪定を行ない、樹形が悪くなって失敗したと思っても、枯れなければそれは失敗ではありません。
次に進むためのステップだと思えばよいのです。
初めから上手い人はいませんので、どんどん失敗して自分の技術力を上げていくとよいです。
この記事中で失敗した松がその後の剪定でどうなったのか?をお伝えしてます。
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