都市部での夏場の気温上昇が特に目立っています。
この問題はなぜ起こるようになったのでしょうか?
街路樹が都市部に必要な理由とは
都市部や工場の緑化には、環境問題を改善するために街路樹は欠かせないです。
街路樹には、地面の土がアスファルトやコンクリートで覆われていることなどでおこるヒートアイランド現象を改善してくれる機能があります。
ヒートアイランド現象は、主に都市部で起こりますが、アスファルトやコンクリートなどの舗装化により地面が覆われることだけで起こるわけではなく、密集した建物によって風通しが悪くなったりするなど、都市形態の高密度化や、建物や工場、車の排気ガス等の排熱の増加が原因でも起こります。
確かに、都市部ではこの傾向は強く、真夏におきる熱中症のニュースは熱の逃げ場のない都市部が多いように感じます。
街路樹は、都市部の淀んでいる排熱を改善してくれる作用があるので必要不可欠です。
街路樹がもたらしてくれる機能
街路樹は都市部に数本植えてもその効果は薄いですが、街路樹や公園、工場などにたくさんの木を植栽し、大木になるにつれその効果を発揮してくれるようになります。
街路樹には樹木が持つ光合成と蒸散作用によって気温を調節し、その地域だけでなく地球の環境を改善してくれるます。
そのことからも最近話題となっている地球温暖化によるCO2削減の問題に対しても、街路樹で緑化を施し改善することは切り離せないです。
街路樹による災害はいつか起こる
街路樹は環境を良くしてくれるのではありますが、樹木という性質上、土に植えているわけですので、都市部に植えられることは木にとって環境がよくない場所なのです。
どういうことなのかというと、近年は街路樹が大きく成長しす過ぎたことで問題が起こっている場所もあります。
自然に成長する大木は、根を長く広く伸ばすことで木を支持していますが、都市部の特に道路脇の街路樹は大木なのに根が治まっている範囲が小さすぎることにより成長不良がおこったり、根が木を支持できなくなってきていることがあります。
根の環境の劣化により地上に見える部分の幹や枝葉では状態が良くなく、枝枯れや枝折れが起こったり、台風などでは簡単に根元から倒れることもあります。
道路脇の街路樹は特にかわいそうで、夏は暑くて重く厚いアスファルトの下で劣化に耐えながら生き延びようと必死です。
この状況を見ても街路樹はこの先健康で生き続ける可能性は低く、成長が進むにつれてさらに劣化は進んでいき、いつか災害をもたらすものと思われます。
気温上昇は人災か?
近代化が進み車社会になると、車の通行をスムーズにするために土の地面はアスファルトに変わり、木の建物はコンクリートでできた大きなビルディングが立ち並ぶようになりました。
雨は土にしみ込んでいき、またその雨も自然と蒸発していくことで温度調節がなされますが、アスファルトで覆われた地面の土の温度は高いまま維持されるようになります。
その結果気温は下がらないままになります。
道路だけでなくコンクリートでできた建物にもこの現象は起こり、ため込んだ熱はなかなか逃げていかないために、熱帯夜が起こりやすくなったり、日中の過度の気温上昇がおきる日が多くなりました。
これらは人が生活を良くしようとしたり、ビジネスを向上するためにおこした経済活動によるものではありますが、そのツケが環境問題としておきています。
街路樹は本当に必要か?
環境問題を改善するために、街路樹は嫌々道路脇に植えられ、その生命力や気象条件により立ってられなくなった樹木は切り倒され撤去されその生きざまを終えます。
人間に役立つ街路樹ですが、用がなくなった木があっさりと切り倒される姿には寂しさを感じます。
適当に管理され、切り刻まれ、時には邪魔者扱いされる街路樹。
人間のために、人間のせいで、人間にとって生きる街路樹は必要なのでしょうか?
街路樹は何も言いませんが、最低でも道路脇にだけは植えられたくないはずです。
いや、そう語っています。
そんな街路樹でも、温暖化対策やヒートアイランドの改善、景観を良くするたに、たくましく生きているんです。