はじめに:プロの庭師が体験した「ダンボールの中の巣」実話と対処法をすべてお伝えします
私は剪定時にスズメバチに何度も襲いかかられたこともあります。そのたびに格闘し、10mも飛ぶジェットスプレー式殺虫剤で仕留めていました。スプレーのおかげで刺されたことはありません。
スズメバチ博士ではない私は、あまりスズメバチのことは詳しくはありませんが、過去に何度も出くわした経験から、どんなところに巣を作ったりしているのかはなんとなくわかるようになりました。
でも今回のように、とんでもないところに巣が出来ていたことには驚きでした。もしも巣の中の幼虫が成虫になっていたら、一家皆殺しにあっていたかもしれません。
このページでは、スズメバチの種類と見分け方・生態・巣を作る場所の傾向・駆除方法・刺された時の対処法・業者への依頼目安・寄せ付けない方法まで、スズメバチに関するすべてをお伝えします。
スズメバチの種類と見分け方:アブ・クマバチと間違いやすいハチたち
■意外と間違う・これはアブ
意外と間違う、これはアブです。何もしなくても刺すところが怖く、刺されると痛いです。

■これは結構間違う・クマバチ(クマンバチ)
これは結構間違う、クマバチ(当地域ではクマンバチ)です。

クマバチは、ミツバチ科クマバチ属に属するハチで、ミツバチの仲間で蜜だけを吸い、ちょっと大きな音を出して飛びますが意外とおとなしいです。黒くて少し大きいので恐ろしく感じますが、何もしなければ刺さないです。花の蜜オンリーで人間にはほとんど関心がないようです。
オスは針が無いため刺すことはないですが、メスは毒針を持っています。いくら温厚であるとはいえ、クマバチを脅かしたりすると刺すことがあり、知らずに巣に近づけば刺すこともあるようですが、たとえ刺されても重症に至ることは少ないようです。
■これはアシナガバチ・刺されると相当痛い
これはアシナガバチです。刺されると相当痛いです。

軒下や葉の裏側に巣を作っていることが多く、巣のある葉に少し触れただけでも警戒されたり、幼虫が成虫になる時期には相当攻撃的になり危険です。刺されると腫れが引けるまでしばらくかかります。
スズメバチとアシナガバチの違いは、アシナガバチの方がやや小さく、飛んでいる時に脚を垂らして飛ぶという特徴があります。また巣の形も異なり、アシナガバチの巣は傘を広げたような形で、スズメバチのように外皮で覆われていません。
■これがスズメバチ!オオスズメバチとキイロスズメバチ
これがスズメバチです。
スズメバチは大きく分けて、大型で黒く「ブーン」というものすごい重低音で飛ぶ「オオスズメバチ」

そしてキイロがかったオオスズメバチよりも小型の「キイロスズメバチ」という種類がいます。一般的にキイロスズメバチのほうが出くわす可能性が高いかと思われます。

スズメバチの生態:女王蜂・巣作りの時期・冬はどうなるのか
■女王蜂が1匹で巣作りをスタートする春
スズメバチのサイクルは春に女王蜂が越冬から目覚め、単独で巣作りを始めることからスタートします。春から初夏(4~6月頃)の巣はまだ小さく、スズメバチの数も少ないため比較的攻撃性は低い状態です。
■活動のピークは夏から秋(7~10月)最も危険な時期
スズメバチの活動時期のピークは夏から秋(7~10月)です。幼虫が次々と成虫になり、巣も大きく成長します。この時期は非常に攻撃的で、巣に近づいたり振動を与えると一斉に飛び出して刺してきます。庭の剪定作業や草刈りで思わぬ被害に遭うことが多いのもこの時期です。
■冬になるとスズメバチはどうなるのか?越冬するのは女王蜂だけ
スズメバチは越冬する際、働き蜂は寒くなると全滅し、交尾を終えた新女王蜂だけが土の中や木の割れ目などに潜んで越冬します。そして翌春に再び女王蜂が目覚め、新しい巣作りを始めます。
冬になると巣にスズメバチはほぼいなくなります。古い巣は翌年使われないため、冬に巣を撤去するのが最も安全な方法です。
■スズメバチの天敵と食べ物
スズメバチの餌は昆虫類や他の虫の幼虫、木の樹液などで、幼虫には肉団子にして与えます。天敵はオオスズメバチに天敵と呼べるほどのものは少ないですが、大型の鳥類(ハチクイなど)がスズメバチを捕食することがあります。
■スズメバチはハチミツを作るのか
スズメバチはミツバチとは異なり、ハチミツは作りません。スズメバチが集めるのは他の昆虫の肉であり、糖分は自身が消化するために使うため、人間が採取できるようなハチミツの生産はしていません。
スズメバチの巣の特徴:形・場所・初期の巣の見分け方
■キイロスズメバチの巣はとっくり型または丸型
「キイロスズメバチ」の巣はとっくりを逆さまにしたような形のものをよく見かけますし丸型も多いです。


「オオスズメバチ」の巣は丸型で大きなサイズのものが多いですし、土の中や木の根の辺りだったり発見しづらい所やあらゆるところに作ります。
■スズメバチの巣の作り方:枯れた木の皮を集めて作る
スズメバチの巣は、女王蜂が枯れた木の繊維や外皮などを口でかみほぐして唾液と混ぜ、薄い紙のような素材を作ってそれを積み重ねて作ります。結構もろく、手で握るとサクサクと簡単に砕けてしまいます。
■スズメバチの巣作り時期:6月頃が初期の巣の発見チャンス
6月頃はまだ巣が小さく、女王蜂1匹ないし数匹で活動しているため比較的安全に発見できます。初期の巣はゴルフボールからテニスボール程度の大きさで、まだ働き蜂も少なく攻撃性も低い状態です。この時期に発見して対処することが最善の方法です。
■スズメバチがよく巣を作る場所・庭師の経験から
スズメバチは作れるところならあらゆる場所に巣を作るようです。
私が出くわしたのは「キイロスズメバチ」がほとんどで、巣がある場所は樹形の内部、葉っぱに覆われ横からは見えないように隠されるように作られており、巣の下側からうまく出入りできるようになっています。
だから大きな木は意外と下から見つけやすいのですが、小さな木は見えにくいので注意が必要です。
特に1.シラカシの木、2.ベニカナメ(レッドロビン)、3.ツバキの順で多く出くわした経験があり比較的葉っぱの大きな木に作るようですが、樹形の大きさは関係がなく、生垣にも作ります。
巣を作る場所は木だけではありません。小さな穴などから出入りし、家の屋根裏や床下などにも作ります。
一度山の斜面を登っている時に、とっくり型の巣が斜面に置かれるように作られており、知らずに踏んづけてキイロスズメバチに追いかけられたこともあります。
ダンボールの中にも巣が!実体験で語るありえない場所
これは、6月の汗ばみはじめたころの実話です。知らずに生活していたら死に直面していたほど身の毛もよだつ、今考えても恐ろしい出来事です。
剪定作業の合間に休んでいたところ、1匹のスズメバチらしい黒っぽい物体が飛んでいるのが目にとまりました。種類はキイロスズメバチというオオスズメバチよりは小型のスズメバチです。しかし刺されたら命がなくなる危険性があるので、気をつけなければいけません。
ただ、この時期のスズメバチはまだ攻撃的ではないので、とりあえず遠目で監視することにしました。
やがて、勝手口においてある棚のどこかに潜っていったことがわかりました。

なんと、巣が出来ていたのはダンボールの中でした。

ダンボールを閉じたその隙間から出入りし巣を作っていたもようです。


とっくり型の先は壊れましたが、りっぱな巣ができていました。結構もろく、手で握るとサクサクと簡単に砕けてしまいます。

幼虫の部屋ができており、ゴソゴソ、モジモジと動き、まだ生きています。ハッキリ言って気持ち悪いです。

何事もなく撃退することができ安心しました。いつも子供たちが必ず通る場所なので、早く発見することができて本当に良かったです。
スズメバチの駆除方法:自分でできる対処法とプロへの依頼目安
■1匹のスズメバチを見かけた場合巣がある可能性を疑う
スズメバチを1匹だけ庭でウロウロと見かけた場合、巣作りの準備をしている可能性があります。特に6月頃の1匹は女王蜂か初期の働き蜂の可能性が高いです。この時点で巣の場所を探し出せれば、まだ数が少なく対処しやすい状態です。
■ジェットスプレー式殺虫剤が最も有効な対処法
スズメバチの駆除には10mも飛ぶジェットスプレー式殺虫剤が最も効果的です。スズメバチの行動範囲から離れた安全な距離を確保してから噴射することができ、刺されるリスクを大幅に下げることができます。代表的な商品としてはハチ専用のジェットスプレー(マグナムジェットプロなど)があります。
ただし夏から秋(7~10月)にかけて巣が大きく成長している場合は、駆除後に残ったスズメバチが激怒して攻撃してくるリスクがあるため、夜間(日が暮れた後)に作業することをおすすめします。夜間はスズメバチの活動が低下し、全員が巣に帰ってきているため、より効果的に駆除できます。
■スズメバチを寄せ付けない方法!予防対策
スズメバチが嫌いな匂いとして知られているのが、ハッカ油(ミント系)や木酢液です。これらを薄めてスプレーすることで、スズメバチが近づきにくくなる効果が期待できます。ただし完全な予防にはならないため、あくまでも補助的な対策として活用してください。
スズメバチトラップ(捕獲器)も市販されています。誘引液にスズメバチを引き寄せて捕獲するもので、春(4~6月)の女王蜂が活動し始める時期に設置することで、巣作りを防ぐ効果が期待できます。ペットボトルで手作りのトラップを作ることもできます。
■刺されたらどうすればいいか?アナフィラキシーへの注意
スズメバチに刺されたら、まず安全な場所に移動し、針が残っている場合は指でつまんで抜くか、カードなどでかき出してください。患部を水で洗い流し、冷やして病院に行くことをおすすめします。
特に注意すべきなのはアナフィラキシーショックです。過去にスズメバチに刺されたことがある方は、2回目以降の刺傷で強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。症状が急激に悪化する場合は、すぐに救急車を呼んでください。
プロのホンネ:自分でやる限界と業者に頼む目安
■自分で対処できるケース
6月頃の初期の巣(女王蜂のみまたは働き蜂が少数の段階)であれば、10m飛ぶジェットスプレーで自分でも対処できる可能性があります。
■業者に依頼すべきケース
以下の場合は迷わず業者に依頼することをおすすめします。
巣が大きくなっている場合(7月以降)、屋根裏・床下・壁の中など構造体の内部に巣がある場合、高所(3m以上)に巣がある場合、過去にスズメバチに刺されてアレルギー反応が出たことがある方です。
業者への依頼費用は相場として2~5万円程度が多いようです。市役所(自治体)によっては駆除補助制度がある場合もあるため、まず市役所に問い合わせることをおすすめします。業者選びで迷う場合は、市役所で業者を紹介してもらえることもあります。
よくある質問Q&A
Q. スズメバチを1匹だけ見かけました。巣があるのでしょうか?
A. 巣がある可能性が高いです。特に6月頃は女王蜂が巣作りを始める時期です。スズメバチの飛んでいく方向を追って巣の場所を特定し、まだ初期の段階であれば自分で対処することも可能ですが、少しでも不安な場合は業者に相談することをおすすめします。
Q. スズメバチに刺されたらどうすればいいですか?
A. 安全な場所に移動し、針が残っている場合は抜き、水で洗い流して冷やしてください。過去に刺されたことがある場合はアナフィラキシーショックの危険があるため、症状が悪化する場合は直ちに救急車を呼んでください。
Q. スズメバチを自分で駆除できますか?
A. 6月頃の初期の小さな巣であれば、10m飛ぶジェットスプレー殺虫剤を使って自分で対処できる可能性があります。ただし巣が大きくなっている夏以降や、屋根裏・床下などの場合は業者に依頼することをおすすめします。
Q. スズメバチの駆除を業者に頼むとどのくらいかかりますか?
A. 相場として2~5万円程度が多いです。市役所(自治体)に問い合わせると、補助制度や業者の紹介をしてもらえることがあります。
Q. スズメバチが嫌いな匂いはありますか?
A. ハッカ油(ミント系)や木酢液がスズメバチの忌避効果があるとされています。ただし完全な予防にはならないため、補助的な対策として活用してください。
スズメバチは場所を選ばず、ダンボールの中にも巣を作ることがあります。「1匹ウロウロしている」という初期サインを見逃さず、6月頃の初期段階で発見・対処することが最善の方法です。ジェットスプレー式殺虫剤で自分でも対処できますが、夏以降の大きな巣や、屋根裏・床下などの場合は無理せず業者に依頼してください。自分と家族の安全が最優先です。このページが庭作業中のスズメバチ対策の参考になれば幸いです。




