里山は、雑木林を中心とした都市などの近郊にある身近な自然環境の森林です。
しかし、近年は里山が劣化している現状があります。なぜそのようなことが起こっているのでしょう。
里山が劣化している理由
里山は、集落や人里に隣接していることもあり、果樹栽培や耕作活動が盛んに行われている山林です。
人間活動によって伐採や刈り払いなどの手入れや管理をしていることもあり、生態系が維持されてる山でした。
しかし近年は、生活スタイルが変わったことや高齢化により人手が少なくなったことで森林が手入れをされなくなり、以前管理されていた二次林が放置され荒れてきていることもあり、里山の生態系が劣化してきています。
また、里山が十分に機能していた頃に、その土地に住んでいる貴重な動植物が消滅している地域もあり、生態系も変わりつつあります。
里山の機能は元に戻るのか
このような管理が行われない現状から、里山と呼ばれる人と共存する山林地域は崩壊しつつあります。
近年里山は、管理する人不足や時代の流れにより放棄地も増え荒れ果ててきています。
そのため里山で生産していたり特別に育てられている樹種が他の植物に支配されてきていて、一度生態系が崩壊をすると元に戻すことは困難です。
その背景として、たとえば、どこからともなくやってきて増殖する外来種や、高木が育つことで陰樹で低木が大きく育ったり増えたりするようになります。
そして今まで育ってきた樹木も衰弱し枯れることで元の樹林の質が違うものへ変わっていくのです。
里山の刈り払い体験談
私は里山の刈り払い要因として数年お手伝いしたことがありますが、その理由はやはり高齢化と人材不足でした。
ほとんどが70代(私は50代)くらいで、3人くらいで3日の作業期間で行ないました。
現地の刈り払い作業場所は、平地とやや斜面があり、お年寄りには少し苦痛に感じるようで、私が斜面のほとんどを刈りました。
数年前にはここで里山まつりなる催しも開かれていましたが、コロナの影響で今では開催されることはなくなりました。
一年に一度の刈り払いも、現在はなんとか管理は継続できていますが、あと数年したらどうなるのかわかりません。
この場所はキツネもタヌキもイノシシもクマもおり、夜間に設置した定点暗視カメラにしっかりと映っていました。
里山は元に戻す活動が大事
近頃はイノシシが増えて駆除に追われることに悩まされているほどですから、動植物の生態系を崩さないような対策も必要です。
里山はこのままでは全国的に劣化、衰退へと向かっていき、里山自体が風化されるような気がします。
このようなことから、里山を守るための活動や後世に残るような、二次林を増殖したり、樹種の管理、里山自体の保存活動をしていくことは大事になってきます。
その問題をなくすためには、たとえばコナラやアカシデ等のその里山に存続する樹種の種や実生などの採取をしたり、保存したりして増やし、管理された里山の土地に植生していくことなどが重要であると考えます。
いずれ、里山は管理されないといくら植生されても劣化は進むので、自治体や地域の方々が協力し合って活動していくことが重要です。