ブナは種から育てたり、挿し木や取り木ができる樹種ですが、子孫を残すために少し変わった性質を持っています。
その変わった性質とは・・・
驚くべきブナの生存本能
ブナは山に良く生えているかなり大きくなる落葉の木です。
落葉樹とはいっても冬に葉をすべて落とすことは少なく、枯れ葉のまま木から離れずなかなか落ちません。
実は、ブナは自己防衛ができる樹種で、種子(ドングリ)の数を自ら調節できる性質を持っています。
たとえば、クマなどの動物からドングリを多く食べられてしまわないように数を減らします。
その後クマの頭数が減った時期(年)を見計らって種子を増やして、その年にドングリを豊作にすることで子孫を残せる特別な性質をもっています。
これがブナが子孫を増やすための自己防衛本能なのでしょうね。
ドングリが少ない年は簡単にわかる
ブナが自己防衛のためにドングリを少なくしていることは、街中にいてもわかる時があります。
それは、ブナが不作で少ない年はクマが山から下りて人里に出てくることがあり、被害が出ないように気を付けるようにクマ出没注意の勧告が出るからです。
クマが出たことはニュースにも出ますし、即アナウンスされ警告されることもあります。
それはブナが自己防衛をして山にドングリが少ない年におきる、人にも関係する出来事です。
ドングリが少ないことは人はある意味クマの被害と向き合い、緊張して生活しなければいけないという事になります。
なので、ドングリは多くできた方が良いのです。
ブナを人で手で繁殖させるには
子孫を残すためにドングリの数を増減できる性質は、ブナが滅びないように代々受け継がれてきた独自の自己防衛力です。
ただ、人間が森林を壊したり、環境が劣化してきていることから、人が手を加えてブナを増やすことをしないといけなくなるかもしれません。
ブナを増やす方法には、種から育てたり、挿し木や取り木ができます。
しかし、ブナは植えれば勝手に大きく育つ可能性はありますので、敷地が狭い場所に植えた場合、あとで悲惨なことになりかねません。
結局、伐採する羽目になることが多いようです。
管理ができないのであれば、ブナを植えたり増やさない方がよいです。
これを理解されたうえで、ブナを種子から森林にまで育て上げるにはどのようなことに注意すればよいのかお伝えします。
ブナを増やす際の注意点
ブナに限らず、樹木は大きく伸びますし、生長する段階で色々な障害と遭遇する可能性もあります。
その生涯のひとつに動物の存在があります。
苗木を生産する際には、ネズミやウサギなどの動物により、幼木をかじり取られる可能性が多いので、苗木を減らさないような管理をして守ることが必要になります。
植栽では通気性や透水性に気を付けるような土壌に仕上げて植え、植栽後の保護として支柱を施した植栽を行なうことで成長を助けます。
病害虫の発生も成長の妨げになります。病害虫の被害により光合成を損なったり、腐朽菌の発生により枯死させないように管理を行なうことも必要です。
貴重な種子を山から採取する時には、多くとりすぎにより生態系が壊れないように気を付けるべきです。