ハナミズキ(花水木)の剪定は、木の形を整えたり、健康的な成長を促すために行います。
以下に、剪定時期や方法について詳しく解説します。
ハナミズキの剪定の目的
ハナミズキを剪定する目的には次のようなことが挙げられます。
・樹形を整えて見栄えを良くする
ハナミズキは自然に広がる樹形が特徴ですが、手入れをしないとどんどん伸びて手が付けられなくなります。
そのため、庭木の中でバランスよく育てるために形を整え存在価値を高めます。
・通風や採光を改善する枝が混み合うことで風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。樹形内部に光を当てるように改善すると、風通しも自然と良くなります。
・古い枝や病害等で枯れた枝の除去枯枝や病気にかかった枝など古い枝を取り除くことで、枝を間引ことにつながります。この作業により痛風や採光も同時に改善され健康な成長を促します。
ハナミズキの剪定時期
ハナミズキの剪定は落葉時期の11月から2月ころまでに行うといいです。
1. 冬季剪定時期(11月~2月頃)
葉っぱが落ちるころから休眠期に入ります。
休眠期に剪定を行うのが基本的です。
この時期に剪定を行なう理由は、葉が落ちて枝の状態がよく見えるため剪定がしやすいことがあります。
また、太い枝を切る強い剪定が必要と感じる時は、この時期に行うと木への負担が少なくなります。
この時期は活動が停滞しているので、太い枝や枯れ枝等を取り除き樹形を整える作業がメインになります。
2. 花後剪定時期(5月~6月頃)
花が終わった後、余分な枝や伸びすぎた分の枝を軽くして整える「軽い剪定」を行います。
花芽は夏に形成されるため、遅すぎる剪定(7月以降)は翌年の花つきが悪くなる可能性があるので切る時期に気を付けたいところです。
ハナミズキの樹形のイメージ は、好みはあると思いますがあまり丸くならない自然なやや丸形に仕上げたいものです。
黄色いラインが剪定して仕上げたい樹形ラインで、長く伸びきった根元の枝(赤い線のような位置)で切りたいところです。
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ハナミズキは3本伸びるので長く伸びる真ん中を切ると間引けます。
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形だけにとらわれず樹形を崩さないように樹幹の内側まで陽の光がさすように空くことも大事です。
ハナミズキの剪定方法
ハナミズキはモミジのようにボウボウと伸びるきではありませんので、深追いして剪定してしまうと樹形が乱れやすい木です。
本来ハナミズキは山の物なのでできるだけ自然のままで放任状態で育てる感じが良いのですが、庭に植えてある以上それは難しいと思います。
剪定する場合は、勢いが良すぎて伸びた徒長枝や、他の枝にかぶっている枝、枯れ枝を除いてやると良いです。
ハナミズキの剪定方法について具体的にお伝えしますと。
1. 不要な枝を取り除く剪定する
重なり枝や交差枝:他の枝と絡み合っていたり、重なっていたり交わっている枝を切り落とし除去します。
内向き枝:幹の内側に向かって伸びる枝は、樹形を乱す原因になるので切除しておいたほうが良いです。
枯れ枝や病害枝:枯れ枝は枝元から切り取り、病害虫が発生している枝の切り取る箇所は、健康な部分の少し下の幹に近い部分で切り取ります。
2. 枝の切り方
切る際は、枝の根元にある「枝元(えだもと)」を0.5cm~1cm程度少し残して切るとよいです。
これにより、切り口が早く回復します。
枝を切る角度は、斜めにすると水がたまりにくく病気のリスクを軽減できます。
3. 枝数を減らす
株元から複数の枝が伸びている場合は、主幹となる1~2本を残し、他を切り落とします。
枝の全体量を20~30%程度減らすと、風通しや日当たりがよくなります。
ハナミズキの強い剪定について
ハナミズキの強剪定は避けたほうがよいです。
ハナミズキは根元から新しい芽を出しにくいため、極端に枝を減らすと木全体が弱る可能性があります。
ハナミズキの太い枝を切り落とす場合の時期は、必ず落葉後から2月頃までの冬季に剪定を行ってください。
夏の繁忙期に剪定してしまうと切ったところから徒長枝が伸びて、そこに栄養が取られてしまい樹勢を弱らせてしまいます。
太い枝を剪定する場合、もうひとつ注意しなければならないことは、勢い余って切った時に樹形を乱す場合があります。
慎重に切ってやらないと樹形のバランスは簡単には元に戻ることはないので、カッコ悪い木になってしまいます。
太い枝を切る強剪定を行なった場合、切り口が大きい場合は、癒合剤を塗布して病害虫の侵入を防ぎます。