シマトネリコの花が咲くことは意外と知られていないかもしれません。
シマトネリコ(Fraxinus griffithii)は、モクセイ科トネリコ属に属する常緑樹で、東アジアや東南アジアを原産とする植物です。
ここでは、シマトネリコの花についてお伝えしていきます。
シマトネリコの開花時期
シマトネリコの花について以下の特徴があります。
シマトネリコは5月下旬から7月頃に、枝先に白くて小さな花をつけます。
花は通常、およそ 2mほどの背丈くらいの年数を経たあたりから、枝先にできる大きな花序に5mmほど小さい花をたくさんつけて房のように咲き乱れます。やがて咲き終わると結実して白色の翼をもったタネが現れます。
シマトネリコの花の見た目は、小さな白色または淡いクリーム色の花を房状に咲かせます。
花は目立つわけではなく、葉に隠れることもありますが、近くで見ると繊細で美しいです。
小さくて白い花は、遠くから見ると煙のような感じを漂わせて見える繊細な花です。
シマトネリコの花には軽い香りがありますが、けっして強くはありません。そのため、庭木や街路樹として人気があります。
シマトネリコの花は蜜を提供するため、蜂やその他の昆虫が訪れることがあります。庭に植えると、生態系の一部として役立つことがあります。花の咲く時期はミツバチもけっこう集まってきて騒々しいようです。
植え付けの年数や大きさ、環境やその木の生育状況の差にもよりますが、植えてから何年経っても花が咲かない木もあるようです。地域や気候によって多少変動する場合もあります。
シマトネリコの実がなる時期
花後の実は、花が咲いた後に小さな翼のような形状の種子(翼果)ができます。
実は8~9月頃にでき、花が終わってすぐに白色の翼をもったタネがなり、風で飛ばされて広がります。
花の数だけ実がなるので結構どっさりとできるようです。
シマトネリコの花が咲かない
シマトネリコの花が咲かないという疑問がある方もいるようですが、
シマトネリコは、雌雄異株(しゆういしゅ)と言ってオスとメスの別々の木なので花の咲く木と咲かない木があり、極端なことを言えば当たりハズレがある木です。
残念ですが、雄株の場合いつまで待っていても花を咲かせることはなくハズレかもしれません。
もしもハズレでない場合、花を咲かせるにはある条件が必要になるかもしれません。
ある条件とは、若木にはあまり花をつけないので、植え付けからある程度の年数や大きさ、花を咲かせるくらい成熟しているかということです。
環境にもよりますが、樹高が2mで花が咲く木もあれば、3mになってやっと咲く木もあるので、まだ花が咲いていないというのならもしかしたら次の年にいきなり花が咲くということもありえます。
強剪定しすぎたり、時期を誤った剪定をして咲かないということもありえます。
シマトネリコは成長が早く、剪定もしやすいため、庭木として非常に人気があります。
花の量は木の年齢や環境によって異なります。
若い木では花が少ないことがありますが、成熟するにつれて花付きが良くなる木です。
シマトネリコの雌株と雄株の違いと見分け方
シマトネリコは雌雄異株(しゆういしゅ)の植物で、雄株と雌株が別々に存在します。
それぞれに特徴があり、庭に植える際や管理する際に知っておくと便利です。
以下に、シマトネリコの雄株と雌株の特徴を説明します。
1. シマトネリコの雄株の特徴
■花の性質
雄株には雄花が咲き、主に花粉を放出します。
雄花は小さくて控えめな外観をしており、観賞用として目立つわけではありません。
■実はならない
雄株は雌花がないため、種子や実をつけることはありません。
■管理がしやすく楽
実を落とす心配がないため、掃除などをしなくてもよく、庭や駐車場周辺に植える場合に適しています。
2. シマトネリコの雌株の特徴
■花の性質
雌株には雌花が咲き、受粉すると種子をつけます。
花自体は雄株同様に目立たないですが、結実することで違いが分かります。
■実がなる
小さな羽根のような形状の種子がつき、風によって飛散されます。
実は秋ごろに目立つようになり、地面に落ちることがあります。
■種子の落下が問題になることも
雌株は種子を多くつける場合があり、庭や周辺の掃除が必要になるデメリットがあります。
雌株の木は掃除したくない方には不向きです。
3. 雌株・雄株の見分け方
■花の時期に観察する
春から初夏にかけて花が咲く際、雄株では雄しべが目立ち、雌株では雌しべが確認できます。
ただし、花が小さいため、近くで注意深く観察する必要があります。
■専門家に確認する
見分けるのが難しい場合は、購入時に園芸店や専門家に相談すると確実です。
4.雄株と雌株の選び方
雄株と雌株のどちらの木を植えたらよいか迷った場合に、選ぶ際には植える場所や用途に応じて雄株と雌株を決めるがポイントです。
■実を避けたい場合
実や種子がたくさん成るので落ちると掃除が大変なことがあります。
なので、駐車場や歩道の近くに植える場合は、実が落ちない「雄株」を選ぶと良いでしょう。
■自然な繁殖を楽しみたい場合
野鳥が種子を食べたり、種が自然に発芽したりする様子を楽しみたい場合には「雌株」を選ぶのがよいでしょう。
観賞用として実を避けたい場合:→ 雄株
自然の生態系を楽しみたい場合:→ 雌株
また、シマトネリコの実(雌株の種子)は観賞価値が特にあるわけではなく、風で飛ばされることで散らかるデメリットのほうが大きいです。
そのため、庭の用途や手入れの手間を考慮し選ぶ方が多いかもしれませんね。
シマトネリコの花言葉
シマトネリコには一般的に知られた花言葉はないようですが、植物の特徴や名前の由来から、次のようなイメージや象徴性が花言葉として考えられるといわれます。
■「高潔」や「清らかさ」
シマトネリコの白い小花や全体的な姿の美しさから、「高潔」や「清らかさ」といったイメージが連想されます。
■「成長」や「発展」
シマトネリコは成長が早く、どんどん大きくなる特徴があるため、「成長」や「発展」を象徴する花言葉が適しています。
■「調和」や「安定」
シマトネリコは庭木や街路樹として利用され、周囲の景観と調和する木で、この特性から「調和」や「安定」が連想されます。
■「服従」
古代ヨーロッパでは、トネリコ属の木が神聖な力を持つと考えられ、人々がその木を尊び使役したことに由来します。
■「思慮深さ」
トネリコ属の木がしっかりと根を張り、耐久性のある性質を持つことに由来します。
シマトネリコは具体的な花言葉が確立されていないものの、その清楚な花や成長の速さなどの特徴から、ポジティブで調和的なイメージを表す言葉が似合う植物と言えます。