サルスベリはすす病などの病気にかからない限り
放っておいても毎年花を咲かせてくれます。
なので、サルスベリは育てやすいだけでなく
花が咲いている期間が長いので人気があります。
ただ、毎年剪定を行なって整理してあげないと、
病害虫が発生するだけでなく、樹勢に影響が出て
花が咲きにくくなる可能性があります。
ここでは、サルスベリを剪定して整理する時に
実際にどこを切ったらよいのか実践してみたいと思います。
サルスベリを切る時期
サルスベリは当年性枝タイプなので、春から伸びた枝に花が咲きます。
これは、しっかりと理解しておいてください。
春から伸びた枝に花が咲くことから、
花をたくさん咲かせたいという場合には、花が咲き終わるまで
基本的に一切手を出してはいけないことになりますので気をつけて下さい。
しかし、枝数が増えて夏に剪定をしたくなることがあるかもしれません。
花は枝先に近い所に咲く習性がありますので、そのような場合には
枝元から間引くように切って整理するとよいです。
通常行なう剪定時期は、花が咲き終わって葉っぱが落ちた後から
次の年の新芽が伸びる前の3月か4月ころまでに行なうとよいです。
サルスベリの2種類の剪定方法
サルスベリは、仕上げる樹形によって「人工的な樹形」と
「自然的な樹形」の、2種類の剪定方法があります。
人工的な樹形と自然樹形はどのような樹形のことで、
どのように剪定をしたらよいのでしょう。
人工的なサルスベリはどんなの樹形か
人工的なサルスベリの樹形は、太い枝の終点から毎年伸びる枝を、
毎年同じ場所で切ることになります。
剪定する期間が長くなると、枝の切り口が密集した終点部分は
コブ状になって、人間の握りこぶしのようになります。
サルスベリの樹勢がこの切り口の終点部分に集まるので、
枝の伸び方は、コブ状になった部分から一斉に生えます。
人工的なサルスベリはどこを切ったら良いのか
人工的なサルスベリの樹形にした場合は、
コブになるところが最高地点となって、
ある程度のところで大きさを決めることができ
その高さのところで剪定を行なうようになります。
人工的なサルスベリは、毎回このコブ状になるところで
赤いラインで枝元からすっかり切れば良いです。
↓
このサルスベリであれば赤い線で
↓
サルスベリの樹勢がこの切り口の終点部分に集まるので
この部分から出る枝は太くなる傾向があります。
剪定作業自体は、毎年同じコブのところから枝が出て
同じところを切るので何も考えなくてもよいので楽です。
自然的なサルスベリはどんな樹形か
サルスベリの剪定をしないと自然樹形になりやすいです。
または、剪定時に枝を選べば、
自然樹形にすることもできます。
この自然樹形にする場合は、コブになることはないです。
自然的なサルスベリの樹形にした場合は、
樹高がだんだんと高くなる事が考えられます。
自然的なサルスベリはどこを切ったら良いのか
自然的なサルスベリにするには、枝を選んで剪定しなければいけないので、
不慣れな方には難しく感じるかもしれません。
まずは、枯れている枝を整理して、
ぶつかり合っている枝を枝を選んで間引きます。
花が咲き終わった所が残っていたら
切り取っておいた方がよいです。
そして自然樹形にするなら、このサルスベリであれば
このラインで、枝分かれした部分を選んで剪定すればよいでしょう。
サルスベリがすす病にならずに花を咲かせるためにすること
サルスベリは、放っておくと枝葉が密集してきて
新梢全体が煤煙をかぶったような状態となることがあります。
これは、樹形の内部が風通しが悪くなって
病害虫が発生しやすい状況になることでおこります。
特にすす病は、カイガラムシやアブラムシがサルスベリに寄生して
これらの排泄物によってすす菌が培養されて発生します。
すす病が発生すると樹勢が悪くなるだけでなく、
新梢に影響が出ることで花が咲かなくなる可能性もあります。
すす病の原因であるカイガラムシを見つけた場合には、
竹べらのようなもので、そぎ落とすのが確実です。
その数が多い場合には、スミチオン乳剤の1,000倍液を散布すると良いです。
本当はカイガラムシが発生する前に樹形の内部を枝葉を間引いて整理し
風通しをよくする剪定をしておく必要があるのです。
サルスベリのその後
我が家の小さなサルスベリ1本の木で、
「人工的な剪定」と「自然的な剪定」で
どのような花の咲き方の違いが生まれるのか?
検証したいと思います。
題材のサルスベリはこれです。
このサルスベリを手前半分をコブができるような強剪定を行ない、
奥を自然樹形の剪定に形作り、今回の2種類の作業によって、
花が咲いた時にどのようになるのか調査します。
これがどのような花の咲き方になったのか・・・
サルスベリの1年後
枝が伸びた先に花が咲きました。
今回の2種類の作業によって、花が咲いた時にどのようになるのか試してみましたが、結局同じように枝が伸びてよくわからなくなりました。
最後の写真部分はコブができるような人工樹形スタイルにして切りましたが、太い枝ばかり出てきて邪魔になったので、枝を数本切るくら樹勢が強かったです。わかるように枝を5cmくらい残しておきました。
かえって、コブができるように太い部分を残して細い枝を全て剪定する方法にすると、翌年は勢いのよい枝が生えてくるようです。
自然樹形のように枝を残してやると、細い枝しか伸びてこない可能性が高くなるようです。
サルスベリの剪定方法は、好みによって自然樹形にするか人工的に太い枝を残して切るか、2種類のどちらかの剪定を選べばよいという事です。