
サルスベリはいつ剪定したらよいのかと隣のおばちゃんに聞かれました。
しかし、毎年同じことを聞かれるのがなぜか腑に落ちない・・・。
たぶん教えても忘れるか、覚える気がないんでしょうね。
サルスベリが百日紅と書く由来
サルスベリは中国原産の落葉中高木です。
サルスベリは、幹が太くなるにつれだんだんと古い樹皮が剥がれ落ちていきます。
古い樹皮が剥がれ落ちると、猿が登っても滑るようなすべすべした美しくて新しい樹皮になるので、「サルスベリ」という名がつけられたといいます。
猿も木から落ちると言いますが、もしかしたらサルスベリから落ちたのかもしれませんね。
実際には、猿は滑らないでに簡単にスルスルっと上っていってしまいますけどね。
サルスベリの別名は百日紅(ヒャクジツコウ)と言い花が7月から9月の真夏にかけて、
約3ヶ月も咲き続ける事から百日咲き続けるために名づけられました。
1つの花が100日間も咲き続けるのではなく、次々に新しい花が咲くために、ずっと咲き続いているように見えるだけのようです。
実際は、ひとつの花の寿命は1日程度しかないらしいです。
サルスベリの剪定はこの長い期間に「美しい花を咲かせるため」と「樹形を整えるため」に重要な作業になります。
以下に、わかりやすく剪定の時期を解説します。
サルスベリの剪定時期
サルスベリは幹の肌具合、枝ぶり、花まで庭木として一年中楽しめる木です。
そんなサルスベリの花の咲き方を まずは覚えていて欲しいのですが、
その年の春から伸びた枝の先に花芽がつき、夏ころから順に花が咲きます。
サルスベリの剪定時期は、冬(12月~2月) が最適で、その理由は、この時期は休眠期にあたり樹木に与えるダメージが少なくなります。特に花芽は新しい枝にできるので、古い枝を切っても問題はありません。
ちなみに花を見ることが目的でない場合には、樹体にダメージを与えないように行えば、基本的に一年のうちいつ剪定を行ってもよいです。
そうではなく、花も見たいけど剪定もしたいという場合には、サルスベリの剪定の適期である冬(12月~2月) に、遅くても新芽が出る前の4月ころまでには済ませておきたいところです。
よくサルスベリの枝葉が良く伸びた6月前後にうっとうしくなって伸びた枝先の方を切られる方が多いようですが、そんなことをしたら、その年の花は少なくなる可能性が高いと思ったほうが良いです。
芽が伸びる前の状態まで切り戻す状態、すなわち枝元から枝自体をすっかり切り取った場合は、花は見ることができないです。
サルスベリの剪定時期をまとめると
花を咲かせたい場合の剪定時期にベストなのが12月~2月で、 地域によって幅があるので、だいたい葉っぱが落ち切った11月ころから、新芽が出る前4月ころまでの間までには済ませておきたいです。
剪定の目的
剪定には目的があります。
ただ単に、夏に枝葉が伸びてうっとうしくなったから切るということではありません。
剪定の目的として、
■古い枝の除去:
古い枝や枯れた枝は必ず出てきます。
樹形の内側が混み合わないようになることで、風通しが良くなり、病害虫が発生しにくくなります。
風通しを良くし日当たりを改善することで健全に成長し続けます。
■樹形を整える:
バランスの良い形を保つことで、見た目が美しくなります。
そうすると花がきれいに咲き誇るように見えます。
■花をきれいにたくさん咲かせる:
新しい枝に花が咲くので、古い枝を適切に剪定することで花つきがよくなります。
古い枝を放っておくと花芽がつきにくくなり花が咲かなくなります。
逆に枝を強く切りすぎると枝先にだけ花が咲きすぎ見栄えが悪くなります。
サルスベリの剪定方法
サルスベリは剪定時期が良くても、枝をすっかり切る強い剪定をしてしまうと、春に新芽が出てから葉っぱが落ちるまでに1mくらい長く伸びる枝もあります。
平均すると50cmくらいは伸びるようですね。
以前、こんなことがありました。
年々花が咲かなくなってきたというお客様に相談されたことがあります。
樹高3.5mくらいのサルスベリで、日当たりはばっちりです。
しかし、今まで剪定らしいことはしてないようでした。
剪定をしないために、風通しも悪くなったために、真黒い「すす病」に感染してしまいました。
そこでサルスベリの剪定箇所の定番であると知られる、太い枝(幹)のところの最終地点で剪定してみました。
それで次の年に花はどうなったのかというと結構たくさん咲いてくれました。
その時の剪定時期は葉っぱが落ちた11月に行ってもらいました。
サルスベリの剪定方法1
サルスベリの剪定方法のひとつには、
サルスベリの剪定箇所の定番であるとよく間違われる、枝の太いところの最終地点で、今年伸びた枝を枝元ですっかり切る方法があります。
その箇所は毎年同じところで切っているとだんだんとコブになります。
ただこれは、すす病などにかかり枝が黒くなってしまった場合に行う最終手段になります。
もちろん剪定と同時に、すす病用に薬剤を散布しておくことをおすすめします。
切ったあとの切り残された枝の部分が長いと見栄えが悪くなりますので、結構短めにすっきり剪定します。
次の年もその部分で剪定するわけですが、毎年のことなのでだんだんと握りこぶしのように丸くなっていきます。
なので、次回どこで切ったらいいか忘れたら、その握りこぶしが目印になるので、そこ切ればいいわけです。
サルスベリの剪定方法2
もうひとつサルスベリの剪定方法があります。
枝の太いところの最終地点から今年伸びた枝を10cm~20cm程度残して剪定するとよいです。
先ほどと違うのは、枝元からすっかり切るのではなく枝を適度の長さで残すということです。
次の年は一段階細い枝先で同じように10cm程度残して切っていくと、自然な樹形を得られるようになります。
おすすめはこちらの枝を残す剪定方法になります。