剪定ばさみが切れない!研ぎ方の誤解を図解で解説

植木の剪定等で使用する「剪定ばさみ」や「園芸で使うハサミ」が切れないけど、研ぎ方はどうしたらよいか?と良く聞かれることがあります。

「こうやるんだよ!」と教えてあげると、やっぱり本来やらなければいけない研ぎ方とは逆のことをしていたようです。

さていったい、どこが違うというのでしょう?

ここでは私個人が、実際に使っている剪定ばさみを例に、誤解されている研ぎ方を正していきますので参考にしてください。

剪定ばさみの研ぎ方で何を誤解しているのか?

剪定ばさみの研ぎ方はどれくらいの頻度ですれば良いのかというと、私の場合は仕事を終わった時にでは全く足りず、1時間くらいに 1度、ひどい時は15分~30分に1度、刃を研がないと作業に支障が出て進まないのです。

そんなに頻繁に研がなければならないほど、刃先が丸くなり切れなくなるのかと不思議がるかもしれませんね。

この意味をわかっていない人は、だんだん切れなくなっているのに切れないからといって、力を入れてぐりぐりと刃を回したりして、刃がこぼれてボロボロになっていき、余計に切れなくなるような無理な剪定をしているかもしれません。

逆に刃が切れなくなってすぐに研ごうとする人もいますが、研ぐところが違うので切れないままで、いくら刃をとがらせても切れない理由がわからないから首をひねって「おかしいおかしい!」と思って作業しているかもしれません。

刃を研ぐといっても、実をいうと剪定に不慣れな人がやっていることは、研ぐところが違うだけなんです。

剪定ばさみの研ぎ方

それではここからは、剪定ばさみのどこをどのように研いでいけば良いのかを説明していきますね。

研ぐときに使う道具

これが私が使っている剪定ばさみを研ぐ道具一式、これだけです。青い箱に水を入れて、砥石とハサミを少しうるかして使います。
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剪定ばさみのヤニがたまるところ

剪定ばさみの研ぎ方は、わかりやすく長い両刃の「片手刈り込みバサミ」で説明しますね。

刃の裏側に葉っぱのヤニがつくことは理解されますでしょうか?
全ての刃ではないですが、刃の裏面は平らではなく凹型になっていて、そこにヤニが溜まっていくようにできています。

緑の部分にヤニがたまります。
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見づらいですが、刃の裏面が平らではなく凹んでいるのがわかるでしょうか。両刃なので両方の刃が少し凹んでいます。
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緑の部分のヤニを取るように刃の先を丸くしないように、刃の裏側を研ぐようにヤニを取ります。砥ぐというか削るというか表現が難しいですが、砥石を使ってヤニがすっかり取れるまでやります。

だからここで言っている「研ぐ」という表現は違く「ヤニを取る」ように手入れをするという表現の方が合っているのかもしれませんね。
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剪定に不慣れな人は、いつもこの表の刃の部分ばかりを研いで、刃を尖らせようとしています。そんなに研がなくても良く、実は思ったほど刃先に変わりはないので、私の場合は 1ヶ月に1回くらいしかこの部分を研ぎません。
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それよりも、少しでも切れないと感じた時は「刃の裏面を見る」ようにしてください。ヤニが溜まって刃が浮いてしまい、うまくかみ合わずに挟めないでいるはずです。

両手で刈り込む「刈り込みバサミ」の場合も、この「片手刈り込みバサミ」の少し大きい版だと思って、参考にして研いでみてください。

刃の小さなハサミの研ぎ方

刃の小さなハサミについても同じで、ヤニがたまります。このハサミは片刃で、裏面は平らになっているのでヤニがたまるというよりはヤニを平らに伸ばす感じで広がりたまっていきます。

私はこのハサミは松専用に使っているのでヤニがとくにこびりつきます。松のヤニは厄介でなかなか取れないので、暑い時などひどい時は研ぐのに汗だくになる程です。

研ぎ方はハサミの平らな面に対して、砥石の面を平らにあてがい、水平に移動させてヤニを削るように取ります。
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反対の刃の裏面も平らなので、同じように砥石を平らにあてがい、水平に移動して研ぎます。
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表の面は 1ヶ月に1度程度、刃先を尖らせるように研ぐだけで良いです。
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枝切りバサミの研ぎ方

このタイプのハサミは枝を切るのでヤニはあまり付くことはないので、研ぐ回数は一番少ないです。使用した日の終わりに 1回だけ裏面を平らに研げば、私の場合は用が足りています。
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反対側も同じように平らに研ぎます。
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表の面は 1ヶ月に 1度程度で良いと思います。
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「高枝切りバサミ」を研ぐ場合は、この「枝切りバサミ」を参考にして研ぐとうまくいくはずです。

基本的に刃を研ぐ時は、砥石の細かい仕上げ用の面(つるつるのほう)で研ぎます。荒い方の面(ややザラザラ)はいつ使うかというと、刃の欠けた部分をできるだけ修復するように使います。
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松やトウヒ類などの木はやにというか、「ガム」のような樹液が夏場は多く出て剪定ばさみにまとわりつくことがあり、それを取り除く作業が大変なのです。

最近では、松のヤニがハサミについた時に、初めに荒い面の砥石でさらっと研いて(削って)から、次に細かい面で研ぐと、効率よくヤニが取れることが判明し、真夏でも汗だくになることが少なくなりました。

私の場合は、このようにして剪定ばさみをすごく簡単に研いでいるように見えるのですが、少しは参考になりましたでしょうか?あなたの剪定ライフに役立ててください。

剪定ばさみのタイプ別使い方

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