ツツジを丸く切る剪定方法!刈り込みバサミと電動バリカンどちらが良いか?
目次
  1. はじめに:ツツジをきれいに丸く刈れない原因と解決策をすべてお伝えします
  2. ツツジの特徴:「玉物」として管理される難しさと花芽の重要性
    1. ツツジは花芽が夏に形成される「前年生枝タイプ」
    2. 玉物として管理される特殊な庭木
    3. 「下も切る」がきれいな仕上がりの決め手
  3. ツツジの剪定時期:「花後すぐ」が唯一のベスト
    1. 最もベストな剪定時期:花が終わった直後(5~6月頃)
    2. 夏以降(7月以降)の深い刈り込みは花芽を落とす
    3. グンバイムシ対策のための剪定も時期が重要
  4. ツツジの剪定方法:「外側の線」で切り・「下の線」も必ず切る
    1. 花芽を落とさない切り位置の見極め方
    2. 「上の線」だけでなく「下の線」も必ず刈ること
    3. 丸く仕上げるための具体的なコツ
    4. 【忙しい方向け】15分でできるズボラ流ツツジ管理
  5. 失敗した時のリカバリー:「やってしまった!」時の対処法
    1. 夏(7月以降)に深く刈り込んでしまった場合
    2. 刈り込みすぎてハゲ坊主になってしまった場合
    3. いびつな形になってしまった場合
    4. 下が重くなって「おばけツツジ」になってしまった場合
  6. 病害虫対策:ツツジにかかりやすい病害虫と対処法
    1. ①グンバイムシ:ツツジで最も多い害虫
    2. ②もち病:葉が白くもち状に膨らむ病気
    3. ③アブラムシ:春の新梢に群がる害虫
  7. おすすめの道具:プロが実際に使う道具と電動ヘッジトリマー
    1. おの義の刈り込みバサミ(手動での仕上げに)
    2. 充電式電動ヘッジトリマー(これが仕上がりを劇的に変える)
  8. ゴミの処分とマナー:後片付けと近所への配慮
    1. 大量に出る刈り込みゴミの処分
    2. ご近所への配慮
  9. プロのホンネ:自分でやる限界と業者に頼む目安
  10. よくある質問Q&A
    1. Q. ツツジの花が毎年少なくなってきています。原因は何ですか?
    2. Q. ツツジをきれいに丸く刈れないのですが、どうすればいいですか?
    3. Q. 葉が白っぽくかすれたようになっています。何ですか?
    4. Q. 刈り込みバサミと電動ヘッジトリマー、どちらがいいですか?

はじめに:ツツジをきれいに丸く刈れない原因と解決策をすべてお伝えします

「ツツジの玉物をきれいに丸く刈ろうとしてもいびつになってしまう」
「毎年剪定しているのに花が少なくなってきた」
「上は刈れるけど下の方が重くなってきてカッコ悪い」

ツツジの剪定に関するこういった悩みは非常に多いです。

ツツジの剪定は、簡単なようで実はかなり難しいです。ほとんどのツツジは玉物として表面を丸く切って仕立ててあります。ということは、前に倣えで必然として丸く剪定してあげなければならないのですが、まっすぐに刈る腕もおぼつかないのに丸く刈るなんて、神経を尖らせないとできません。だからツツジを剪定するのは精神的にも体力的にも結構疲れるんです。

このページでは、ツツジを丸くきれいに刈る方法・花芽を落とさない切り位置・プロが使う道具・失敗した時のリカバリー・グンバイムシなどの病害虫対策・ゴミの処分まで、ツツジに関するすべてをお伝えします。

ツツジの特徴:「玉物」として管理される難しさと花芽の重要性

ツツジは花芽が夏に形成される「前年生枝タイプ」

ツツジを管理する上で最も重要な知識がここです。ツツジの花芽は、花が終わった後の夏(6~8月頃)に前年枝に形成されます。この花芽が冬を越して翌春に開花します。

つまり、夏以降に深く刈り込むと花芽を切り落としてしまい、翌春の花が激減します。これが「毎年剪定しているのに花が少なくなった」の最大の原因です。

玉物として管理される特殊な庭木

ツツジはほとんどが玉物(丸く仕立てた形)として管理されています。すでに丸く仕立てあがっているものであれば、輪郭に沿って丸く仕上げるように剪定すれば良いのですが、それが難しくてうまくいかないから困っている方が多いです。

「下も切る」がきれいな仕上がりの決め手

自分でツツジを剪定するほとんどの方が上の方しか剪定しません。だからだんだんと下に葉や枝が伸びてきて、重苦しいツツジになってくるんです。

さっぱりときれいなツツジに仕上げるのであれば、しっかりと下の部分も剪定することが重要です。一般的な庭師は上の線はもちろん刈りますが、下の線をしっかりと刈ることで、1本のツツジをきれいに仕上げることができます。うまい庭師かどうかは、ここを見ればわかります。 極端なことを言えば、上よりも下の剪定が重要です。

ツツジの剪定時期:「花後すぐ」が唯一のベスト

最もベストな剪定時期:花が終わった直後(5~6月頃)

ツツジの剪定で最も重要なのは時期の選択です。花が終わった直後(5~6月頃)に剪定することが花を守る唯一の方法です。

花が終わって直ぐに軽めに刈っておけば、花が咲かないというリスクは低く抑えられます。また花が終わって直ぐに刈れば、ガリっと刈ったとしても、翌年花は咲く可能性が高いです。

夏以降(7月以降)の深い刈り込みは花芽を落とす

花が終わった後の夏(6~8月頃)から花芽が形成されます。この時期以降に深く刈り込むと、場合によっては花芽は落ちて来年の花は期待できないかもしれません。

「夏に葉が茂ってうっとうしくなったから切りたい」という気持ちはよくわかりますが、花を楽しみたい方は花後すぐの剪定に絞ることをおすすめします。

グンバイムシ対策のための剪定も時期が重要

後述するグンバイムシは夏に被害が出やすい害虫です。グンバイムシの被害を受けた場合は薬剤散布で対処し、剪定による対処(風通しの改善)は花後(5~6月)に行うことが理想的です。

ツツジの剪定方法:「外側の線」で切り・「下の線」も必ず切る

花芽を落とさない切り位置の見極め方

ツツジの剪定で最も大切なのが切り位置の判断です。

写真を見ていただくと、2本の線が引いてあります。今年ツツジが伸びた「外側の線」で軽めに刈れば、極力花芽を落とさずに刈れます。しかし「内側の線」までガリっと刈ってしまうと、場合によっては花芽は落ちて、来年の花は期待できないかもしれません。

つまり「今年伸びた分だけ刈り戻す」というイメージです。前年の枝を大きく残すことで、そこについている花芽を保護できます。

「上の線」だけでなく「下の線」も必ず刈ること

写真の外の線は上が「青線」、下が「赤線」になっています。自分でツツジを剪定するほとんどの方が、上の「青線」でしか剪定しません。だからだんだんと下に葉や枝が伸びてきて、重苦しいツツジになるのです。

さっぱりときれいなツツジに仕上げるのであれば、しっかりと下の「赤線」も剪定してください。上よりも下の剪定の方が、仕上がりに大きな差が出ます。

丸く仕上げるための具体的なコツ

丸く仕上げるためのコツは、まず目線を下から上に向けて全体の輪郭を確認することです。はじめに仕上がりのイメージを頭に描いてから作業を始めることが重要です。

最初に全体の輪郭を軽くなぞるように刈り込み、次に細部を調整する「2段階刈り込み」が仕上がりをきれいにするコツです。1回で完璧に仕上げようとせず、距離を置いて全体を確認しながら進めることで、いびつになりにくくなります。

うまくいかない場合の対処法は「実践練習でしか身につきません」。毎年刈ってうまくなるしかないですが、後述する電動ヘッジトリマーを使えば、格段に仕上がりがきれいになります。

【忙しい方向け】15分でできるズボラ流ツツジ管理

完璧な管理ができなくても、これだけ守ってください。花が終わったらすぐ(5~6月中に)今年伸びた外側の部分を刈ります。上だけでなく下の部分も忘れずに刈ります。夏(7月以降)の深い刈り込みはしません。この3点だけで「花が咲かなくなる」「下が重くなる」という主要な問題を防げます。

失敗した時のリカバリー:「やってしまった!」時の対処法

夏(7月以降)に深く刈り込んでしまった場合

花芽形成期(6~8月頃)に深く刈り込んでしまった場合、翌春の花は大幅に減る可能性があります。しかし木が枯れるわけではありません。

これ以上の追加刈り込みは止めてください。翌春の花が少なかった場合でも、翌年の花後(5~6月)から正しい管理を再スタートすることで、翌々年から花が戻ります。

刈り込みすぎてハゲ坊主になってしまった場合

ツツジは比較的萌芽力がありますので、刈り込みすぎて丸裸になっても春には新しい枝が出てきます。追加の刈り込みは行わず、新しく伸びてきた枝を育てることに専念してください。春に出た枝を翌年の花後に整えることで、1~2年で元の状態に近づきます。

いびつな形になってしまった場合

いびつな形になってしまった場合、一度の作業で完璧に直そうとしないことが重要です。毎年の花後の刈り込みで少しずつ形を整えていく長期的な視点が必要です。大きく出っ張った部分だけを花後に多めに刈り込み、凹んだ部分は翌年伸びてくるまで待ちます。数年かけて徐々に理想の形に近づけることが現実的です。

下が重くなって「おばけツツジ」になってしまった場合

下が重く伸びてしまった「おばけツツジ」は、一気に改善しようとすると翌年の花がなくなります。花後(5~6月)に少しずつ下を刈り込んで、数年かけて形を戻すことをおすすめします。

病害虫対策:ツツジにかかりやすい病害虫と対処法

①グンバイムシ:ツツジで最も多い害虫

ツツジで最も多く発生する害虫がグンバイムシです。体長3~5mmほどの小さな虫で、葉の裏に群がって汁液を吸います。被害を受けた葉は表面が白っぽくかすれたような状態になり、美観が大きく損なわれます。夏(7~8月)に被害が出やすいです。

グンバイムシを発見したらスミチオン乳剤1,000倍液またはオルトラン液剤を葉の裏側に重点的に散布して駆除します。被害を受けた葉は元には戻りませんが、薬剤散布で虫を駆除することで翌年の新しい葉は健全に育ちます。風通しを良くする花後剪定がグンバイムシ予防にもなります。

②もち病:葉が白くもち状に膨らむ病気

春の新芽が白くもち状に膨らむもち病が発生することがあります。発病した葉は取り除いて処分し、殺菌剤を散布して対処します。

③アブラムシ:春の新梢に群がる害虫

春の新梢にアブラムシが群がることがあります。スミチオン乳剤1,000~1,500倍液を散布して駆除します。

病害虫共通の予防策: 花後剪定で枝葉の密度を適切に保ち、風通しと日当たりを確保することが最大の予防です。

おすすめの道具:プロが実際に使う道具と電動ヘッジトリマー

おの義の刈り込みバサミ(手動での仕上げに)

ツツジの管理で手動の場合は刈り込みバサミが主役です。おの義の刈り込みバサミは刃の切れ味・耐久性ともに優れており、長年の現場での使用に耐えます。刃渡り200~250mmのものが標準的で、こまめに油を差すことで切れ味を長持ちさせられます。

ただし刈り込みバサミを長時間使うと、ビンビンに肩が張ってきて凝ることが多いです。結構つらいです。

お手入れ: 使用後は刃に付いた葉のカスをウエスで拭き取り、薄く油を塗ります。おの義は研ぎ直しサービスにも対応していますので、長く使い続けることができます。

充電式電動ヘッジトリマー(これが仕上がりを劇的に変える)

よく他の家のツツジを見るとプロが刈ったかのようにきれいに丸く仕上がっている状態を見たことがありませんか?あれは電動のバリカンを使って剪定しているのです。

電動のバリカンを使えば誰でも簡単というわけではありませんが、慣れてコツをつかめば、結構なお年寄りでもうまく刈れています。コードありの電動バリカンはコードを刃で切ってしまうアクシデントが頻繁に起きますので、充電式の電動ヘッジトリマーがおすすめです。

コードがないため自由に動き回れて、電動バリカンと比べて格段に使いやすいです。長時間やらなければ、これを使うのが最も楽に美しく仕上がります。

プロのエンジン式バリカンは総重量5kgほどあり汗だくになりながら作業しますが、充電式の電動ヘッジトリマーははるかに軽く、体への負担が少ないです。

ゴミの処分とマナー:後片付けと近所への配慮

大量に出る刈り込みゴミの処分

ツツジの刈り込みでは大量の細かい葉が出ます。葉は細かいためゴミ袋に押し込むとかさが減ります。自治体のゴミ収集のルール(量・袋の指定・長さの制限)を事前に確認してください。

作業前に根元と周囲に養生シートを敷いておくと、切った葉の片付けが格段に楽になります。

グンバイムシの被害を受けた葉は健全な葉と一緒にせず密封して処分してください。

ご近所への配慮

ツツジは横に広がりやすいため、お隣の敷地に越境しやすい庭木です。定期的に境界を確認して、越境に気づいたら花後の剪定で対処してください。刈り込んだ葉がお隣に飛び込まないよう風向きを確認してから作業することも大切なマナーです。

プロのホンネ:自分でやる限界と業者に頼む目安

ツツジの高さが1.5mを超えている場合: 上部の刈り込みに三脚が必要になります。三脚の上で刈り込みバサミや電動ヘッジトリマーを使う作業は転落リスクがあります。2m以上のツツジは専門業者への依頼をおすすめします。

「おばけツツジ」になってしまっている場合: 大きく形が崩れたツツジを数年かけて回復させる作業は、正直かなり根気が必要です。プロに一度整えてもらってから、自分で維持管理する方法が最も効率的です。

よくある質問Q&A

Q. ツツジの花が毎年少なくなってきています。原因は何ですか?

A. 最も多い原因が剪定のタイミングです。夏(7月以降)に刈り込んでいた場合、花芽を切り落としている可能性が高いです。花後すぐ(5~6月)に切る習慣に切り替えてください。

Q. ツツジをきれいに丸く刈れないのですが、どうすればいいですか?

A. うまく刈る方法は「実践練習でしか身につきません」。ただし充電式の電動ヘッジトリマーを使うと、手動の刈り込みバサミより格段にきれいに仕上がります。道具の選択が仕上がりを大きく左右します。

Q. 葉が白っぽくかすれたようになっています。何ですか?

A. グンバイムシの被害の可能性があります。葉の裏を確認して、小さな虫がいたらグンバイムシです。スミチオン乳剤1,000倍液を葉の裏側に重点的に散布して駆除してください。

Q. 刈り込みバサミと電動ヘッジトリマー、どちらがいいですか?

A. 仕上がりのきれいさと体への負担の少なさを重視するなら充電式の電動ヘッジトリマーが圧倒的におすすめです。刈り込みバサミは長時間使うと肩・腕が疲れます。ただし電動ヘッジトリマーも最初は練習が必要です。

ツツジは「花後すぐ(5~6月)に今年伸びた外側だけ刈り込む」「上だけでなく下の部分も必ず刈ること」「夏(7月以降)の深い刈り込みはしない」という3つのポイントを守ることで、毎年春に美しい花を楽しみながらきれいな樹形を維持できます。電動ヘッジトリマーの活用で、仕上がりが格段に美しくなります。このページがツツジとの長いお付き合いの参考になれば幸いです。

ツツジの剪定時期はいつ?花が咲かない理由と花を咲かせる条件