栗(クリ)の木の剪定時期と剪定方法

栗(クリ)の木や桜の木を庭に植えるくらい後悔することはないです。

その理由は・・・
栗も桜も品種によりますが、樹勢が強くどんどん大きくなる種類が多い木で、最悪の場合、2階の屋根の高さを超えてしまうほどです。

地表に見える部分だけでも大きいのですが、根は地表に出ている大木を支えたり、栄養を送ったりするために、もっと深く横に広く根付きます。

栗や桜の近くに建物がなければ問題はないのですが、根は最悪の場合建物を持ち上げます。そして、枯れたり腐ってしまうとシロアリが発生してしまいますので、敷地が広くて余っているのなら話は別ですが、狭い敷地には栗も桜も、できれば果樹も植えるべきではないです。

これらの木の種類はなぜか、葉っぱがデカく枝も太いので、管理も大変ですしね。

栗の花が咲く時期と花芽形成時期について

栗(クリ)の木の花の生長サイクルは、実の収穫にも影響を与える重要なポイントです。

栗の木の剪定時期を誤ると栗は成らなくなるほど重要です。

ここからは、栗の木の花が咲く時期と花芽形成時期について解説します。

<4h>栗の花が咲く時期
栗の花が咲く時期は、6月~7月頃です。

■栗の木は雄花と雌花の両方を持つ雌雄同株の樹木です。
 雄花は、長い穂状(黄色~クリーム色)の花をつけ、独特な強い香りを辺り一帯に漂わせます。
 雌花は、雄花の付け根や短い枝に小さく咲き、目立ちにくいです。

■媒花ですが、昆虫(ミツバチなど)による受粉も助けになります。
 受粉が成功すると、雌花が膨らみ、9月~10月に栗の実が成熟します。

<4h>花芽が形成される時期
花芽形成の時期は、前年の8月から10月頃に花芽の分化が始まります。
気温や栄養状態によって翌年の開花・結実に影響します。

12月から4月頃に、花芽が成長を続け、春をすぎるとだんだんと目で確認できるほど膨らんできます。

6月から7月頃に開花して、受粉が行われるようになり、やがて実が成ります。

花芽は前年に作られるため、剪定は適切な時期に行わないと花芽を失う可能性があります。

<4h>栗の花と結実の関係
花芽形成が前年の8月から10月頃に起こるため、この時期に強剪定をすると翌年の花付きが悪くなります。
適度に風通しをよくするなどの剪定を行うと、健康な花芽が育ちやすくなります。
栗の実が大きくなるには、適切な施肥と剪定、受粉の環境が重要です。

栗の木の剪定について

栗は樹勢が強く、とても大きな木になりやすいです。大きいままで育てたいのであれば、徒長した枝だけを切って、葉っぱに日が当たるようにすれば良いです。

逆に、栗の木を小さめに作って育てたければ、ある程度の高さで早めに主幹の高さを決め、芯を止めるようにコンパクトに剪定します。栗の木を植えてある以上、毎年の剪定は欠かせませんし、葉っぱやイガの掃除も大変です。(→o←)ゞ

剪定は、枝が重なって混み過ぎたり、葉っぱに日が当たらない枝を間引く作業をします。
この作業をしないと、栗は病害虫も多く発生しまので、密度の濃い枝ぶりは厳禁です。

栗の木を剪定する目的はどんな木にも言えることですが、
・日当たりを良くすることで、大きな実に育てる
・実がなる枝に樹勢を集めることで大きな実をつけられる
・風通しを良くすることで、病害虫の発生を防ぐ
・作業をしやすくすために高さを調整する

栗に関して言えばこんなところでしょうかね。

剪定時期について

栗の剪定時期は、地域にもよりますが、葉っぱが落ちた冬期期の11月~3月ころが適期です。

特に太い枝を切る強剪定ができる時期です。

また、今年、幹や枝から徒長した枝は不要なので、根元からスッキリ切ったほうがよいです。そうすることで、葉っぱや内部にも光が行き届きやすくなり、樹勢や病害虫の発生も極力抑えられます。

徒長した枝でも、実をつけたい場所に枝を残すことで、必要とされることもありますので、適宜選んで剪定してください。

栗の剪定方法について

ここでは、栗の木の剪定方法についてお伝えします。

栗の樹高は抑えること

樹高は高くても3~4m以内に抑えるようにして、できれば上ではなく横に伸ばすとよいです。
横に伸ばすことで、日の光をたくさん浴びれるようになりますし、剪定作業も高さがない分、楽ができます。

届かない太枝はおもいきって切りますが、枯れや腐れを防ぐために枝元から2cm~3cmくらい残してノコギリ等で切り落とすとよいです。

最悪でも太枝切りバサミで切れる高さまでは大丈夫ですが、高すぎると作業効率は悪くなりますし、大怪我をする心配があります。

3脚を使う場合も、高くなればなるほど危険が伴います。
脚が4本の「脚立」については、足場がグラグラな場所では絶対に使わないことです。脚立から落ちたことが原因で亡くなった人を何人も見てきました。脚立を使うなんて、命がいくつあっても足りません。自分は大丈夫と思わないことです。

剪定をする枝の基準

栗の木をスッキリきれいにしたいなら、長く徒長した無駄な枝を全て切ります。
実を成らせたいのなら、若く勢いのある枝を残します。

栗は切りすぎても切ったところからどんどん新芽が生えるので大丈夫です。
ただし、その伸びた新芽が、花芽になるか葉芽になるかは剪定時期や樹勢次第です。

光の当たらない陰で育った枝は全体が細く樹勢が弱いですし、横に広がる枝を優先して残すと光が当たるのでいいようです。逆に内側に枝がなさなるような伸び方をする枝は切ります。とにかく日陰になると枯れ枝が発生しますので、枝と枝が重ならないように剪定してください。

前年伸びた充実した枝の先端に花芽がつき、葉のつけ根に雌花と雄花が咲きますので、
実をならせるための剪定は、冬期剪定でこうした枝を切り詰めてしまわないことです。

実がならないのはなぜか?

イガが小さいまま途中で落果する、実つきが悪い栗の実があります。これは、樹勢の衰えや栄養不良が原因です。

栗は7~8月に落果が見られ、7月の落果は早期落果といいます。
早期落果は、樹体の栄養不良が原因によるもので、これは栗の木が越冬時、枝葉や根の成長と実つきの両方に必要な、木の体内で貯蔵されている栄養分が不足しているために起こります。

その時、栄養分を奪い合う現象によって、負けた弱い実が落果すると言われます。これを改善するためには、前年の収穫終了後に、お礼肥えや元肥をしっかり与え栄養状態を良くすることです。

その他、栗の実がならないのを改善する方法は、樹冠内部までしっかりと日光が入るような混み合ったところの間引き剪定をします。

また、夏の土壌乾燥も樹勢を弱くする原因です。これを防ぐには、鉢植えの場合は朝夕2回の水やりを、庭植えの場合は根元を乾燥などから保護するマルチングをしてあげます。

栗の実がならないのは、受粉や受精が不十分であることも原因です。
栗は1品種ではタネができにくい自家不結実性が強いので、受粉樹が必要になってきます。

8月に落果が多い時には、受精ができないことが大きな原因と思われます。その場合、他品種の苗木を植えたり、接木をしたりと、開花期に他品種の花が咲いている枝を近くに置くと良いです。

花つきが悪い原因はなに?

栗の花つきが悪いのは、日照不足が原因と思われます。

栗は日当たりが良いと樹冠の外側によく実が付きます。

逆に言えば、日照不足になりやすい樹冠内部は日陰になっているので枯れやすく花芽ができにくいです。なのでこれを改善するには、植えつける場所を日当たりの良いところにして、鉢植えにする場合も日当たりの良い場所に置きます。

花つきに関する剪定は、間引き剪定で樹冠内の込んだところの枝を取り除き、樹冠内部まで日光が入るようにしてやると花つきが多くなります。

老木になるとこの花つきが悪い傾向は顕著にあらわれ、最悪の場合、栗の木自体が枯れてしまうことがあります。

クリの木が弱ったり、クリがならなかったり、枯れる理由には、下のようなことが考えられるので、参考にしてみてください。
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