モクレン(木蓮)の剪定時期と剪定方法!いつ作業を行なえば花は咲くのか?

モクレン(木蓮)の剪定時期と剪定方法!いつ作業を行なえば花は咲くのか?

モクレン(木蓮)は枝が伸びやすい木なので、剪定を1年サボっただけで大きくなります。

特にモクレンは花も葉っぱも大きく目立つ木なので、毎年の剪定は欠かさず行いたいものです。

しかし、モクレンの剪定をされたお宅では、花が咲く可能性が低いようです。

どうしてそのようなことがおこるのでしょう。

それは、、、

モクレンの剪定に不慣れな方が行なってしまう剪定時期にあるようです。

ではモクレンの花を咲かせるにはいったいいつ剪定を行ない、どのように剪定を行なえばよいのか解説します。

モクレンの剪定時期と方法について、以下に詳しく説明します。

モクレンの花芽ができる時期を知らないと花が咲かない

モクレンの花を咲かせるためには、花芽ができる時期に花芽をなくすような剪定をしないことです。

そのためには、花芽が形成される時期を理解していないといけません。

モクレンは、花が咲く前の年に、枝の先に花芽ができる「前年生枝タイプ」です。

4月頃に花が咲くモクレンは、その後花芽が形成されることになりますが、
モクレンの花芽が形成される時期は、6月ころから7月前後の夏場に形成されます。

夏場は葉っぱが生えてきます。特にモクレンの葉は大きくうっとうしさが増しますので、剪定をしたくなる可能性が高くなります。

うっとうしさが増す6月ころは花芽が形成される時期ですが、この時期やこれよりも前に剪定を行なってしま方が多く、花が咲かないと嘆いているようです。

なぜ花が咲かないのかというと、、、

せっかく樹勢を注ごうとして目標をもっていた枝が、不本意な剪定により花芽から葉芽に変わってしまい、葉っぱが生えてしまうからです。

これが、花が咲かなくなる理由のひとつです。

しかし、モクレンの花芽が形成された後であっても油断はできません。

花芽ができた後、たとえば9月頃に剪定を行なったとしましょう。

花芽は枝先にできるのですが、せっかくできた花芽を見極められず、知らずに切ってしまったら、当然ですが花は咲きません。

これが、花が咲かなくなる理由のふたつ目です。

これでは、花芽ができる時期を知っていても、剪定方法を知っていないと、花が咲く可能性が低くなってしまいます。

モクレン(木蓮)の剪定時期

それでは、花を咲かせるためには、モクレンの剪定の時期はいつが良いのでしょう?

モクレンの花は、地域によって咲く時期は違いますが、コブシの花が終わってから、だいたい春先の4月ころに咲きます。

花芽の分化は、花が終わった後の6月から7月頃に起こり、来年咲く花芽がつくられます。

モクレンの花芽は8月頃には、だんだんとわかるようになるので、それ以降に、花芽を確認して剪定を行なうようにするとよいです。

ただし、8月ころはまだ木が活発に生育している時期なので、その時期に強い剪定をしてしまうと、場合によっては切ったところから枯れる可能性があります。

なので、剪定をする場合は、花芽と葉芽の区別もしっかりできる、
葉が完全に落葉した12~1月ころの冬場に行なうのが一番よいです。

モクレン(木蓮)の花芽と葉芽の見分け方

モクレンの花芽と葉芽の見分け方を図解で示すと下の画像のように、
枝先についているふくらみが大きいほうが花芽で、
ふくらみが小さいほうが葉芽です。

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夏を過ぎ冬に近づくにつれはっきりとその違いが分かってきますので、冬の剪定時に役立ててください。

モクレンの剪定時期のまとめ

モクレンの剪定は、以下の時期が適しています。

■花後すぐの春:4月~5月

モクレンは前年に形成された花芽から花を咲かせます。

そのため、花が終わった直後に剪定することで、次の年の花芽形成に影響を与えずに済みます。

遅すぎる剪定(夏以降)は、翌年の花付きが悪くなる原因になります。

この時期の剪定はおすすめはできません。

■休眠期の冬:12月~2月

落葉後に剪定を行うと枝の構造が見えやすくなり、樹形を整えやすいです。

ただし、花芽がどれなのかわからない場合、花芽も切る可能性があるため、この時期の剪定は樹形を整える目的に限るべきです。

モクレンの剪定の目的

・樹形を整える: モクレンは自然に美しい形を作りますが、伸びすぎた枝を整えることで樹形を維持することができます。

・病害虫の予防: 混み合った枝や交差した枝等を間引いてやり、風通しと日当たりを良くすることで病害虫を防げます。

モクレン(木蓮)の剪定方法

モクレンの剪定は、枝が交差したり、ぶつかり合っていたりと、混んだ枝を間引く剪定を行ないます。

無作為に枝葉を切るようなことをすると樹形が乱れたり、樹勢が悪くなります。

特に枝元からすっかり切るような剪定を行なうと、枝先についている全ての花芽はなくなりますので、花を咲かせたいのであれば、この剪定方法はやめた方がよいです。

大きな葉っぱがまだ落ちていない場合、枝の内部状況がわかりづらいかもしれませんが、葉っぱが落ちた時は枝の様子がわかりやすいです。

このように大きな葉がたくさんついてると、何がどうなっているのか、わけが分からないかもしれません。
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葉っぱがたくさん生えているまま剪定をしてしまうと、意外と知らないで花芽ができている枝を切ってしまっていたりします。

そうすると 1個の花芽を切り落としただけのに、なんだか損をしたような気さえおきることがあります。

モクレンの剪定は大きな葉っぱがまだ付いている時は、内部を注意深く覗いてやって、枝葉を選ばなければいけないです。

適切に切ってあげなければいけないので、少々面倒に思うかもしれません。

この時、葉っぱを持ち上げて内部を確認しようとした時は要注意です!

葉っぱに蜂の巣がついていて葉に触れた途端に、ハチが襲ってくる可能性もあるので気をつけないといけません。

面倒だし危険だと感じたときは、無理に剪定をしないで、葉っぱが落ちた時に枝の混雑状況を確かめて剪定すると良いですよ。

モクレン(木蓮)の剪定方法を図解でチック

モクレンの剪定を行なうのなら、葉っぱが落ちてからの、冬期の剪定をおすすめします。

モクレン(木蓮)の剪定方法を図解で示してみると、
この下図の枝分かれしたあたりで、周囲の枝の状況を確認しながら選んで切り戻す感じにすると良いです。

剪定する大体の箇所を赤線で示してみました。
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ここがベストな剪定位置とは限りませんが、剪定するときの参考にでもしてみてください。

モクレンの剪定方法のまとめ

■枯れ枝や弱い枝の除去
・枯れている枝や明らかに弱った枝は根元から切り取ります。
・交差している枝や混み合っている枝を間引き風通しを良くする。
・他の枝と交差している枝や、内側に向かっている方向性が悪く伸びる枝を間引きます。

■伸びすぎた枝の切り戻し
樹形から飛び出して不格好に見える枝は見栄えが悪くなるので、全体のバランスを考えて剪定します。
切り戻す際は、芽のすぐ上を斜めに切るようにします。

■古い花芽の剪定
花が終わった直後に、古い花芽を含む枝を剪定します。
これにより翌年の花付きが良くなる場合があります。

モクレンを剪定する際の注意点

モクレンは大きな剪定に弱い性質があるので、特に夏場は強い剪定を避けます。

一度に大きく切りすぎると、木にストレスを与えたり、成長が悪くなる可能性が高いです。

太い枝を切る際は、切り口が大きくなるため、癒合剤を使用して傷口を保護すると良いです。

剪定する際は、病害虫の感染を防ぐために、できれば清潔な刃物を使用した方が良いです。

剪定を最小限に留めることで、モクレン本来の自然な樹形と花の美しさを最大限楽しめます。

庭木として育てる場合は、植え付けの際に十分なスペースを確保することで、剪定の頻度を減らせます。

夏場に剪定する際はハチに注意です!