アケビの剪定方法と剪定時期

アケビはアケビ科の落葉つる性の木で、秋の野山にいくとポッカリと割れた果実の中に、黒く小さな種をたくさん抱いた甘い果肉を覗かせています。

ここではアケビの剪定方法と剪定時期について解説します。

アケビの花芽ができる時期

アケビの花芽の形成時期について説明します。

アケビの花芽は、前年の7月~9月頃に形成されます。

花芽は新しい枝ではなく、「前年に伸びた枝(結果枝)」につくため、剪定時には結果枝を誤って切らないよう注意が必要です。

冬季剪定を行なう際には、前年に形成された花芽を確認しながら剪定を行うことで、翌年の開花や結実を確保できます。

アケビはつる性の植物のため、棚や支柱を利用して広げると、効率的に日光を取り込むことができます。

花芽は他の芽と比べて、やや膨らんでいるのでわかりやすく、剪定時に花芽を切りすぎないよう、枝をよく観察してください。

アケビの果実が実る時期

アケビの果実が実る時期は、9月から10月頃です。

アケビは4月から5月に花を咲かせます。雄花と雌花が同じ株につくため、自家受粉でも果実をつけることができますが、異なる株との受粉があるとより多くの果実が実ります。

受粉後、果実は徐々に成長し、秋の初めから中頃(9月~10月)に成熟します。
果実が熟すと、皮が割れ、中の果肉と種が見えるようになります。

アケビの果実は、皮が自然に割れ始めた頃が収穫の適期です。
割れる前に収穫すると未熟で甘みが少ない場合があります。

果実の特徴

アケビの外皮は、紫色や緑色をしており、熟すと縦に割れます。
皮は独特の苦味があるため、食べる場合は調理することが一般的です。

アケビの果肉は、白くて柔らかいゼリー状の部分に小さな黒い種が含まれていて、甘みが強く、生食に適しています。

アケビの果実が熟して自然に落下すると、傷んだり虫に食べられたりすることがあるため、収穫のタイミングを見極めることが大切です。果実は鳥や昆虫にも人気があるため、早めに保護するか、網を張るなどして守ると良いでしょう。

成熟したアケビの果実は見た目も美しく、秋の味覚として楽しめます。

アケビの剪定時期

アケビの剪定時期について詳しく説明します。

アケビの花芽は前年に伸びた枝に7月から9月頃に形成され、4月頃に開花します。

4.29d

アケビの剪定時期は、11月~3月頃に長く太い枝を中心に枝先を切り詰め、同時にからみ合ったつるを整理します。

この時期の剪定はすでに花芽ができているので、ガッツリ短く切ってしまうと花や実はなくなります。

若いつるは細いので、うまく誘引すれば、樹形が大きく乱れることはないでしょう。

剪定時期のまとめ

アケビの剪定は、主に冬期剪定と夏期剪定の2つのタイミングで行います。

冬期剪定の時期は、11月~3月頃(落葉後)に行なうとよいです。
この時期の剪定は、樹液の流れが少なく、木への負担が少ないです。
作業内容は、不要な枝や混み合った枝を整理して木の形を整えます。

夏期剪定の時期は、7月~8月頃(果実が成熟する前)に行ないます。
この時期の剪定は、徒長枝や不要な枝を抑えて樹勢を整えるために軽めに行ないます。
勢いが強すぎる枝を間引く作業で、風通しと日当たりを改善します。

アケビの剪定方法

アケビの剪定方法について詳しく説明します。

アケビの基本的な剪定の手順として
■古くなった枝、枯れた枝、病害虫に侵された不要な枝を切り取ります。
 この時、主枝や骨格となる枝を傷つけないよう注意します。
■枝が密集している箇所は、間引いて風通しと日当たりを良くします。
 日光が全体に行き渡るように、均等に広げる形を目指します。
■長く伸びすぎた徒長枝や不要な枝を短く切り戻します。
 特に、実がつかない枝は早めに除去します。
■花芽がついている「結果枝」を確認し、適度に残します。
 毎年同じ枝に実がつくわけではないので、新しい結果枝も育てます。
 ※結果枝(前年に伸びた枝)

具体的な剪定方法

アケビは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、やや日陰でも十分に育ちます。

つる性のため棚仕立てにするのが普通で、好みの高さの棚を作り、つるを誘引しながら育てます。

アケビはつるが細く長く伸びにくい傾向がありますので、棚の高さは果実に手が届くていどでよく、棚自体もそれほど大きくなくてよいようです。

這わせるのは少し手間がかかる作業ですが、フェンスやアーチ状にして這わせて育てることも可能です。

苗は鉢仕立てで出回ることが多く、選ぶ際はなるべくツルが長めで勢いのあるものを選ぶとよいです。

これらを踏まえたアケビの剪定作業についてお伝えしますと、アケビの剪定では、長く太い枝を中心に枝先を切り詰める作業を行ないます。

不要な長いつるを枝元から切るか、5~10芽残して切るようにし、その時すでに芽の中には花ができているので、大きな芽は切らない方がよいです。

枝数を減らすことで株の充実を図り、光がより多くの枝葉に万遍なく当たるようにしてあげます。

アケビは、1本の木に雄花と雌花を別々につけるので、人工的に授粉させると実つきがよくなります。

その方法は開花した雄花から筆などを使って、または直接花同士をつけて花粉をつけてあげます。

キウイもこの方法をすると立派な大きさの実が育ち味もよいです。