ニシキギ(錦木)の剪定時期と剪定方法

ニシキギ(錦木)はニシキギ科で高さ3mになる落葉低木です。
花の咲く時期は5月ころ、かわいらしい小花を咲かせます。

ニシキギの特徴

ニシキギは枝に硬いコルク状の翼のようなものを四方につける特徴的な木です。
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紅葉時期に深い赤みがかった葉がけっこうきれいで、味わいがある木です。
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マユミの実に似た小さな赤い実をつけ、見る人を楽しませてくれます。
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ニシキギは花も咲きますし、実もなり、紅葉もきれいです。枝もコルク上の翼をつけるので変わっている木として一目置ける気なのですが、地味に庭を引き立てている存在なために、あまり人気はないようです。

ひとつひとつの特徴を注意深く見てみると興味がわきそうなのですが、やはり地味に庭の脇役に徹しているところが、注目度が低い理由のようです。
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ニシキギの花について

ニシキギは、紅葉が美しい落葉低木で、花を咲かせ、秋には実をつけます。
花は目立ちにくいですが、実は割れると赤い種が現れるため、観賞価値があります。

ここからは、ニシキギ(錦木)の開花時期・花芽形成・結実時期について解説します。

花が咲く時期

■ニシキギの花が咲く時期は、5月~6月頃で、小さな黄緑色の花が咲きます。

■花の色は、黄緑色で、大きさは、直径6~8mm程度の小さな花です。
花は枝の付け根に2~3個ずつ咲いて、雄しべを4個、雌しべ1個を持ちます。
花は地味で目立たないですが、開花後に赤い実をつけます。

花芽の形成時期

■ニシキギの花芽の形成時期は、前年の7月~9月頃です。
花芽は、当年に伸びた新梢の葉の付け根にできて、翌年の5月~6月頃に開花します。
秋に強剪定をすると、翌年の花が咲かなくなる可能性があるので注意します。

実が成る時期

■実ができる条件は、自家受粉しにくいため、複数株あると結実しやすいです。
受粉後、花が咲き終わった後に小さな果実が形成されます。

■実の成る時期
果実の形成時期は6月~8月頃で、果実が熟す時期は10月~11月頃です。
秋に緑色だった実が赤くなり、熟すと割れて赤い種子(仮種皮)を出します。
ニシキギの実はマユミの実のように、秋になると赤くなり、割れて中の種が見えるのが特徴です。
種子は鳥が好んで食べますが、その後どこかに散布されて繁殖していきます。

剪定時期と花・実の関係

■7月~9月頃に花芽が形成されるので、この時期に剪定すると翌年の花が咲かなくなります。
■5月~6月頃に花が咲くので、開花後の剪定は実の形成を妨げます。
■10月~11月頃が結実期で、実を楽しみたい場合は剪定を控えたほうがよいです。

ニシキギの花と実のまとめ

■ニシキギは5月~6月頃に花を咲かせ、10月~11月頃に実をつけます。
■花芽は前年の7月~9月頃に形成されるため、剪定時期に注意が必要です。
■秋に剪定しすぎると翌年の花が咲かなくなり、実もならなくなります。
■実は熟すと割れ、中から赤い種子が見えます。

花や実を楽しみたい場合は、以下でお伝えする剪定時期を参考に、慎重に選んだほうがよいです。

ニシキギの剪定時期

ニシキギの剪定時期は、木が休眠している11月~3月頃の間に行なうのがベストです。
この時期には太い枝を切る強い剪定を行なうことができるので、枝ぶりを整えることができます。

11月~3月頃の間に行なうのがベストな時期ではありますが、その他にも剪定が可能な時期は、12月~2月頃に強い剪定と、6月~7月頃にも軽い剪定ができます。
6月~7月頃に行なう夏の剪定では、徒長枝を切りつめ長さを揃える程度にとどめます。

秋の紅葉が美しい木ですから、冬期以外の剪定では、極力軽く整える程度の剪定にとどめれば紅葉を楽しめます。
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剪定を避ける時期

■7月~9月頃は、花芽が形成される時期で翌年の花が減るので避けたほうがよいです。
■5月~6月頃は、開花時期で受粉や結実を妨げます。
■10月~11月頃は、紅葉や実が楽しめる時期で鑑賞価値が損なわれることがあります。

基本的には冬期の剪定がベストで、樹形を整えたい場合は6月~7月頃に軽く剪定する程度にしましょう。

ニシキギの剪定方法

放任すると根元から多数の幹ができて株立ち状となりますが、放任しておいても樹形は整うので意外と管理が楽な木です。庭木としては1本または3本立ちに仕立てることが多く、徒長する不要な幹は根元から切り取ります。

狭い庭などでは、枝が混みあったり、高くなるのを防ぐために間引いたりするほうがよいです。枝の配分を考えて骨格を整えるとよいのですが、あまり混みすぎると枯れ枝ができるので、枝数を間引くようにして、特に下枝を大切に育てるとよいです。

伸びすぎた枝を切り詰める場合は、冬期に小枝のある上で切るようにすると樹形が整います。

ニシキギの剪定のポイント

12月~2月頃の冬期剪定では、強剪定が可能です。
冬期はニシキギが休眠期に入るため、大胆に太い枝を切る強剪定ができます。
■枝が込み合うと風通しが悪くなり、病害虫の原因になるので枯れ枝や不要な枝を間引きます。
■樹形を整え、バランスを良くするために、内向きの枝や絡み合った枝を切ります。
■高さや広がりを抑え、すっきりした樹形にするために、長く伸びすぎた枝を切ります。
■極端な寒さで枝が傷むことがあるため、防寒対策を施すと良いです。
■強剪定を行なうと、翌年の花や実が少なくなる可能性は高くなります。

6月~7月頃の剪定は軽めに行ないます。
この時期は枝の伸びが活発になるので、樹形を維持するために軽く剪定を行います。
■樹形が乱れるのを防ぐために、伸びすぎた枝を切ったり、軽く間引いたりします。
■風通しを良くし、病害虫予防するために、細かい枝を整えます。
■花が咲いた後に剪定すると、秋の実を楽しむことができます。
■7月~9月頃の花芽が形成される時期に強剪定すると、翌年の花や実が少なくなります。

ニシキギの花や実を楽しみたい場合は、軽めの剪定を心がけ、7月~9月頃の花芽ができる時期の強剪定は避けたほうがよいです。古い枝を残しすぎると花つきが悪くなるため、適度に間引くことで新しい枝の成長を促せます。

ニシキギには、イラガやミノウスバという害虫が発生しやすいので、下記ページも参考にされてください。
  ↓

ニシキギ、マサキにつくミノウスバの幼虫駆除方法・図解