ロウバイは蝋細工のような黄色い小花が花の少ない1、2月に咲いてくれる、
香り高さを漂わせる冬の庭には貴重な花木です。
ここではロウバイの剪定方法と剪定時期について解説します。
ロウバイの特徴
ロウバイはロウバイ科の中国原産の落葉低木で、樹高は4m程になります。
ロウバイの種類には、花弁の元部が紫を帯びるロウバイ(写真1左)、花全体が純黄色で芳香が強く清楚な印象のソシンロウバイ(写真2右)、ソシンロウバイよりも丸弁で大花のマンゲツロウバイ、香りは弱いけど花が大きいトウロウバイ等があり、枯れた印象の樹形は昔から多くの茶人に好まれてきました。
若木のうちは花がつきませんが、植えられてから5~8年くらいで咲き始めますので、
剪定方法や時期さえ間違わない限り一度咲いたら毎年咲くようになります。
ロウバイの剪定時期
ロウバイの花は1、2月ころに咲きます。
花芽は前年生枝タイプなので、前年の夏ころにはすでに花芽が形成され、
剪定は花が終わった直後で新梢が伸び出す前が一番良い時期です。
基本的には花後に徒長枝を軽く切り戻し、落葉期には混んだ枝や不要枝
花のつかなかった枝を切り透かします。
花後の枝は残した枝から伸びた短枝に花芽がよくつこことから、
花後に切る枝は 5、6芽残して切り戻すとよいです。
生きおいよく伸びた長い枝は元部から切り取ります。
花後に剪定をしたその後に伸びた新梢に翌年咲く花芽がつくられますが、さらに良い枝ぶりで花を楽しむためには、12月ころに軽く補助的な剪定を行うとよいです。
この剪定時期がロウバイが花を咲かせるためには一番のポイントになります。
ロウバイの剪定方法
樹高が1.5nくらいで楽しむのが一般的のようなので
放任しないようにするのがコツです。
ロウバイの仕立て方は地際から幹が株立ちに状になりますので、
自然樹形のままで 3本程度に仕立てると落ちつきが出るようです。
株立ちになったら立ち枝を数本残して樹形を整えますが、
長い枝には花芽がつきにくいので、切り詰めて小枝を増やすようにします。
木の生長は遅くそれほど剪定を必要としない木ですが放任すると樹形が乱れ、
枝が伸びるので樹高をおさえるために木全体を小さくする必要は出てきます。
また絡み枝が多く出てくるのも特徴で乱れた枝の整理も必要となります。
根元の部分が混みすぎている場合は数本ある枝の中でも
古くなった枝を根元から切り取り、多く発生する
絡み枝なども同様に切り取ります。
根元ではなく中間部から枝先部分が混んでいる場合は、
地上0.5mから1mくらいのところから出ている枝の間引き
を行いますが、必ず枝の分かれ目で絡み枝や混みすぎた枝を切り取ります。
次に残っている先端部の小枝で混んでいるところや
伸びすぎた小枝を切り詰めますが、残す枝の伸びる方向を
よく観察して切るようにします。
枝先は花芽ではなく葉芽が多くでるので元部を残して
よく充実した節の間で切り詰めるようにします。
根元から出るヤゴやヒコバエは見つけ次第切りとります。
花後、特に12月頃の軽めの剪定では枝や花芽の状態も
わかるようになるので、枯れた枝や重なった枝、
伸びすぎた枝、つぼみのない貧弱な枝などを切り取ります。
つぼみもかなり膨らんでいるので、つぼみはなるべく残すように
つぼみの上で切る剪定を心がけるとよいです。