ムクゲ(木槿)の木によくつく害虫は何?

ムクゲは、美しい花を咲かせる観賞用の木ですが、いくつかの害虫がつきやすいことがあります。

ここでは、ムクゲに一般的につく害虫とその被害と対策について詳しく説明します。

ムクゲにつく主な害虫の種類

ムクゲは当年枝の先に花芽が付き、夏ころに花が咲く木です。
当年枝というのは今年これから伸びる枝のことです。

花は8月に咲き、薄紫色や白い色が代表的な色です。

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そんなムクゲの新芽が伸び始めて間もなく、葉っぱや枝になにやら黒っぽい集団がいるのに気がつくと思います。

その集団こそアブラムシです。

ムクゲにはよくアブラムシがよくつきます。
アブラムシは黒く大量に発生しますのですぐにわかります。よく見ると気持ち悪いです。

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アブラムシ

■アブラムシの特徴は、小さな軟体の虫で、緑色や黒色などの体色を持つものがいます。
■アブラムシの被害には、新芽や若葉に群がり、樹液を吸うことで葉が変形したり、成長が阻害されます。
■甘露を分泌するため、すす病が発生することが多いです。
■アブラムシ対策として、早期発見が大事で、マラソン乳剤などの薬剤を散布することで駆除できます。
■テントウムシやヒラタアブの幼虫が天敵なのでこれを活用することも可能です。

ハマキムシ

■ハマキムシの特徴は、幼虫が葉を巻いて巣を作り、その中で食害をします。
■ハマキムシの被害は、葉が巻き込まれることで光合成が阻害されます。放置すると広範囲に拡大することもあります。
■ハマキムシ対策として、被害をうけた葉を早めに取り除き処分します。
■また、広がりが激しい場合は、BT剤やスミチオンなど殺虫剤を使用します。

カイガラムシ

■カイガラムシの特徴は、小さな楕円形の虫で、白や茶色の殻に覆われています。
■カイガラムシによる被害は、樹液を吸い取り、弱った樹木にさらに害を与えます。甘露の分泌によりすす病が発生する可能性が高いです。
■カイガラムシの対策として、歯ブラシなどで直接こすり落とすのが一番です。
■また、冬季にマシン油乳剤を散布して越冬卵を駆除します。

コナジラミ

■コナジラミの特徴は、白く小さな蛾のような形態で、葉の裏に多く見られます。
■コナジラミによる被害は、樹液を吸い、葉を黄変させたり、成長を阻害します。甘露によるすす病の原因にもなります。
■対策として、葉の裏を定期的に点検し、早期発見により被害を広げないことです。粘着シートを設置して成虫を捕獲することも可能です。
■必要に応じてスプレー式の殺虫剤を使って駆除します。

スズメガの幼虫

■スズメガの特徴は、大型の緑色や褐色の幼虫で、葉を大量に食害します。
■スズメガの被害は、葉が丸裸になるほど食害されることがあり、これにより樹勢が弱ります。
■対策として、幼虫を捕殺することが得策です。
■発生時期に合わせてディプテレックスなどの殺虫剤を散布します。

チョウ目の幼虫(シャクトリムシなど)

■チョウ目の幼虫の特徴は、細長い体を持つ幼虫で、葉を部分的に食害します。
■被害は、葉に穴を開けたり、若芽を食べます。
■対策として、被害を発見したら直接手で駆除するのが確実です。
■BT剤などの薬剤を散布するのも有効です。

害虫予防と管理

■定期的な点検により葉や枝を観察し、害虫の早期発見に努める。
■枯れ枝や落ち葉を取り除き、害虫の隠れ場所を減らすことで被害が減ります。
■健康な樹木は害虫に対する抵抗力が高いことから、適切な肥料と水やりをすることで樹勢を保ちます。
■テントウムシや寄生蜂などの自然界の天敵を庭に誘引して活用することも可能です。
■環境への影響を考慮し、指示された濃度と頻度を守り、必要に応じて、適切なタイミングで農薬を使用します。

甘露(かんろ)とはなに?

時折「甘露」という言葉が出てきましたが、甘露(かんろ)とは、アブラムシやカイガラムシ、コナジラミなどの一部の害虫が植物の樹液を吸った後に排出する、糖分を多く含む液体のことです。

この甘露という液体には以下の特徴と影響があります。

甘露の特徴

■甘露は植物の樹液中の糖分が主成分です。
害虫は樹液を吸う際に栄養分(主にアミノ酸)だけを体内に利用し、不要な糖分を甘露として排出します。
■甘露は透明~黄褐色の粘性のある液体で、葉や枝の表面に付着します。
ベタベタした感触が特徴的です。

甘露を出す害虫

■甘露を出す害虫には、アブラムシ・カイガラムシ・コナジラミ・ヨコバイ などがいます。

甘露によりおこる問題

甘露が引き起こす問題には次のようなことがあります。
■甘露は「すす病」の原因(すす病菌)の栄養源となり、黒いすす状の汚れを植物の表面に発生させます。
これにより光合成が阻害され、植物の成長が妨げられることがあります。
■甘露が付着した植物は、ベタついたり汚れたりして観賞価値が低下します。
■甘露は糖分が多いため、アリが寄り付きます。
アリは甘露を得るためにアブラムシなどの害虫を守る行動をとることがあり、害虫の駆除を難しくします。

甘露の対策

■甘露は害虫によって生じるため、原因となる害虫を取り除くことが重要です。
手作業での駆除や、必要に応じて殺虫剤を使用。
■水を使って葉の洗浄を行ない、甘露や害虫を洗い流すことで「すす病」やアリの発生を防ぐことが可能です。
■テントウムシやヒラタアブの幼虫など、害虫の天敵を増やします。

甘露は植物そのものに直接の害を与えるわけではありませんが、二次的な被害(すす病や害虫の増加)につながりやすいので、早期に対策することが大切です。

ムクゲにつく害虫の駆除

アブラムシの撃退方法は、アブラムシが付き始めたのを確認したら、市販されているスプレー式などの消毒液をかけるといいです。

【レインボー アブラムシAL 850ml】はアブラムシ類やコナジラミ退治に効果を発揮し、そのまま害虫の生息箇所に直接散布できる、簡単で便利な持続効果の長いスプレー式殺虫剤で、ホームセンターなどで購入できます。
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野菜のアブラムシの農薬の場合、水に溶いて散布する「アドマイヤー水和剤」「アドマイヤーフロアブル」が一番即効で効果がありますが、購入時に印鑑が必要なようです。
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ケムシ退治の場合の殺虫剤は【スミチオンスプレー 900mL】 というのが良いです。
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殺虫剤買いに行くのが面倒な場合

もしも殺虫剤を買いに行くのが面倒な時や、どれを買ったらいいかわからない場合、
「楽天」などで、インターネット通販で簡単に購入できます。

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