剪定を行なわないお宅のコデマリは良く咲くようです。
その逆で、剪定を行なったお宅は花が咲かなくなります。
なぜこのようなことがおこるのか?
それは、コデマリの花芽ができる特性を理解していないからですが、どんなに剪定を行なっても、それでは花が咲くことはありません。
ここでは、コデマリの花が咲かせるための剪定時期はいつがよいのか、花を咲かせるための剪定方法はどのように行なえばよいのか解説します。
以下からは、コデマリ(小手毬)の剪定の目的・剪定時期と剪定方法、特徴について解説します。
コデマリの剪定の目的
■コデマリの剪定の目的は、バランスの良い形に整えるために行ないます。
■コデマリの花つきが悪くなることがありますが、古い枝を剪定して新しい枝を伸ばし更新することで花付きが良くなります。
■枯れ枝や混み合った枝を取り除き、日当たりと風通しを改善し生長を促します。
コデマリの花芽が形成される時期
通常であればこのようにたくさんの花を咲かせてくれるのですが、剪定を行なうことでその姿が見られなくなることはあります。
特に、時期を間違って剪定を行なうことが花を咲かせなくすることに直結します。
コデマリの花を咲かせるためには、花芽が形成される時期を知っておかなくてはいけません。
花芽ができている枝を切ってしまうと、当然ですが花は咲かなくなることは誰でも予想できると思います。
でも、いつ花芽が来出ているのかを知る人は多くはないようです。
だから、知らずに花芽を切ってなくしてしまうために花が咲かないと悩むことになるのです。
では、花芽はいつ形成されるのでしょう。
花芽は2年以上育った枝から出ますが、その時期とその後に枝を切らず、手をかけないことで来年の春に花を咲かせてくれます。
つまり、
今年伸びた枝に、今年の秋頃から1月頃までに花芽が形成されて、来年の春に花が咲くことになるわけです。
うまく花芽が形成された時の花の状態は、冬を越して春に伸びだし、葉を2、3枚つけた短い枝の先に、30個くらい半球形の小花が咲きます。
花芽の形成を知らずに、落葉樹だからと冬に切れば良いと思って1月以降にガッツリ短く切ってしまうと、
この時期には花芽がすでについていることからも、枝を短く切ることは確実に花芽を減らすことになります。
花芽がいつ形成されるのかがわかったとしても、剪定時期を間違ってしまうと花芽はなくなり来年の春に花は咲かなくなります。
では、花を咲かせるための剪定時期はいつが良いのか、次で解説します。
コデマリの剪定時期
コデマリが花を咲かせるためには剪定の時期はいつ行えばよいのでしょう。
コデマリは今年伸びた枝に、今年の9月頃~1月頃までに花芽が形成されて来年の春に花が咲くことになります。
このことから、極力今年伸びる枝を切らないで残しておかないといけないのです。
特に9月頃~1月頃は花芽が形成される時期なので、この時期の剪定は行なわないこと。
そして、花芽が形成された後に剪定を行なうと花芽がなくなるという事を理解しておいてください。
コデマリは前年の枝に花を咲かせる木なので、花後すぐに剪定することで、翌年の花芽が形成される夏以降に新しい枝を伸ばすことができます。
つまり、花が咲き終わった後の5月~6月上旬に剪定を行なうのが良い時期になります。
冬に剪定すると、翌年の花芽を切り落とす可能性が高いため注意が必要です。
しかし剪定方法しだいでは、花芽が形成されている時期を除けばいつ行なってもよいことになるかもしれません。
それでは、花を咲かせるための剪定方法について、次で解説します。
コデマリの剪定方法について
コデマリの基本の剪定手順
■明らかに枯れている枝や弱々しい枝を根元から切り取ります。
■花が咲き終わった枝を剪定:花後に咲いた枝を約1/3~1/2程度の長さでカットします。この剪定により、新しい枝の成長を促します。
■枝が重なり合ったり混み合った枝、密集している部分を間引き、風通しを良くします。古い枝や地面に近い低い枝も取り除くと、全体の樹形が整います。
■樹形が崩れたり花付きが悪くなった場合、根元に近い位置から太い古い枝を数本切り取ります。
新しい枝が勢いよく伸び、翌年以降に花を咲かせます。これは古い株を更新するための剪定です。
コデマリの具体的な剪定方法
コデマリの花芽は2年以上育った枝から伸びた新しい枝に9月頃~1月頃までに花芽が形成されます。
なので、最低でも2年以上育った枝は残しておかないといけないことになります。
花が咲き終わったからと言って、根元からバッサリスッキリすっかり切ってしまうことはしないでください。
本当に小さくしたいのであれば、花が咲き終わった後に20cm~30cmくらい残しておけば、その後伸びた枝に花芽がつきます。
コデマリは刈り込みには向かない木なので通常は、株立ちの自然樹形で育てるようにします。
目線よりもやや低めに仕立てて、単植にするよりは列植や群植するのが良いです。
株が小さいうちは、強く伸びる枝や徒長枝を必ず元部から切り戻して樹形を整える程度の剪定に抑えます。
株を小ぢんまりと仕上げる場合は、花後すぐの6月に切り詰め剪定を行います。
コデマリは茎や葉が垂れ下がる樹種なので、枝先に立ち枝をつくらないように内部の枝を切り除くことが基本です。
枝張りを制限する場合は、毎年花後に剪定する必要があり、木の中心部の蒸れを防いで、内部に十分に日が当たるようにして小さくします。
この時に枝の分かれ目で切った方が切り口が目立たず自然な感じに仕上がります。
特に、古く大株になると花付きが悪くなるので、特に枝は老化が早く4~5年で花が咲きにくくなり小枝が密生して枯れ枝が多くなります。
そのことからも花を多く咲かせ続けるためには4~5年に一度は、株を強く切り戻して若返りをさせるために、花後すぐにすべての枝を地際まで切り取ってやるとよいです。
混みすぎた場合には、内部の風通しと日照をよくすることを目的にして12月頃に根元や枝の途中で、適宜に枝を間引く剪定を行ないます。
その時期の剪定は花芽が出来ているので、軽く切り詰める程度にすればできるだけ花をムダにしないようできます。
花芽のつく時期を考えて株を小ぢんまりと仕上げたい場合は、花後すぐの6月に切り詰める剪定を行うとよいです。
剪定のコツ
■切る場所は、芽の少し上を斜めに切ることで、芽の成長がスムーズになります。
■切る量は、一度に全体の1/3以上を剪定しないようにします。過度の剪定は株を弱らせる原因になります。
■剪定ばさみは清潔なものを使用し、切り口から病害虫が侵入するのを防ぎます。
剪定の注意点
■コデマリは強い剪定に弱い木です。適度な量の剪定にとどめ、必要以上に枝を切らないようにしてください。
■剪定後、追肥(有機肥料や緩効性化成肥料)を与えると、剪定のダメージを軽減し、新しい枝の成長を助けてくれます。
剪定後の管理
剪定後は切り口を確認し、清潔な状態を保つことで病害虫の被害を防ぎます。
また、必要に応じて株元にマルチング(腐葉土やバークチップを敷く)を施すと、土壌の保湿や根の保護になります。
コデマリの特徴
ここからは、コデマリの特徴についてお伝えします。
コデマリ(小手毬)は、日本で古くから親しまれている美しい花木です。
コデマリ(小手毬)は、バラ科(Rosaceae)のシモツケ属(Spiraea)
学名は(Spiraea canteath spirea)です。
原産地は、中国南部とされる落葉性低木で、高さは2mくらいになる木です。
「コデマリ」の名前は、枝に小さな手鞠(てまり)のような花が咲く姿から「コデマリ」と名前がついたとされます。
コデマリの見た目の特徴
■花の形状は、小さな白い花が丸い房状に密集して咲き、名前の通り手毬(てまり)のような形をしています。
■開花時期は、4月下旬~5月中旬(春)
■香りは、弱い芳香がありますが、品種によって異なります。
■花径は、1cmほどの小さな花です。
■花の特徴として、花房が枝に沿ってびっしりとつくため、満開時には枝全体が白く覆われるように見えます。
■葉の形状は、長楕円形または卵形で、縁に細かな鋸歯があります。
■大きさは、3~5cm程度です。
■色は、新緑は明るい緑色、夏以降は濃緑色に変化します。
■秋になると黄葉し、冬には葉を落とす落葉性低木です。
樹形は、樹高が1~2m程度で、小ぶりな低木です。しなやかにアーチ状に曲がる枝が特徴的で、自然な樹形でも美しい姿を保ちます。
花の咲く時期は、地域によって4月頃から6月頃まで、垂れる枝に白い小花が無限に咲き乱れます。
コデマリの枝は弧を描くようにしなり、半球形の小花がその枝上に20個から30個密生して咲きみだれます。
花の種類は八重咲きのヤエコデマリ、新梢が金色のキンバコデマリなどがあります。
コデマリの生育環境
■コデマリは日当たりの良い場所を好み、西日の当たらない保水性の高い場所を好みますが、半日陰でも育つようです。
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも生育可能です。
■水はけの良い肥沃な土を好みます。
■強い耐寒性があり、日本全国で育てられます。
■耐暑性については、比較的強いですが、夏の直射日光が強すぎる場合は葉焼けすることがあります。
コデマリの成長と手入れ
■成長する速度は、それほど早くない中程度で、剪定によって形を整えやすいです。
■花後に適切な剪定を行います。
■病害虫には比較的強いですが、アブラムシやハダニが発生することがあります。
栽培のポイント
■植え付けの適期は冬から春(2月~3月)または秋(10月~11月)がよいです。
■肥料は年2回(春の芽吹き時期と花後)に有機肥料や化成肥料を与えます。
■水やりは地植えでは基本的に不要です。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。
特徴的な魅力
■小さな白い花が手毬のように咲く姿は、日本庭園や和風の庭によく合い観賞価値が高いです。
■庭木としてだけでなく、生け花やフラワーアレンジメントの素材としても人気があり利用用途が多いです。
■さまざまな園芸品種があり、花の形や色が異なるものもあります。
類似しているコデマリとシモツケとユキヤナギ
コデマリは同じシモツケ属に属する「シモツケ」や「ユキヤナギ」に似ていますが、以下の点で異なる特徴があります。
■コデマリは、白い花が丸く密集します。
■シモツケは、ピンク色の小花が平らに広がります。
■ユキヤナギは、細い枝に沿って白い小花が連なって咲きます。
コデマリの花言葉
花言葉は、「友情」「優雅」「努力」「品位」
花言葉の由来は、清楚で控えめな花の姿にあると言われます。