ナンテンは「難を転ずる」という縁起をかつぐ木でも知られていることもあり、昔からナンテンを植えているお宅は多いです。
ナンテンは庭の石組みや高い木の根締め、建物添えなどに植えられていることも多いです。
赤い実のなる赤ナンテンや白い実のなる白ナンテンがあり、白ナンテンは赤ナンテンよりも数が少なく貴重とされている地域もあります。
ここではナンテンの剪定方法と時期について解説します。
ナンテンの剪定時期
ナンテンの剪定の時期は3月~6月までの間が理想で、6月の剪定では花の咲いている枝を切ると実がならないので注意してください。
ナンテンの剪定の適期は3月~6月までの間ですが、どうしてもその時期に切らなければならないということではなく適宜に切ってください。
ナンテンは株立ち状で生長は遅い木ですからとくに毎年行う定期的な剪定の必要はなく、大きくなりすぎた場合や枝が茂って込みすぎた場合などに剪定すればよいです。
ナンテンの剪定方法
ナンテンが高くなり過ぎた場合の剪定は、根元から出ている枝の数が多い時には高くなりすぎた枝や幹を根元から枝と枝の間を開けて間引くように切り取り、残った枝幹が高すぎたら、枝分かれしているところや芽の出ているところの直上部で切り戻しを行います。
花芽は先端につきますから枝先を一律に切り詰めるような剪定はしないほうがよいです。
低く仕立て直したい場合は、枝の途中で葉の生えているすぐ上で切り戻せばよいです。
ナンテンを見る場所によって切り方も変わるのですが、一律に同じ高さにするよりも、奥側を高くして手前を低く仕立てるときれいに仕上がりますし、見栄えもだいぶ違うようになります。
混みあった大株は古い幹を根元から切除すると良く、株が古くなり根元や株全体が混みいうっとうしい場合は、古い枝葉を根元から切り取って新しいものに更新したほうが良いです。
混みあって通風が悪いとだんだんにカイガラムシが発生することになります。
生育が旺盛なのに花月の悪い株は萌芽前の4月ころにスコップで根切りを行うとよく開花して結実がなるようです。
ナンテンは低い位置に小枝がなく芽の出ていない場合でも、途中で切っても必ず萌芽してきますのでけっこう安心して切れる木です。
ナンテンの実をつけるには
ナンテンは昔から軒先に植えるとよく実をつけるとされています。
これは理由があって、木は花をつけてその花が受粉して初めて実を結ぶことは知られていますが、花が咲く時期に雨に直接当たってしまうといくら花をつけても受粉がうまく行われず実をつけないので、それを防ぐことから軒先に植えるとよいとされます。
特にナンテンは6月ころが花の咲く時期なので、花が咲く受粉時に雨は厳禁であることがお分かりいただけたと思います。
ナンテンでは特に花が雨に当たるとよくないことから軒先のように雨よけのあるところなら申し分ないということで田舎の家や昔からあるような古いお宅の軒先にはよくナンテンが植えられている理由がこのことからもわかると思います。
軒下に植えることができなくても、たとえば高木の木の下とかに植えてもだいぶ雨をしのげるので、そのようになるべく直接雨にかからぬところに植えるのがよいです。
ナンテンを植える時におすすめしない場所は、風通しの強いところや北側、庭の真ん中などだと良くないようです。