ネズミモチの花と実をつける剪定時期と剪定方法

ネズミモチ(鼠黐)は、モクセイ科イボタノキ属の常緑樹で、日本や中国に広く分布しています。
ここでは、ネズミモチが花と実をつける剪定時期と剪定方法について解説します。

ネズミモチってどんな木?

ネズミモチの名前は、果実がネズミの糞によく似ていることから、そして葉がモチノキに似ていることからつけられました。

そのネズミの糞によく似た果実は、不老長寿の生薬とされているようですが、飲むのは微妙な感じがしますね!

中国ではこれを「女貞子(じょていし)」とい呼び、熟した果実を乾燥させると不老長寿の生薬となるようです。滋養強壮などの効能があり、胃腸を元気にさせ五臓を穏やかにしたりするため、どんな病気でも治してくれるようです。

ネズミモチは、鳥に好まれ冬場の貴重な食糧源となります。
生垣や公園樹としてよく植えられ、管理が容易なのも特徴です。
剪定をすると花や実のつき方が変わるため、観賞目的なら適切な時期に整えるとよいです。

開花時期

ネズミモチの花は、白色からクリーム色で、やや甘い香りがあります。
小さな筒状の花が円錐状(円錐花序)にまとまって咲き、枝先に多数の小花をつけ、見た目はふんわりした印象です。

花が咲く時期は、6月~7月頃で、梅雨の時期に白い花が目立ちます。

2.28-2

花芽形成時期

花芽が形成される時期は、前年の10月~3月頃の間で、初秋に形成が始まり冬の間にしっかりと成長します。

剪定のタイミングを誤ると翌年の開花が減るため注意が必要です。

実をつける時期

実をつける時期は、10月~12月頃です。

花が終わった後、緑色の実ができ、次第に紫黒色に熟します。
ネズミモチの実は、ネズミの糞のような黒っぽい小粒の実が成ります。

剪定時期はいつが良いか?

ネズミモチの剪定時期は、生長の早い木なので4月から5月頃と、9月から10月頃がよく、毎年この時期に定期的に軽い剪定を行なうとよいです。

生け垣などにしていて刈り込みをする場合は、5月から6月頃と、9月から10月頃の年2回刈り込んで姿を整えるとよいです。

ネズミモチは前年枝の枝先に花芽ができ、6~7月頃に長さ10~20cmの大形の円錐花序をだし、たくさんの白い小さな花を咲かせます。
もしもその前の葉が伸びた5月頃に強い剪定をしてしまうと、花芽を切ってしまうことになり花は咲かなくなります。

なので、ネズミモチの花と実を見るための剪定時期は、花芽形成時期が前年の10月~3月頃の間なので、10月頃よりも前頃までがよいです。
実をつける時期が、10月~12月頃なので、実を落とさないように気をつけて、間引いたり、徒長した枝葉を取り除いたりする軽い剪定を行ないます。

ネズミモチの剪定方法について

通常行なう剪定はあらかじめ定めた樹幹のラインから飛び出している枝を切り戻します。その際ほかの木と同様に樹形内部の枯れ枝や不要枝、込みすぎた枝の間引きも同様に行ないます。

刈り込む場合の剪定は、5月から6月頃と、9月から10月頃の年2回刈り込んで容姿を整えます。

初めに徒長枝や樹形内部の不要枝を間引いて、次に枝先の刈り込みを行なうと効率が良いです。枝先部分を強く刈り込むと徒長枝が多く発生する習性があります。もしも、刈り込みのもとして育てたものが放置されて、だいぶ伸びすぎてしまい樹形が乱れた場合は、3月から4月頃に、古い枝の部分を刈り込んで元の姿に修正してやるとよいです。刈り込んだ部分は枝葉が少なくなってしまい空間ができて見苦しくなりますが、萌芽力が旺盛な木なので1年ですぐ回復します。

ネズミモチは、生長が早い木で萌芽力も強いので、強い剪定や刈り込みにも耐えられます。幹は直立し、葉は濃い緑色、枝葉は柔らかいので生け垣としても扱いやすいです。

庭木としての用途は、広い庭では外周に植えて目隠しとしたり、庭の要所にも植えます。また刈り込み物として生け垣や寄せ植えとしても用いられています。

若木の間はほとんど手入れを必要としませんが、ある程度大きくなった成木では剪定で一定の姿を保っていく必要があります。