
ネコヤナギは、ほかのどの柳の木よりも一足早く花が咲くことから、春が来たことを知らせてくれる木として知られています。
そんなネコヤナギの剪定について解説していきます。
ネコヤナギの特徴
”ヤナギの下に猫がいる、だから「ネコヤナギ」~♪”という歌を知っていますか?これは赤塚不二夫先生が書いた「天才バカボン」の挿入歌ですが、昔アニメを見ていた方は、覚えているのではないかと思います。
”西から登ったおひさまが、東にし~ず~む~”とか、ハチャメチャで、突拍子もないことを思いつきマンガにしているところが新鮮で、子供心を虜にしていました。
そんなネコヤナギは、ヤナギ科の落葉中木で、高さが3mくらいになる木です。
葉が出る前に咲く、綿毛の花穂がかわいらしく美しいのが特徴的です。
ネコヤナギの開花時期
ネコヤナギの開花時期は、2月~3月頃の早春に花を咲かせます。
ネコヤナギは雌雄異株なので、雄株と雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かせます。
銀白色の柔らかい花穂が特徴で、その後に黄色い雄しべが目立ちます。
花が咲く前の銀色の毛がふわふわした状態が良く知られています。
剪定のタイミングを間違えると、翌年の花が咲かなくなることがあります。
花を楽しみたい場合は「花後の剪定」を意識するとよいでしょう。
ネコヤナギの花芽形成のサイクル
ネコヤナギの「花芽が形成される時期は、7月~8月頃」です。
7月~8月頃に、新しく伸びた枝に翌年の花芽が作られ始めるので、この時期に強剪定を行うと、翌春の花芽を切り落としてしまい、花が咲かなくなる可能性があります。
9月~12月頃に花芽は成長し、休眠状態に入ります。
休眠期の間に花芽はしっかりと準備され、春に開花する準備を整えます。
翌年の2月~3月頃、気温が上がると花芽が開いてネコヤナギ特有のふわふわした花が咲き始めます。
ネコヤナギの剪定時期
■ネコヤナギの剪定時期は、花が咲き終わった後の3月~4月頃がベストで、たくさんの花を咲かせたい時には、遅くとも7月前頃までには切り終えたいところです。
ネコヤナギは「前年生枝タイプ」なので、前年に伸びた枝に花芽がつきます。
花が終わった後に剪定することで、次の年の花芽を残しながら、小枝を長く伸ばしたくさんの花をつけることになります。強剪定を行うならこの時期が最適です。もしも花芽がつき終わった後や、時期が遅れて短く切ってしまった場合には、花芽ごと切ってしまうことになるので、次の年に咲く花芽の生成は期待できません。
■11月~2月頃も剪定ができる時期です。
葉が落ちた後に剪定することで、樹形を確認しやすくなります。
強剪定をする場合もこの時期に行うことができます。春に花を楽しみたい場合は花芽を切り落とさないように注意が必要です。
■7月~8月頃に強剪定をすると、花芽を切り落としてしまうため避けます。
■花を楽しみたい場合は、花が終わった後の3月~4月頃の剪定が最適です。
これを守ることで、翌年も美しいネコヤナギの花を楽しめます。
ネコヤナギの剪定方法
ネコヤナギは自然な樹形を楽しむ樹木ですが、形を整えたり、成長を促すために剪定を行うことが重要です。剪定の目的に応じて以下の方法があります。
ネコヤナギの剪定方法は、剪定時期を厳守するうえでの方法となりますが、その場合、花のついた枝を幹のつけ根から10~20cm残して全部切り取ります。
枝が混みあっている場合は、1本の幹につき3~5本程度残して、そのほかは間引きます。
この剪定方法をすることで、夏ころまでに切って残った枝から、生育した新しい小枝が出てきて、翌春に花を咲かせます。
このような剪定をしなかった場合は、この木独特の良く伸びた枝が得られません。
そして、養分がうまく送られないために、枝からは充実した太くて長い枝ではなく、短くて貧弱な小枝がたくさん出てしまうので、花も小さく育ってしまいます。
樹形を整えるために、不要な枝を根元から切り取り間引き、混み合った枝を間引くことで、風通しを良くし病害虫を防ぎます。
樹勢を回復させたい場合、古い枝や枯れた枝を地際で切る「強剪定」を行ない新しい枝に更新します。
3~4年に1度程度、古い枝を大胆に切り戻すと、新しい枝が勢いよく伸びます。
樹形を維持するために、軽い剪定で長く伸びすぎた枝を適度に切り戻します。
ネコヤナギの剪定する場合は、毎年欠かさず花後に行なった方が、長い小枝についた密生したかわいらしい花が楽しめます。