
コノテガシワはヒノキ科の常緑針葉低木で、生育が比較的穏やかですが、適切な剪定をすることで美しい樹形を保ちます。
放任すると5mくらいになりますが、庭で植える場合は高くても2.5mくらいにおさめていたいところです。
ここではコノテガシワの剪定方法と剪定時期について解説します。
コノテガシワの剪定時期
コノテガシワ(児手柏)はヒノキ科の常緑樹で、生育が比較的穏やかですが、適切な剪定をすることで美しい樹形を保ちます。
コノテガシワの剪定時期は、生育期に入る前の3月~4月頃の春と、成長が落ち着く9月~10月頃の秋が適しています。
春に行なう剪定では、夏の生育期に向けて樹形を整える作業をし、秋の剪定では、徒長した枝葉の整理を行います。
軽い程度の剪定と整枝であれば、6月~7月頃にも行なえます。樹形を整えるために軽く剪定する程度なら、夏の剪定も可能ですが、8月頃の真夏や、12月~2月頃の厳冬期は避けたほうが良いです。
コノテガシワの剪定方法
コノテガシワは自然な円錐形をしており、刈り込みすぎると樹形が乱れやすいので、剪定の際は注意が必要です。
ここでは剪定方法について解説します。
基本の剪定方法
基本的に行なう剪定では、枯れた枝や病害虫がついた枝など不要な枝を切り落とします。
内部の風通しを良くするために、混みみ合った枝も間引くとよいです。
樹形を崩す長く伸びた枝葉は、外側の葉の少し奥の部分で剪定します。
枝葉を切りすぎると葉が生えない部分が目立ってくるので、適度に抑えて整えます。
刈り込み剪定
生垣やトピアリーにする場合は、刈込バサミやトリマーで、軽く表面を揃えて形を整える程度に刈り込みます。
深く刈り込む強剪定は避け、樹冠の外側のラインが出るように、必ず葉を残すようにします。
強剪定について
葉を枝だけが残るくらい深く刈ると、樹冠が崩れるだけでなく、新芽が出にくくなり、その枝は枯れやすくなります。基本的に強剪定は避けて、伸びた分の枝葉を刈るようにします。
コノテガシワは、古い幹や枝からは新芽が出にくいため、幹に近い部分まで切り戻す強剪定をすると回復しにくいです。
大幅にサイズを小さくしたい場合は、数年かけて少しずつ切り戻す剪定をしたほうがよいです。
具体的な剪定方法
コノテガシワは枝葉が密生しやすく、古い葉や枯れ枝が樹形の中心部分に堆積している場合が多いです。
古い葉や枯れ枝を取る作業をしないと、樹冠の内部では葉が生えなくなり、枯れ葉だけが堆積します。
この根元近くから内部に堆積した枯れ葉をよくふるい落としたり、枯れ枝を取り除いてやったり、秋から冬に向かう落葉期の頃に樹形の内部をきれいにしてやることが剪定よりも重要な作業になります。
堆積した枯れ葉は土のように固まり、アリの巣になっていることが多く、枯れ葉の除去作業は恐ろしいほどのアリの数と格闘しないといけないので大変です。
大きくなるにつれて伸びすぎた枝や混んで重くなった枝が出た場合は、6月頃に間引くか、軽く切り戻す作業を行いますが、決して強く刈り込むことはできません。
強く刈り込むとこうなります。 ↓
赤丸部のアップ ↓
また大きくなりすぎた樹冠の上に雪が積もると、玉型の姿が割れ樹形がくずれてしまいます。雪をはらってあげたり早めに形を戻さないと樹形が割れてしまい、根元部分の枝が引き裂かれ枯れる恐れがあります。枝が割れる癖がつくと戻らないのでその場合は、シュロ縄などで枝どうしを引き寄せて姿を直す必要があります。
余談ですが、コノテガシワの実は突起が数か所出ていて変な形をしていておもしろく、子供に喜ばれます。
大きくなると ↓
コノテガシワは自然樹形で美しくまとまりやすいですから、1年に1回くらい樹形を整える剪定をする程度でよいと思います。
ただし大きくなりすぎると小さくできない木なので、一気に強く刈り込む剪定をすると枯れる恐れがあり、枝先に葉を残す剪定をしないと枯れる可能性が高くなります。
枝葉が密生しやすいのでふところ部分まで日の光が入らず、風通しも悪くなります。古い葉や枯れ枝が中で堆積していると、病害虫が発生する原因にもなります。
樹形内部の枯れ枝や枯れ葉を取ってやることにより樹形内部にまで日が当たるようになり、風通しもよくなり、内部の枝に新しい新芽が出てくるようになることもあります。
外観ばかり気を取られがちですが、このように内部を気にすることで木はよく育ち、結果的にきれいに仕上がります。
落葉期には中心部の枯れ葉、枯れ枝の除去を忘れないようにしてください。