山椒(サンショウ)の実を成らせる剪定時期と剪定方法

山椒はミカン科サンショウ属の落葉低木であり、春に花を咲かせ、秋に実を成らせる植物です。

ここでは、実を成らせるための山椒の剪定時期と剪定方法について解説します。

山椒の特徴

山椒は、香ばしい薬草として縄文時代から使われていたとも言われています。

山椒には小さなトゲがあり、ほのかな芳香のある木でや山に自生しています。特に植えたわけではないのに、鳥などが種を落としていって突然トゲトゲしい山椒が生えている時があます。

うなぎのスパイスとしてよくふりかける山椒は、非常に独特な香りと風味を持っています。

日本では調理に使用するハーブとして人気があり、新葉や実は香気が強くて食用に利用できるので、家庭の庭で香辛料用に栽培されているようです。

花芽形成から実が成るまでのサイクル

ここからは、山椒の花の開花時期、花芽の形成時期、果実の成熟時期について解説します。

花芽形成時期

山椒の花芽は、前年の7月から9月頃にかけて分化し始め、冬の間に休眠を経て、翌春に開花します。

花芽分化の時期には十分な日照と適度な水分が必要であり、乾燥や過度な剪定が花芽の発育に影響を与えることがあります。

花の開花時期

山椒の花は一般的に4月から5月頃に開花します。

開花時期は地域や気候条件によって若干の差異がありますが、概ね春の中頃に咲きます。

山椒(サンショウ)は花を咲かせる植物で、雄株と雌株が別々に存在する雌雄異株(しゆういしゅ)です。雄株には雄花が、雌株には雌花が咲きます。

雄花は房状にまとまって咲き、花粉を放出し、雌花は雄花に比べてやや目立たないですが、受粉後に果実を形成します。

山椒は高さが3mにもなる木で、5月頃に咲く花は見たことはありませんが、咲いていたとしてもよく観察しないと気にならないかもしれません。
5.5c

果実の成熟時期

受粉が成功した「雌花」は、やがて果実(山椒の実)を形成します。

「雄株」は花を咲かせますが、実をつけることはありません。実を収穫したい場合は「雌株」を植え、受粉のために近くに「雄株」を配置する必要があります。

果実は6月から7月頃にかけて未熟な青い状態で収穫されます(青山椒)。その後、完熟すると赤くなり、9月から10月頃に果皮が裂けて黒い種子を露出します(赤山椒)。

山椒はミカン科なので、実をよく見るとミカンに見えてきました。
5.5b

花芽形成から実が成るまでの過程をまとめると、
花芽の形成時期は、前年の7月から9月頃です。
花の開花時期は、4月から5月頃です。
果実の成熟時期は、青山椒の実は6月から7月頃、赤山椒の実は9月から10月頃に成ります。

山椒の剪定時期

山椒の剪定時期は葉が落ちた冬期の剪定が良く、特に3月頃が適期です。

山椒は大きく育つ木で、トゲがたくさん出るので放任すると大変なことになります。

一般家庭で育てるのであれば、2m以内に抑えておきたいところです。

新しい葉は柔らかくトゲも痛くないのですが、古くなるとトゲも硬く鋭くなるため枝が張らないように、できれば幅を 1m以内に育てたいところです。

5.5d

山椒の剪定方法

山椒の剪定方法、まずだいたいの大きさや輪郭を決めます。

トゲがあるので、私なら刈り込みバサミで外観を決めてから細かい作業をします。

細かい作業をする時に決めた大きさ以外の枝は、枝の分かれているところで切り取ります。

そのあとに絡み枝や混みあっている枝をつけ根から切り取り、木の内部の風通しを良くするようにします。

混みすぎている枝の場合は、全体の枝の3分の1くらいを切り捨てる感じでよいと思います。

作業はトゲが付きまといますので、皮手袋をしていると痛さを感じにくいかもしれません。

また4月から6月頃の生育期に、芽先や新葉を摘み取り食用にしますが、摘み取ることで再び柔らかい葉がつき、同時に剪定にもなります。