萩(ハギ)の花を咲かせる剪定時期と剪定方法

萩はマメ科の落葉低木で高さが2mにもなり日本全土に分布する木です。
秋の七草のひとつとされており、萩の園芸品種は豊富にあります。

萩は日本人になじみ深い木ですが、ここでは萩の花を咲かせるための剪定方法と剪定時期について解説します。

萩の特徴

萩(萩)は秋の七草のひとつですが、そのほかの木(草?)は、薄(ススキ)、桔梗(キキョウ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、葛(クズ)があります。

秋の七草の覚え方もあるようで、「オスキナフクハ(お好きな服は)」とか「ハスキーナオフクロ(ハスキーなおふくろ)」とかあるようです。

萩は通常は庭植えとされますが、鉢植えや盆栽としても楽しまれています。日当りの良い場所を好み、酷い日照不足の場合は、花が咲きにくいことがあるようです。細枝がよく伸びますが移植や剪定は意外と簡単な木です。

いつ刈っても花が咲くようなイメージがある木ですが、たまたまだったのでしょうか?
実際、本当の剪定時期はいつが良いのでしょう。

美しい花を咲かせるためには、花が咲く時期や、花芽が形成される時期を理解して、適切な剪定や管理を行うことが大切です。

萩の花が咲く時期

萩の花は、7月~10月頃の夏から秋にかけて開花します。特に9月頃が最盛期になり、秋の風情を感じさせる美しい花を咲かせます。

萩の花が咲いている時期は、品種によって若干の違いがありますが、一般的に夏の終わりから秋にかけて、長い期間で花を楽しむことができます。

花芽が形成される時期

萩の花芽形成時期は、5月~6月頃です。

萩は「新枝咲き」の植物で、花芽は5月~6月頃の春に伸びる新しい枝の先端部分に形成され、夏を迎える頃にはしっかりと成長します。その後、7月以降に花が開き始め、秋にかけて順次開花します。

萩は、新しく伸びた枝に花をつける「新枝咲き」の木なので、前年の枝ではなく、その年に伸びた枝が重要になります。

これを意識して剪定時期や剪定方法を考慮して作業すると、次回にも花が咲くことになります。

花芽形成時期と剪定のタイミングに注意

■萩は、2月~3月頃に、枝を切り戻す強剪定を行なうことで新しい枝が伸びやすくなり、花芽の形成を促します。
■花が終わってすぐの10月~11月頃に行なう剪定は軽めにして、翌年の成長を妨げないようにします。
■5月~6月頃の花芽形成期に剪定すると、花が咲かなくなる可能性があるので、この時期の剪定は避けるようにします。

萩の剪定時期

■萩は花芽が5月~6月頃に伸びる新しい枝の先端部分に形成される「新枝咲き」なので、冬から早春の2月~3月頃の間に強剪定を行ないます。
この時期の強剪定は、次の花が咲くシーズンに向けた枝の更新が目的になります。

■10月~11月頃の花が終わった後に剪定を行うことで、樹形を整えながら翌年の成長を促せます。

萩の剪定方法

萩の花の咲く季節は7月~10月頃で、花芽は「新枝咲き」なので、春から伸びた新梢に花芽がつき、そのまま花が咲きます。

冬には花芽はないので、剪定の時期は花が終わり葉も落ちた、10月~3月頃が適期で、毎年行うようにします。

コンパクトな樹形を保つことがほとんどだと思うので、特に2月~3月頃に行なう強剪定では、根元から10cm~30cmくら残して上を全て切り取り、株を更新させます。

しばらく放任して株が大きくなりすぎている場合は、株分けをするか、外へ広がっている枝を根元から切り取ればよいです。

初夏に新梢を剪定して再萌芽がさせると、枝はそれほど長くならず短い枝に開花します。だいたい 3月くらいまでの剪定なら花つきを妨害することはないようですが、新梢を剪定した場合の開花は少し遅れるみたいです。

「キ萩」という種類を除いて、一般的な萩は冬になると地上部分は大部分が枯れ、根元に葉芽しか残らないことがほとんどです。このことから萩の場合の冬の剪定の本当の意味は、枯れ枝を処分してきれいに整理することです。

これがメインの剪定になります。これらの作業を行なうことで次の年にたくさんの花を咲かせることができます。

樹形は株立ち状で生長が早いため、剪定をしないと大株に育ってしまいますので、低く仕立てたい場合は根元近くで20cmくらい残して切り取ります。

高く仕立てる場合は充実した枝を 1mくらい残します。背丈を高く伸ばしたい場合の剪定は、充実している枝幹となるやや太い枝を数本選び、残りは根元から切り取ります。残した枝幹となる枝は 1mくらいのところから上部を切り詰め、小枝や腋枝、乱れた枝はつけ根から全部切り除きます。

冬に切った枝から翌春新芽が出て、この枝に花がつきますから、夏に剪定を行うと花芽を落とし花数が減ることになります。

枝幹を数本立てて 1mくらいのところから萌芽させてつくる場合や、枝が繁茂しすぎた場合は、支柱を立て枝幹をまとめて真っ直ぐに育てると見栄えがよくなります。

剪定方法のまとめ

■2月~3月頃の剪定では、強剪定によって地際から約10~30cm残してバッサリ切り戻します。これをすることによって、新しい枝が勢いよく伸びて、花付きが良くなります。
また、間引く剪定をして、古くなった枝や枯れた枝を根元から切り取って、風通しを良くしてやります。

■10月~11月頃の花が咲き終わった後の剪定では、乱れた枝を切り詰めて、樹形を整えます。
枝が伸びすぎている場合は、適度に短くすることでコンパクトな形に保てます。
この時期に強剪定をしてしまうと、翌年の成長が鈍るため、軽めの剪定にとどめておきます。

花をたくさん咲かせるコツ

萩の花をたくさん咲かせるためには、次のことをすると良いのでまとめておきます。

■2月~3月頃に強剪定を行って古い枝を整理します。
■花芽が形成される、5月~6月には剪定をしないことです。
■10月~11月頃、花が咲き終わった後には、軽い剪定を行って樹形を整えます。