ピラカンサの実をつける剪定時期と剪定方法

ピラカンサは、バラ科トキワサンザシ属の中国原産の常緑低木で、樹高が3mになる木です。

花よりも実が観賞の中心になり、10月~11月頃に赤い実が熟す光景は緑の葉とよく合います。

枝にトゲがあり防犯上の理由から、生垣に利用しているお宅が多いようですが、手入れにはひと苦労します。

ここではピラカンサが実をつけるための剪定時期と剪定方法について解説します。

ピラカンサの特徴

ピラカンサは実が少ない秋から冬の時期にかけて、たくさんの赤い実がよりいっそう美しく見える、観賞に適した庭木です。

萌芽力が強くかなり生長も早いですし、しかも丈夫な木なので、生垣や刈り込みにも適します。ただし、あまり刈り込みすぎると、花芽を切り捨てることになり、花や実は望めなくなります。

実を見る楽しさはあるかもしれませんが、手入れをした後の枝葉の片づけにはトゲがあることから苦労させられます。

ピラカンサが実をつけるまでの過程

ピラカンサは、美しい花と赤やオレンジの実をつける植物です。

実をつけるためには、花が咲く時期や花芽形成時期について知っておき、適切な時期に剪定を行なう必要があります。

ここからは、ピラカンサの花の開花時期、花芽の形成時期、実をつける時期について説明します。

花芽の形成時期

花芽は前年の9月~11月頃、枝先に形成されます。

この時期に剪定をすると翌年の花が減るため、剪定は夏までに済ませるのが理想的です。

花の咲く時期

ピラカンサの開花時期は5月~6月です。

ピラカンサは毎年春から初夏にかけて白い小花をたくさん咲かせます。
小さな白い花は枝先に密集して咲き、香りもあります。

実をつける時期

花が咲いた後、受粉が成功すると緑色の小さな実ができ、秋にかけて赤またはオレンジに色づきます。

実が形成されるのは、6月~7月頃で、実が色づくのは、10月~12月頃です。

ピラカンサは、日当たりの良い場所を好みます。
剪定のタイミングは、花芽ができる前の6月~8月頃に剪定するのがベストです。
虫媒花なので、受粉にはミツバチなどの訪花昆虫が欠かせません。
ピラカンサは、冬まで鮮やかな実を楽しめます。

ピラカンサの剪定時期

花芽を切ってしまえば実がつきませんので、ここではまず花芽のつき方を理解してみて下さい。

春から伸びた枝は、夏から秋にトゲ状の短枝を伸ばし、さらにその枝から出たトゲ状の短枝に秋から冬に花芽をつけ、翌春に開花するというサイクルです。

翌春以降は、前年生枝の短枝に開花、結実し、同時にその年の春から伸びた新梢は同じサイクルで花芽をつけます。

つまり、1年生の枝は短枝を出して翌年咲く花芽をつけ、2年生以上の枝は枝元の短枝に花をつけるということです。

このことから、ピラカンサの剪定時期は 11月頃の秋から冬に行い、前年生枝の元についた短い枝と、当年性枝についた短い枝を残すようにします。

こうするとその年の実も楽しめますし、翌年の実つきもよくなります。

秋から冬に剪定しないで 6月~7月に行う場合もありますが、これは花が終わった直後なので実のつく位置もはっきりわかるので、実をムダにすることがないです。

ピラカンサの剪定方法

実を楽しむのであれば自然樹形に仕立てるとよく、実つきをよくするには冬に剪定するとよいということになります。その場合、強く伸びる徒長枝もつけ根から切り取ります。

生垣などに仕立てる場合は強い剪定が必要となりますので、花芽を落とし花がなくなることがありますので気をつけてください。

ピラカンサの剪定は、前年生枝の元についた短い枝と、当年性枝についた短い枝を残すようにすると、その年の実も楽しめ翌年の実つきもよくなります。

長く伸びすぎた枝や、春に開花し秋に結実した枝の先端から中ほどには、花はつかないので、枝のつけ根から20~30cm残して切り詰める剪定をするとよいです。

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ピラカンサには「赤い実のピラカンサ」「橙色の実のタチバナモドキ」があり、おのおの剪定時期が違うようなので気をつけないといけません。

「赤い実のピラカンサ」は9月頃までに分化し花芽がつきますので、初夏までに強い剪定を済ませれば、翌年に花を咲かせることができます。

「橙色のタチバナモドキ」は6月頃に花芽が分化し始め花芽がつきますので、5月より前までには剪定を終わらせておいて、秋頃に徒長枝を切り詰めるとよいです。

刈り込みをする場合は、成長が旺盛なのでマメな手入れが必要です。

やはり、安全に実つきをよくするには、冬に剪定するとよいということになります。