
マユミはニシキギ科の落葉中低木で、高さ3mになります。
真っ赤な実の美しさと紅葉が楽しめます。
ここでは、マユミが花を咲かせて実をつける剪定時期と剪定方法について解説します。
マユミの花が咲く時期
ここでは、マユミの花が咲く時期や花芽が形成される時期について詳しく説明します。
地域や気候によって異なりますが、マユミの花が咲く時期は、5月~6月頃です。
マユミは新芽が展開した後、春から初夏にかけて小さな淡緑色~黄緑色の花を咲かせます。
花はあまり目立ちませんが、近づいて観察すると可愛らしい形状を楽しめます。
マユミの花芽が形成される時期
マユミの花芽の形成時期は、7月~8月頃です。
花芽は夏の生長期に、前年の枝に形成されるため、剪定のタイミングによっては、花芽を切り落としてしまう可能性があります。
花芽の特徴
花芽は葉芽と見分けがつきにくいことがありますが、次の点で判断できます。
■花芽は、丸みを帯びており、やや大きめです。
■葉芽は、細長く小さい場合が多いです。
花を咲かせるための注意点
■花芽形成中の7月~8月に強い剪定をすると、翌年の花付きが悪くなります。
■マユミの花は前年の枝につくため、古い枝を残すことが花を咲かせるためのポイントです。
■花芽形成を促進するため、木全体が日光を浴びるように間引いたり、適度な剪定で風通しを良くしましょう。
マユミの剪定時期
マユミは、春から初夏にかけて小さな花を咲かせ、10月頃に前年生枝の先端に真紅の実をつけます。
マユミの醍醐味は実を見ることだと思うので、花を咲かせ、さらに実をつけるためには、適切な剪定方法とタイミングが重要です。
新しい芽が出る前の2月頃が剪定の適期なのですが、実を楽しむためには、冬期剪定の際に、枝先の切り詰めは避けて、なるべく間引く剪定をします。
6~9月頃の間の剪定では、枝が混みすぎたり、立ち枝などがある場合には、軽く剪定してもよいでしょう。
マユミの花は、前年に伸びた枝に咲くため、剪定のタイミングが非常に重要です。
■12月~2月頃の冬期剪定
花芽は前年の夏に形成されているため、冬期に花芽を確認して不要な枝の剪定をすることが重要です。
落葉後の冬は、樹形を整えたり、不要な枝を取り除くのに最適な時期です。
この時期に剪定を行うと、樹木への負担が少なく済みます。
ただし、花芽を切りすぎないよう注意が必要です。
■5月~6月頃の花が咲き終わった後の時期
花が終わった後に剪定を行うと、その年の花を楽しんだ後で形を整えることができます。
花が終わった後は、枝を切り戻すタイミングとして良いです。
特に伸びすぎた枝や不要な枝を整理することで、翌年の花付きが良くなります。
この時期に剪定をしても、翌年の花芽形成に間に合います。
マユミの剪定方法
マユミは大きくなりにくく樹形が乱れにくい木なので、自然樹形に育てるのがよく手間もかかりにくいです。
株は年々大きくなりますが、2年に1回くらいの頻度で枝ぶりを整える剪定を行えばよいです。
マユミの剪定方法は、前年に伸びすぎた枝などを切りとります。
枝を切る場合は、枝のつけ根か分かれ目のところから切り除くようにし、混みすぎたところは小枝の部分で3分の1程度枝数を間引きます。
花は、前年生枝の先端部から出た新梢に咲いて、結実しますので、冬期の剪定で枝先を切り詰めることは避け、なるべく間引き剪定をすることが、実をたくさんつけるポイントです。
花は短い枝につき、長い枝にはつかないので、長い枝を枝元から切り取って短い枝を残します。
同時に勢いのない枝や、樹冠内の枯れ枝をつけ根から切って、風通しや日当たりを良くするとよいです。
剪定のポイント
花を咲かせて実をならせるためには、次のポイントを押さえるとよいです。
■マユミの花芽は前年の夏頃に形成されます。
花芽を切ってしまわないように、剪定をする前に花芽の状態を確認をするとよいです。
実は前年の枝につく花から育つため、花芽を切り落とさないように注意します。
冬に剪定する場合、枝先の花芽を切り落とさないように注意します。
■枯れた枝や病害虫に侵された枝は、初めに切っておくと作業が楽になります。
その後、内向きに伸びた枝や交差した枝、樹形を乱す伸びすぎた枝など、不要な枝を切ります。
■マユミは成長が緩やかなので、強く切りすぎると翌年の花付きに影響が出ることがあります。
前年の枝をできるだけ残し、強剪定は避けて軽い剪定をします。
■翌年の花を楽しむためには、新しい健康な枝をできるだけ残したほうがよいです。
■春と秋に緩効性の肥料を与えると効果的です。
剪定後に適切な施肥を行うと、樹木の回復が早まり、翌年の花付きが良くなります。
肥料を適切に与え、乾燥を防ぐことで健康な木を育てられ、実付きも向上します。
■マユミは日当たりの良い場所を好むため、全体に十分な光が当たるような剪定を行ないます。
混み合った枝を剪定することで風通しを良くし、病害虫の予防にもつながります。
日当たりの良い場所で育てると、花付きや実付きが良くなります。
マユミの特徴
マユミの語源は、枝がよくしなるので、弓を作るのに使われたことから名前がついたとされます。
マユミの材は堅く緻密であることから「こけし」などの木工品を作る時の材料に使用されているようです。
マユミの花は、5月に淡い緑色の小花が咲きはするのですが、あまり目立たないです。
マユミは雌雄異株で雌株は秋になると淡紅色に熟して皮が裂け、中から1cmほどの鮮やかな種があらわれる実をつけます。実を楽しむためには、雌株を選ばないといけませんが、雄株も一緒に植えておくとますます実がつきます。
マユミの実について
マユミの実は、その独特な形状と色彩で観賞価値が高く、多くの人々に親しまれています。
マユミの実が成る時期は、10月~11月頃で、春から初夏に咲いた花が結実し、秋になると成熟します。
地域や気候条件により多少の違いはありますが、一般的には晩秋が見頃です。
マユミの実は小さな丸い形で、直径1cm程度です。熟すと裂けて、中から種子が現れます。
実が熟す前は淡い緑色をしていますが、熟すと赤色やピンク色に変化します。
裂けた実から現れる種子には、鮮やかなオレンジ色の種子を覆う「仮種皮」が付いており、非常に目を引きます。
熟した実は自然に裂け、種子が顔を出します。
この裂けた状態がとても美しく、観賞用として人気です。
実は晩秋から冬にかけて木に残り、落葉した後も枝に彩りを添えます。
冬の庭を華やかにする貴重な存在です。
マユミは自家受粉でも実をつけますが、近くに別のマユミの木があるとより結実率が上がります。
花を訪れるハチやアブなどの昆虫が受粉を助けるため、昆虫が集まりやすい環境を整えると良いです。
冬場になると、マユミの実は鳥たちの貴重な食料となります。
庭に野鳥を呼びたい場合にも適しています。
マユミの実は観賞価値が高い一方で、人間には有毒です。
特に小さな子どもが誤って食べないように注意が必要です。