ナナカマドの実をつけるための剪定時期と剪定方法

ナナカマドはバラ科ナナカマド属の日本原産の落葉高木で高さが10mにもなる木です。

ナナカマド(七竈)の名前の由来は、7回竈(かまど)に入れても、まだ焼け残るほど燃えにくいことからその名がついたようです。

北の地域に行くと街路樹にされているところが多いです。しかし、手入れが悪いのか、道路脇で排気ガスによる影響なのか、近年の温暖化による気象環境によるものなのか、枯れている木が多いようです。

ここではナナカマドの実をつけるための剪定時期と剪定方法について解説します。

ナナカマドの特徴

ナナカマドは涼しい地域を好む木ですが、日当たりの良い場所を好みます。耐寒性があり寒冷地でもよく育ち、特に北海道や東北地方でよく見られます。

夏が高温の地域では生長が遅いようです。なかなか大きく伸びないので暖い地域で育てるのであれば、ナンキンナナカマドが適しているようです。

ナナカマドは紅葉と実の美しさが特徴的な樹木で、街路樹や庭木として人気があります。鮮やかなオレンジ色の紅葉が特徴ですが、昼夜の温度差がないところでは色づきが鈍くなります。

ナナカマドは単幹で植えたり、株立ちや寄せ植え、列植でも楽しめます。庭の広さに余裕があればすっきりとした樹形を生かした列植にすることもでき、地際から伸びる3本ほどの幹を生かせば、株立ちに仕立てることもできます。

ナナカマドが実をつける過程

ナナカマドは、春に白い花を咲かせ、秋には美しい赤い実と紅葉を楽しめる木ですが、実をつけるためには花芽形成時期を知り、花芽をなくさない剪定を行なう必要があります。

ここでは、ナナカマドの開花時期、花芽の形成時期、実をつける時期について説明します。

花芽形成時期

ナナカマドの花芽は、前年の7月~10月頃に形成されます。

そのため、この時期に剪定をすると翌年の花が少なくなる可能性があります。

花の咲く時期

ナナカマドの開花時期は、5月~7月頃です。

白い小さな花が密集して咲き、独特の甘い香りを放ちます。
花は散ると茶色く変色し、やがて実へと成長します。

4.11c

実をつける時期

ナナカマドの実は、花が咲いた後に成長し、秋には鮮やかに紅葉し、房状の果実が赤く熟します。

実が成る時期は、6月~8月頃で、実が色づくのは、9月~11月頃です。

4.11b

葉は細長くて先がとがりフチにギザギザがあり、葉柄から続く葉軸の左右に、小葉をつけるような配列の葉が複数集まって一枚の葉となる羽状複葉です。

ナナカマドの剪定時期

ナナカマドは生長が遅く、自然樹形が一番似合っている木なので、あまり剪定をする必要がありません。

とはいえ、全く剪定をしていないと枝葉が増えます。しだいに枯れ枝が出てくるので、適宜に枝を間引いて病害虫の発生の予防もしないといけません。

ナナカマドの剪定時期は、1月~3月頃の落葉時期に、枝元から不要な枝を切り取るとよいです。

また、花芽形成後の秋以降の剪定は避け、6月~7月頃に軽く剪定します。

ナナカマドの剪定方法

ナナカマドは放任しても楕円や円錐形の樹形を保ちやすい木です。

根元から出るヒコバエを処理し、数年に一度混み枝や不要枝を間引き、徒長枝は適度な位置で切り戻して、小枝の発生を促すようにします。

また、古くなった枝を幹の際から切り落とし、強く出た徒長枝も切り取ります。

できるだけ柔らかい枝を残して細くしなやかな樹形をめざしたほうがよく、低い位置から伸びた胴ぶき枝を選んで、数年で主枝を切って新しい幹に更新したり、
全体の3分の1ほどを切り落として数年で、主幹を更新した方が樹勢もよくなるようです。

こぢんまりと仕立てる場合は、徒長枝を元部から切り取り、混みあった枝は切り透かすようにします。

害虫が発生することがあり主に、テッポウムシが幹に入りやすく、枝の側面に小さな穴があいているのを見つけたら、孔に薬剤を入れてやるか直接抹殺したほうが良いです。