
ウメモドキはモチノキ科の落葉低木で、樹高は3mくらいになり、花の咲く季節は 6月ころに白い小花を咲かせる木です。
鮮やかな赤い実が冬の景観を美しく彩るため、庭木や生け花にもよく利用されます。
ここではウメモドキが実をつけるための剪定時期と剪定方法について解説します。
ウメモドキの特徴
ウメモドキは 6月ころから白い小花が開花します。
9月頃から赤く熟す実は、葉っぱが落ちても、真っ赤な実がいつまでもついているのが特徴です。
しかしいつの間にかその赤い実もなくなっており、下に落ちているのかと思いきや観察していると、どうやら小鳥が全部取っていくようです。
ウメモドキは、春に新梢が伸び、すぐに小花が咲き葉っぱが増え、紅葉はあまりきれいではありませんが、そこそこ楽しめます。葉が落ちても小枝を中心とした樹形を楽しむことができることから、ウメモドキは春夏秋冬、一年中見ていて飽きない木のひとつと個人的には思っています。
ウメモドキの名前の由来は、葉っぱがウメの葉に似ていることや、花も梅に似ているところからきているようです。
ウメモドキの実が成るサイクル
ここからは、ウメモドキの花が咲く時期、花芽が形成される時期、実が成る時期について、その過程を説明します。
花が咲く時期
ウメモドキの花が咲く時期は、5月~6月頃で、花は、小さい淡紫色や白色の花を咲かせます。
ウメモドキは、「雄株」と「雌株」が別の株に分かれる「雌雄異株」で、
「雄花」は多数の雄しべを持ち、「雌花」には子房と退化した雄しべがあります。
ウメモドキの「雄株」
ウメモドキの「雌株」
花芽の形成時期
花芽は、前年の7月~8月頃に、伸びた新枝の葉腋に花芽が形成されます。
花芽は小さな球形で、冬の間にしっかりと成熟し、翌春に開花するため、剪定の時期を誤ると花が咲かなくなります。
実が成る時期
実が成る時期は、10月~12月頃で、直径5~7mm程度の球形の赤い実(核果)がなります。
結実するには受粉が欠かせず、「雌株」の近くに「雄株」が必要です。
鳥に好まれ、冬の間に食べられてなくなることが多いです。
ウメモドキの実
ウメモドキの剪定時期
ウメモドキは「前年性枝タイプ」なので、花芽は前年の春から新しく伸びた枝の葉のつけ根に、7月頃からつきはじめます。
花芽は、前年の7月~8月頃に、伸びた新枝の葉腋に花芽が形成されます。
花が咲き終わった後の6月~7月頃に軽い剪定をするのがよく、実を楽しみたい場合には、できれば、冬~春の剪定は避けたほうが良いです。
11月~3月頃に剪定を行なうこともできますが、花芽が形成された後なので、強く切り詰めると花芽の数が減るので避けたほうが良いです。
この時期の剪定は、枯れた枝や不要な枝を切り取り、幹や枝から出た枝を間引く作業をします。幹株の数が増えすぎた場合には、根元から間引くように切り詰める「強剪定」で整理することができます。
花が終わった後から7月下旬頃の夏は、強く切り詰める「強剪定」をすると、切った以上に伸びて樹勢も弱めるので、伸びた徒長枝を軽く間引く程度にとどめたほうがよいです。
ウメモドキの剪定方法
剪定するほど実つきが悪くなりますので原則として「強剪定」は行なわないようにします。
芽を出す力が強いことが特徴なので、どこで切っても萌芽しますが、強い剪定をするほど不要な徒長枝をだしやすく実つきも悪くなります。
そのため、必要以上に伸びた枝葉や徒長枝を、軽く間引く程度の剪定が基本になります。
管理が楽な我が家のウメモドキ(3mほど)は、剪定時間が15分程度で終わってしまいます。
ウメモドキは強い剪定をしない限り、枝葉は大きく伸びることがなく、管理しやすいので、個人的に気にいっている木のひとつです。
ウメモドキの管理について
花芽は前年に形成されるため、実を楽しみたい場合には、冬~春の剪定は極力避けたほうがよく、花が咲き終わった後の6月~7月頃に剪定するのがよいです。
「雌株」に実をつけるには、近くに「雄株」を植える必要があります。
ウメモドキは、日当たりの良い場所を好み、よく日光が当たる方が花つき・実つきがよくなります。