ジンチョウゲ(沈丁花)はジンチョウゲ科の常緑低木で、
キンモクセイ(金木犀)のように遠くにいてもほのかな香りが漂います。
玄関脇や門の近くに植えてると香りの効果が抜群にあるようです。
ここでは、ジンチョウゲの剪定方法と剪定時期について解説します。
ジンチョウゲの特徴
ジンチョウゲは中国原産の常緑低木で樹高は1~2mくらいになります。
香りは沈香(じんこう)という木の香りに似ており、
葉の形が丁子(ちょうじ)という植物に似ているところから
ジンチョウゲ(沈丁花)と呼ばれるようです。
3月~4月ころに赤褐色の小花が手鞠のように集まって咲きます。
清楚なたたずまいの花と春を告げる甘い芳香が魅力的で、
1ヶ所に20~30個の花が集まって咲きます。
白い花のシロバナジンチョウゲ、
葉に白い覆輪が入るフクリンジンチョウゲがあるようです。
暖地性なので日当たりに向き半日陰でも育つのですが、
強風にさらされる場所は避けた方がよいようです。
ジンチョウゲは花を観賞するだけでなく、肉厚で艶のある葉も人気があり緑が少なくなる
冬の庭には貴重な存在で、香りが漂うことからよく玄関わきに植えられているようです。
ジンチョウゲの剪定時期
ジンチョウゲは 3月のお彼岸のころに樹冠一面に小花を咲かせます。
花が咲き終わった後に 3、4本の新梢をだし、その先端に7~8月ころに花芽を形成する
前年生枝タイプで、この花芽が冬を越し翌春に開花します。
ジンチョウゲの剪定時期は、前年生枝タイプなので
花が咲き終わった直後の 3~4月に前年枝を少しだけ残す感じで行います。
それ以後の時期の剪定は、切ったくらい翌年の花の数は少なくなりますので、
邪魔になる枝を切り取る程度にすませたほうがよいです。
枝葉が混みあうことも多く、風通しを良くするためには
ふところ枝などの間引き剪定も同時に行ないます。
ジンチョウゲの剪定方法
ジンチョウゲは放任しても大きく乱れることはなく、自然に丸く樹形を整える木なので、
ほとんど手を加える必要はなく、樹形から飛び出した長い枝を切り除く程度で十分です。
切る場合は枝の途中で切り詰めないで、枝の分岐点で必ず小枝を残すように切り戻しを行います。
一度に強い剪定を行うと樹勢が弱くなりますので気をつけてください。
木が大きくなりすぎて小さくしたい場合や、
若返りを図りたいような場合に限り本格的な強い剪定を行います。
剪定の時期はやはり花後がよく、思い切って枝を切り取ってもすぐに新梢が伸びて樹形も整います。
一度にあまり強い剪定を行うと翌年花がつかなかったり、樹勢を弱めることになりますので、
一度に切り下げないで2、3年かけて低くしていくとよいでしょう。
小枝を生かした切り戻しを原則として行いますが、
混みすぎた部分を透かす場合も方法は同じです。
刈り込むと花は少なくなりますが、生垣にもよく利用されているようです。
そのほかにも球形仕立てや玉仕立てなど、色々な仕立て方をしても枝葉は自然にまとまります。
風通しが悪いとカイガラムシがよく発生しますので、
その場合はカルホス乳剤や石灰硫黄合剤を散布すると効果的です。