剪定を行なわないお宅のコデマリは良く咲くようです。
その逆で、剪定を行なったお宅は花が咲かなくなります。
なぜこのようなことがおこるのか?
それは、
コデマリの花芽ができる特性を理解していないからですが、
どんなに剪定を行なっても、それでは花が咲くことはありません。
ここでは、コデマリの花が咲かせるための剪定時期はいつがよいのか、
花を咲かせるための剪定方法はどのように行なえばよいのか解説します。
コデマリの特徴
コデマリは、小さな手鞠(てまり)のような花が咲くことから
コデマリと名前がついたとされます。
コデマリはバラ科の落葉低木で、
中国原産で高さは2mくらいになる木です。
花の咲く時期は、地域によって4月頃から6月頃まで、
垂れる枝に白い小花が無限に咲き乱れます。
コデマリの枝は弧を描くようにしなり、半球形の小花が
その枝上に20個から30個密生して咲きみだれます。
花の種類は八重咲きのヤエコデマリ、
新梢が金色のキンバコデマリなどがあります。
コデマリは日当たりがよく、西日の当たらない保水性の
高い場所を好みますが、半日陰でも育つようです。
通常であればこのようにたくさんの花を咲かせてくれるのですが、
剪定を行なうことでその姿が見られなくなることはあります。
特に、時期を間違って剪定を行なうことが
花を咲かせなくすることに直結します。
では、花を咲かせるためには
剪定の時期はいつ行えばよいのでしょう。
コデマリの花芽形成される時期
コデマリの花を咲かせるためには、
花芽が形成される時期を知っておかなくてはいけません。
花芽ができている枝を切ってしまうと、
当然ですが花は咲かなくなることは誰でも予想できると思います。
でも、いつ花芽が来出ているのかを知る人は多くはないようです。
だから、知らずに花芽を切ってなくしてしまうために
花が咲かないと悩むことになるのです。
では、花芽はいつ形成されるのでしょう。
花芽は2年以上育った枝から出る、前年の春から伸びた枝に
9月頃~1月頃までに花芽が形成されることになります。
その時期とその後に手をかけないことで
来年の春に花を咲かせてくれます。
つまり、
今年伸びた枝に、今年の秋頃から1月頃までに花芽が形成され
来年の春に花が咲くことになるわけです。
うまく花芽が形成された時の花の状態は、冬を越して春に伸びだし、
葉を2、3枚つけた短い枝の先に、30個くらい半球形の小花が咲きます。
花芽の形成を知らずに、落葉樹だからと冬に切れば良いと思って
1月以降にガッツリ短く切ってしまうと、
この時期には花芽がすでについていることからも、
枝を短く切ることは確実に花芽を減らすことになります。
花芽がいつ形成されるのかがわかったとしても、
剪定時期を間違ってしまうと花芽はなくなり
来年の春に花は咲かなくなります。
では、花を咲かせるための剪定時期はいつが良いのか、次で解説します。
コデマリの剪定時期
コデマリは今年伸びた枝に、今年の9月頃~1月頃までに
花芽が形成されて来年の春に花が咲くことになります。
このことから、極力今年伸びる枝を切らないで
残しておかないといけないようです。
特に9月頃~1月頃は花芽が形成される時期なので、
この時期の剪定は行なわないこと。
そして、花芽が形成された後に剪定を行なうと
花芽がなくなるという事を理解しておいてください。
このことから、花が咲き終わった後に剪定を行なうのが
基本的には良い時期になります。
ただ、剪定方法しだいでは、花芽が形成されている時期を除けば
いつ行なってもよいことになるかもしれません。
それでは、花を咲かせるためも剪定方法について、次で解説します。
コデマリの剪定方法
花芽は2年以上育った枝から伸びた新しい枝に
9月頃~1月頃までに花芽が形成されます。
なので、最低でも2年以上育った枝は
残しておかないといけないことになります。
花が咲き終わったからと言って、根元からバッサリスッキリ
すっかり切ってしまうことはしないでください。
ただ、本当に小さくしたいのであれば、花が咲き終わった後に
20cm~30cmくらい残しておけば、その後伸びた枝に花芽がつきます。
このことを理解しておいてください。
コデマリは刈り込みには向かない木なので
通常は、株立ちの自然樹形で育てるようにします。
目線よりもやや低めに仕立てて、
単植にするよりは列植や群植するのが良いようです。
株が小さいうちは、強く伸びる枝や徒長枝を必ず元部から切り戻して
樹形を整える程度の剪定に抑えます。
株を小ぢんまりと仕上げる場合は、
花後すぐの6月に切り詰め剪定を行います。
コデマリは茎や葉が垂れ下がる樹種なので、
枝先に立ち枝をつくらないように
内部の枝を切り除くことが基本です。
枝張りを制限する場合は、毎年花後に剪定する必要があり、
木の中心部の蒸れを防いで、内部に十分に日が当たるようにして小さくします。
この時に枝の分かれ目で切った方が
切り口が目立たず自然な感じに仕上がります。
特に、古く大株になると花付きが悪くなるので、特に枝は老化が早く
4~5年で花が咲きにくくなり小枝が密生して枯れ枝が多くなります。
そのことからも花を多く咲かせ続けるためには
4~5年に一度は、株を強く切り戻して若返りをさせるために、
花後すぐにすべての枝を地際まで切り取ってやるとよいです。
混みすぎた場合には、内部の風通しと日照をよくすることを目的にして
12月頃に根元や枝の途中で、適宜に枝を間引く剪定を行ないます。
その時期の剪定は花芽が出来ているので、
軽く切り詰める程度にすればできるだけ花をムダにしないようできます。
花芽のつく時期を考えて株を小ぢんまりと仕上げたい場合は、
花後すぐの6月に切り詰める剪定を行うとよいです。