ヤツデの剪定時期と剪定方法

ヤツデはウコギ科の常緑低木で、耐陰性が高く家の北側の目隠しに利用されます。公害や病気にも強く使いやすい木です。

ここでは、ヤツデの剪定時期と剪定方法について解説します。

ヤツデの特徴

ヤツデは 7~8枚に別れた大きな葉が特徴で、八つの手があるように見えることから「ヤツデ」と呼ばれるようになったとされます。葉はけっこう肉厚で光沢があります。

晩秋の11月頃から12月頃まで茎頂部に白い小花が球状につき、翌春黒い小球果を実らせます。

フクリンヤツデ、キモンヤツデ、シロフヤツデ、キアミガタヤツデなど意外と種類も多くあるようです。

ヤツデの花・実について

ヤツデはウコギ科の常緑低木で、日本の庭や日陰の植栽としてよく見られます。
独特の大きな葉が特徴的ですが、花や実も楽しめる植物です。

ここからはヤツデの花と実について解説します。

ヤツデはどんな花が咲くの?

ヤツデは花を咲かせる植物で、独特の白い花をつけます。

花の色は、白またはクリーム色で、球状の小花がまとまったネギ坊主のような形の「散形花序」を形成します。
花は甘い香りがあり、枝の先端にまとまって咲きます。

花が咲く時期と花芽の形成時期

花芽が形成される時期は、9月~10月頃で、花が咲く直前の秋に花芽がつくられます。

花が咲く時期は、11月~12月頃で、常緑樹では珍しい、寒い時期に花を咲かせます。

剪定のタイミングによっては花を見られなくなるため、注意が必要です。

実が成る時期

ヤツデは花の後に実をつけます。実が成る時期は、2月~4月頃です。

花が受粉すると、小さな緑色の実ができ、徐々に黒紫色に熟していきます。
鳥が食べることもあるが、苦味がある人には適さないです。

ヤツデの剪定時期

ここでは、ヤツデの剪定時期について解説します。

ヤツデは生育が旺盛なので、剪定しないと大きくなりすぎることがあるので、適切な時期に剪定を行ないます。

最適な剪定時期は、5月~6月頃です。

新芽が伸びる前に剪定すると、樹形を整えやすいです。春から夏にかけて成長が旺盛なため、剪定後の回復も早いです。

9月~10月頃の剪定は避けるようにします。
この時期は花芽の形成時期にぶつかるので、剪定すると花芽を切り落とすことになり、花が咲かなくなります。

12月~2月頃の剪定も可能です。
花を楽しんだ後に、花が終わった後の枝を切ります。ただし、寒冷地では冬の剪定で傷口が凍結する可能性があるため注意が必要です。冬期に大きな葉や古い葉を切りとって仕立てることも可能です。

伸びすぎるまでは剪定の必要はありませんが、高く育ちすぎた場合に4月~6月頃の間に枝葉を切り詰めます。

下葉が枯れあがってきたら、梅雨頃に好みの樹高に切り詰めて脇芽を促すようにします。また、徒長枝や古い枝、ヤゴは随時元部から切り取り3~5本の株立ちに整えるとよいでしょう。

ヤツデの剪定方法

ここでは、ヤツデの剪定方法について解説します。

樹形を整える剪定

まず、枯れた葉や不要な大きな葉を切って、風通しを良くするようにします。
ヤツデは成長が早いため、適度に剪定して形を整えるように、伸びすぎた枝葉を切ります。根元から強く切り戻しても大丈夫です。
葉が大きく増えすぎた場合には、葉数を減らすように、適宜に葉の生えている茎元から切ります。

花後の剪定

樹形を整えるために伸びすぎた枝葉を切ります。
花が終わった後に、花茎を切り落とすと、見た目がスッキリします。

強剪定

株全体を低くしたい場合は、根元近くからバッサリと強剪定も可能です。
5月~6月頃に剪定を行うと、夏には新芽が出て再生します。

ヤツデは枝の先端に葉をつける習性があり大きく育ちます。また株立ちになる性質を利用して3~5本立ちの自然樹形に仕立てるとよいです。

伸びすぎて下葉がなくなった株は早めに切り詰めて、脇芽を発生させましょう。高くなりすぎて下葉が枯れあがった枝も、元部から切り、更新させて育てるとよいでしょう。放任すると雑然とした感じで 3m近くになることもあり、不要枝を地際に近い部分から間引いて整えます。

根元から伸びた幹は上方へ伸び、先端に葉をつけ、自然のままで樹形の乱れはほとんどなく育ちます。ただし伸長する力が非常に強くしだいに葉が上へ上がり、下葉のない貧弱な樹形になります。

伸びすぎるまでは剪定の必要はありませんが、高く育ちすぎた場合、4月~6月の間に枝葉を切り詰めます。
切り詰めるには2つの方法があります。
ひとつは、株立ち下幹のうち古く伸びすぎたものを地際で切り、低いものに替えていく方法です。
もうひとつは、幹の途中で切り詰める方法ですが、別れた枝を残して上部を切るか、葉のつけ根のすぐ上か、芽のある上部で葉や芽を生かして切り詰めます。

切り詰め方は葉か芽のすぐ上で切ると、低くしたところから枝葉がでて小さな姿に整います。仕立て方次第で、大株にも小さくこじんまりした仕立てにもなります。葉数を減らすと生長が抑えられ葉を小さくすることができるので、葉を小さくしたい時は古い葉を落として上部の葉のみを残すようにします。
大きな葉や葉数を調整しながら好みの大きさに育てましょう。