
モッコクはツバキ科の常緑小高木で樹高は放任すると5mくらいになります。
和風庭園の七銘木のひとつとされ、新芽の黄色と葉の新緑、古葉が落葉する前に、真っ赤に色づいた実を観賞することができます。
ちなみに庭木七銘木は、松、竹、梅、ツゲ、タラヨウ、モッコク、モクセイのようです。
ここではモッコクが花を咲かせるための剪定時期と剪定方法について解説します。
花を咲かせて実が成るまでの過程
モッコクは、ツバキ科の常緑高木で、美しい葉と樹形が特徴の庭木です。
ここでは、モッコクが花を咲かせて実が成るまでの過程について解説します。
開花時期
モッコクは、6月下旬から7月頃の初夏に花を咲かせます。
花は小さめで、淡い黄白色をしており、葉の付け根部分にひっそりと咲きます。
強い香りはありませんが、控えめながらも上品な花です。
花芽の形成時期
モッコクは 前年の夏から秋にかけて花芽をつけます。
剪定を行う場合は、花が終わった後の7月頃、花芽形成前に行なうのが理想です。
この時期に剪定すれば、翌年の花や実を楽しむための花芽を切り落とすことなく整えることができます。
また、冬~春に強く剪定してしまうと、花芽が落ちて花が咲かなくなる可能性がありますので注意が必要です。
実が成る時期
モッコクの実は 10月~12月頃に赤く熟します。
最初は緑色ですが、秋が深まるにつれて赤くなり、割れると中からオレンジ色の種子が現れます。
この実は鳥に好まれ、庭に植えていると野鳥が訪れることがあります。
秋になると濃赤色の結実が見られます。
モッコクの剪定時期
モッコクの剪定時期は、花が咲き終わった後で、新梢が伸びきった6~7月頃が適期です。
10月頃にも、樹形を崩す徒長枝や不要な枝を切り取っておおまかに整える剪定ができ、樹冠内の風通しをよくすると理想的です。
初夏の頃の剪定は、一般的な剪定を行ない、秋は古くなった葉や樹形を崩す徒長枝を切り除く作業が中心と思えばよいです。
モッコクの剪定方法
モッコクは濃緑色の光沢のある葉が密にでることから、上品な庭木として、好んで庭に植えられ一年中目を楽しませてくれる木です。
放っておくと5mくらいになりますので、庭植えの場合は3mくらいに仕立てるといいです。
半日陰でも育ちますが、日当たりのよいところの方が樹形も整います。
元々樹形を保ちやすい木なのであまり手入れの必要はありません。しかし、枝葉を細かく密に保ち美しい姿にしておくのであれば、年に1回の剪定が必要のようです。
自然樹形を基本として仕立てるのが一般的です。ほかの仕立て方には、円筒形、楕円形、玉仕立てがあり、半円形仕立てなどもできて仕立て方も豊富です。
モッコクは実際はあまり手をかけなくても比較的樹形が整う樹木です。
樹高2m程度までは放任して育てて、樹勢がある場合は、枝をさらに切り詰めれば葉腋から小枝が発生します。
新しい枝先は車枝状になるので上に向く枝など2~3本に残すように整理します。切り詰めるたびに枝分かれして小枝が増えるので樹冠が整うようになります。
日の当たり具合で枝の密度が変わることがありますので、葉の密度が低い場合は、強めに剪定して刺激を与えてやると樹勢に効果的なようです。
6月頃の剪定では、混みあった枝や徒長する枝など邪魔な枝を切り取り、枝を透かすことで樹形内部の日当たり風通しをよくし、全体の姿を整理します。特に5月頃から新しい枝が伸びますから、枝先の手入れは注意しなければなりません。
新梢は一ヶ所数本輪生して出るためこれを1、2本残して他は間引きます。そして残した枝は、葉を2枚くらい残して先端部を切り詰めます。こうすると葉のつけ根から再び新しい枝葉がでてよい姿に整います。
10月頃の秋にも剪定する場合には、春の内容とほぼ同じ手順で行いますが、むしろ古い葉を取る作業が中心になります。これは枝の先端部の葉を残し中間部の葉を取り除く作業です。
こうすることで残った葉に十分な栄養が届きしかも各枝に均等な葉をつけることになり、いっそうすっきりとした美しい姿に整います。尚、枝のつけ根部分には古葉を数本残しておきます。