
ハナカイドウは放っておくと5m以上に伸びる木で、庭に植える場合は 2、3mに仕立てると、花を見るのも手入れをするのにもちょうどよいです。
枝は広がったり垂れ下がる傾向があるので、その辺を意識しながら剪定するとよいでしょう。
ここではハナカイドウの花が咲くための剪定時期と剪定方法について解説します。
ハナカイドウの花が咲く過程
ハナカイドウの花が咲くためには、花芽が形成される時期と、それに伴う適切な剪定が必要です。
ここからは、ハナカイドウの花芽形成時期と開花時期について詳しく説明します。
花芽形成時期
ハナカイドウの花芽は、その年の春から充実して生長した枝に、7~8月頃に形成され、次の年の4月頃に花が咲きます。
新しく伸びた枝(1年枝)の葉の付け根部分の「葉腋」に花芽が形成されることが多く、夏の気温や日照時間の影響を受けながら、枝の先端や側芽などに花芽がつくられます。
栄養状態が良いと葉芽になりやすく、ストレスが適度にかかると花芽に分化しやすいようです。
開花時期
花の咲く時期は4月~5月頃で、つぼみはピンク色で、開花すると濃桃色の美しい花が樹冠を埋め尽くすほど咲き乱れます。
ソメイヨシノが満開になる頃と同じか、やや遅れて開花します。気温が高いと早咲きになり、寒冷地では遅くなる傾向があります。
八重咲の花や枝がしだれるシダレハナカイドウなどの樹種もあるようで、庭木や公園の観賞用として人気があります。
花芽形成と開花を促すポイント
・日照不足だと花芽がつきにくいので、日当たりのよい場所で育てるとよいです。
・花芽が形成される時期に剪定すると、花芽を落としてしまう可能性があるので、夏の剪定は控えます。
・窒素過多になると葉芽が優先され、花がつきにくくなるので、適度な肥料を与えるとよいです。
・開花の準備のため「休眠打破」が促されるように、冬の寒さ(低温)に当てたほうがよいです。
花を咲かせる剪定時期
ハナカイドウの花芽は、その年の春から充実して生長した枝に、7~8月頃に形成され、次の年の4月頃に花が咲きます。
このことから、12~3月頃の冬期が一番良い剪定時期で、葉が落ちているころから、枝ぶりや枝の込み具合なども確認できます。
冬になるとだんだんと短い枝先に花芽が出てくると思いますので、確認しながらできるだけ花芽を残して切ることができます。
おすすめの剪定時期は12~3月頃とお伝えしましたが、ほとんどの方が切りたくなるのは、枝葉が伸びてうっとうしくなる 7月前後から後の時期になると思います。
冬期剪定をすすめてはいますが、強く深く切り戻さなければいつ行ってもよいと思います。
もしも花後に剪定するなら5月から7月頃に伸びた枝先を軽く切る程度、あるいは突発的に伸びている樹勢の良い枝は根元から切っておいた方がよいでしょう。
7月以降であっても剪定は行ってもよいですが、「枝を強く深く切る強剪定」は、樹勢を弱めたり花芽をなくしてしまうので行なわないようにしてください。
花を咲かせる木に関しては、花芽が形成される時期を少し神経質になるくらい注意して、剪定する時期を選ぶ必要があります。
ハナカイドウの剪定方法
ハナカイドウは2、3mくらいに仕立てると管理がしやすく花もきれいに観賞できます。
新梢は横に張り出しやすく、放任すると樹冠ばかりが大きくなってしまいます。
毎年の剪定で枝ぶりや高さを制限しながら花を楽めるように、徒長枝や混みあった枝は元部から必ず切って仕立てるようにします。
ハナカイドウは12~3月頃の冬期が一番良い剪定時期ですが、この時期は葉がないことから、枝ぶりや枝の込み具合なども確認しながらできるので作業が効率よくできます。
春に近づくにつれだんだんと短い枝先に花芽が出てくるので、花芽を確認し残しながら作業することができます。
横に伸びやすいので、水平方向に伸びて重なり合っている枝や、互いに絡んでいる枝を枝の元部から間引き、そのあとに伸びすぎた枝を切り詰めるとよいです。
長く伸びた枝は先端からだいたい 3分の1くらい切り取るとよいです。
花後に剪定する場合は枝の伸びが止まった頃にすると良いです。
混んだ枝や重なり合っている枝は元部から切り取るように間引きます。
この時期にあまり強く切りすぎるとかえって無駄な枝葉を出しやすくなり花つきも悪くなります。
ハナカイドウの花芽はウメと同じで、長い枝にはつかない性質があるので、長い枝があれば、元部から十個くらい花芽を残す感じに先端を切り戻すとよいです。
またその途中で切った枝を新しく仕立てるようにしてもよいです。
夏期に伸びすぎて切りたくなる方もいると思いますが、きれいさっぱり切ってしまうと花芽もなくしてしまうので、その場合も枝先を切る程度でとどめておいた方がよいです。