
ユキヤナギは庭木や切り花として古くから親しまれてきた木で、しなやかに湾曲した細い枝が白い小花で埋まる風情は雪柳の名前にピッタリです。
単独で植えたり高木と組み合わせその下に用いるほか生垣として列植して楽しむのもよいでしょう。
ここではユキヤナギの剪定時期と剪定方法について解説します。
ユキヤナギが花芽を形成する時期はいつ?
ユキヤナギは、湾曲するしなやかな細い枝が根元から生え2~4月に白い小花が密生して咲きます。
ユキヤナギが花芽を形成する時期は、夏から秋の7月~9月頃にかけて、前年に伸びた枝に花芽がつきます。
このため、この時期に剪定を行うと花芽を切り落としてしまい、翌春の花付きが悪くなる可能性があります。
花芽が休眠する期間は秋以降で、花芽は休眠状態に入り、冬を越えて翌春に花を咲かせてくれます。
ユキヤナギの剪定時期
花が咲き終わったすぐ後に、地際15~20cmのところで刈り込むと、新梢がすぐに伸びて翌春に咲く花芽をたくさんつけます。
ユキヤナギは萌芽力が旺盛な木ですから毎年剪定整枝を行った方がよく、7~9月に花芽の形成がはじまるので、その前の花が終わった直後の4月下旬から5月上旬ころが剪定の適期です。
この剪定後に伸びた新梢が充実することで秋には各葉腋に花芽がつくられ、これらの芽は冬を越して翌春2月頃から開花するのです。
ユキヤナギの花を咲かせるには、剪定を行なうタイミングに注意します。
ユキヤナギの花が咲き終わった後のすぐの4月~5月頃に剪定を行なうことで、新しい枝の生長が促され、その枝に花芽が形成されます。
花が咲き終わった、春から初夏に形を整える剪定を済ませます。
花芽に影響が出る夏以降の剪定は避けるようにして、花芽を残すように注意して、風通しをよくする程度の軽い剪定にとどめます。
特に夏以降にガッツリ刈り込む「強剪定」を行なうと、花芽がつく前の枝を切り落としてしまい、翌春に花が咲かなくなる可能性が高いです。
この花芽形成時期を理解して適切に管理していくと、毎年美しい花を咲かせてくれます。
ユキヤナギの剪定時期のまとめ
■花後の剪定時期(4月~5月)
ユキヤナギは前年の枝に花を付けるため、花後すぐに剪定するのが最適です。
花が終わった後に剪定することで、翌年の花芽を育てるための新しい枝が伸びやすくなります。
■冬期剪定時期(12月~2月)
冬剪定も可能ですが、この時期に剪定すると花芽を切り落としてしまい、翌春の花が少なくなる可能性があります。
冬は主に、枯れ枝や不要な枝の整理に留めるのがよいです。
ユキヤナギの剪定方法
ユキヤナギの剪定の要領は、枝を均一にそろえることは避けたほうがしなやかなユキヤナギを楽しむことができますが、揃えるというよりもわざと長い枝や短い枝が入り乱れるようにすることで自然なしなやかさを楽しめます。
若木のころのユキヤナギは地際から枝を旺盛にだし放任しても自然に樹形がよくまとまるので、しだれる枝を生かして自然樹形に仕立てたり、列植して垣根風に仕立てることもできます。
剪定方法は枝の途中でむやみやたらに醜く切らないで、枝のわかれている部分で短い枝を残すように長い枝を取り除くことがポイントで、このようすることでその後も枝ぶりのしなやかさを維持していくことができます。
花が咲き終わった後すぐに剪定作業に入りますが、初めに枯れた枝を切り、同時に徒長した枝を基部から切り取るようにします。
強く切り戻してしまうとさらに強すぎる枝だけが伸びてきて自然な枝ぶりが損なわれますので、枯れ枝やからみ枝、弱い枝などの不要な枝も切り取って間引くように整理しておき、最後に樹形や目的の高さに合わせるときれいに仕上がります。
ユキヤナギの剪定の手順
剪定前に樹形をよく観察し、全体のバランスを考えます。
病害虫に侵された枝や、枯れ枝があればそれを優先的に除去します。
■花後の剪定
花後すぐに、花が咲いた枝の1/3~1/2程度を切り詰めることで、新しい枝の伸びを促し、翌年の花芽を付けやすくします。
内側に向かって伸びる枝、交差した枝、下向きの枝など、不要な枝のを切り取り、風通しを良くします。
■間引く剪定
古い枝を根元から切って間引く剪定をします。
株元から伸びる古い枝は、新しい枝の生長を妨げるため、根元から切り落とします。
毎年数本ずつ古い枝を間引くことで、樹勢を保てます。
■密集した部分の整理
密集した部分を間引き、全体に光が行き渡るようにします。
これを行なうことで、病害虫を防ぐことに繋がります。
■冬期に整理する剪定
枯れた枝や弱々しい細い枝は、この時期に切り落とします。
冬に剪定する場合は、樹形を軽く整える程度にとどめます。
ユキヤナギの剪定のポイント
ユキヤナギは前年枝に花芽を付けるので、花が咲かなかった部分は極力残すようにします。
葉芽(節)の少し上で斜めに切ると、新芽が健やかに伸びやすくなります。
剪定する量は、全体の1/3程度までにとどめ、切りすぎないように注意します。
枝や幹は細くても固いので、鋭い剪定ばさみやノコギリを使います。
剪定後に、緩効性の化成肥料や有機肥料を与えると、新しい枝の成長が促進されます。
ユキヤナギの強剪定の時期と方法
株全体が老化したり大きくなりすぎた場合のユキヤナギの剪定は、地際から10cm程度残して全部切り取り株を更新させるのも一つの方法です。
花後すぐに地際15~20cmで「古い枝」を刈り込んでおくと、花が咲き乱れる新梢がすぐに伸びて翌春に咲く花芽をたくさんつけます。
年数を経て大株になると中心部の古い枝は老化し、小枝ばかり密生するので、花付きが悪いようなら根元からすっかり切ってしまい、新梢を出させるようにして、株の更新をはかると花付きが良くなる場合があります。
この強い剪定も花の終わった直後に行うとよいです。
ユキヤナギがさらに伸びたら
花後剪定をしてから秋にかけて、伸びた新梢が混みすぎたり、徒長して樹形を乱しているユキヤナギの新梢は、12月から2月の落葉期に、軽く間引いたりする剪定をしてやるとよいです。
その理由は、この時期の剪定は春に咲く花芽が各枝にすでに準備されている状態ですから、枝を深く切り取りとるということは、花を切り取ってしまうことと同じなので、最小限にとどめて切るように注意してください。