
山茶花(サザンカ)の花をたくさん咲かせるためには、適切な時期に剪定を行い、樹形や枝の状態を整えることが大切です。
ここでは、山茶花の花を咲かせるための剪定時期と剪定方法について解説します。
山茶花(サザンカ)の花芽形成時期
山茶花(サザンカ)はツバキ科の常緑中木で高さが3~5mになる木です。
花期は11~1月で、今年春から伸びた枝先に花芽をつける「当年生枝タイプ」です。
山茶花(サザンカ)の花を次回も咲かせるためには、花芽形成時について知っておく必要があります
ここでは山茶花(サザンカ)の花芽形成時期について解説します。
山茶花(サザンカ)の花芽形成時期は、7月~9月頃です。
この時期に、翌年の花を咲かせるための花芽が枝に形成されます。
花芽形成のプロセス
4月~6月頃に、枝や葉が成長し栄養が蓄えられます。
この時期の剪定や施肥などが花芽形成に影響を与えます。
7月頃から、日照量や気温の影響を受けながら、花芽の分化が始まります。
特に新しい枝先や葉の付け根に花芽ができやすいです。
8月~9月頃に、花芽がしっかりと成熟していきますので、この間の栄養状態や水分管理が重要になります。
花芽形成を助けるポイント
■花が終わった後の2月~3月に剪定を済ませておきます。
■夏以降に剪定をすると、花芽が切り落とされてしまい、翌年の花数が減ってしまいます。
■山茶花は日光を好むため、混み合った枝を間引いて樹冠内に光が届くようにします。
■4月~5月頃に緩効性の有機肥料を与えることで、花芽形成に必要な栄養を蓄えやすくなります。
■夏の乾燥は花芽形成を妨げる原因になるため、適切な水やりを心がけますが、水の与えすぎによる根腐れに注意してください。
山茶花(サザンカ)の剪定時期
山茶花は、春から伸びた新梢が6月ころに生長が止まり、その充実した枝の先端とそれに続く葉腋に花芽を形成する習性があります。
山茶花は、秋から冬にかけて花を咲かせるため、開花が終わった直後が剪定の最適なタイミングです。
この時期に剪定することで、花芽が形成される夏以降までに新しい枝を伸ばすことができます。
山茶花(サザンカ)の花をたくさん咲かせる適切な剪定時期は、花が咲き終わった直後の2月~4月頃がベストな時期になります。
この時期には、軽く透かす剪定や刈り込みを行い、花芽への影響もなく安心して剪定ができます。
2回目に行なう剪定は、9~10月頃に徒長して樹形を乱す枝を間引いたり、軽く刈り込み等を行い形を整えます。
避けたほうがよい剪定時期
■7月以降は翌年の花芽が形成される時期です。
■この時期に剪定を行なうと花芽を切り落としてしまい、翌年の花が減ってしまいます。
■気温が極端に低い時期や高い時期は植物にストレスを与えるため、剪定は避けたほうがよいです。
山茶花(サザンカ)の剪定方法
■枯れ枝や病害虫による被害にあった枝を枝元から切り落とします。
■混み合った部分の枝を間引き、風通しを良くすることで病害虫を防ぎます。
■内向きに生えている枝・交差している枝・弱々しい枝を除去します。
■山茶花は自然な樹形が美しいため、無理に形を変える必要はありません。
■外側に飛び出した枝や、形を乱している枝を切り戻し、全体のバランスを整えます。
■樹木の大きさを抑えるために、枝の長さを調整します。
■新しい芽がある場所(葉芽)を確認し、その少し上を切ります。
■切る長さは枝全体の1/3以内にとどめるとよいです。
■古くなった枝を根元から剪定し、新しい枝の成長を促します。
■更新剪定は一度に行うと樹木に負担をかけるため、数年に分けて少しずつ行います。
具体的な剪定方法
山茶花は萌芽力が旺盛な木なのでいろいろな樹形に仕立てられ、単体で円筒形に仕立てられたり生垣などにも用いられます。
山茶花の剪定をする場合、樹形を乱す徒長枝や混みあっている部分の弱い小枝、からみ合ったふところ部分に生えた枝の間引きや切り戻しを行いますが、あまり透かしすぎないように心がけてください。
調子に乗って大枝を間引きすぎるとその部分がぽっかり穴があいたように枝葉がなくなる恐れがあり元の姿に戻りにくいです。
9~10月頃に同時に行なう手入れ方法として、花の数を調整する蕾を摘む作業をして生長を調整するとよいです。
特に若木の場合は花をつけすぎると気が弱ってしまい、生長が遅れてしまいますので、花芽と葉芽の区別ができる9月ころに蕾をとって生長を調節すると美しく立派な花に育ちます。
山茶花を刈り込みむ場合は、4月から6月と 9月から10月の年2回刈り込みますが、この場合、ふところ部分の不要枝を切り取ってから樹冠にそって刈り込むと作業が楽に行なえます。
秋に強く刈り込むと花芽も一緒に刈るので、初冬には花が咲きませ。その場合軽い徒長した枝を切る程度にとどめてください。
山茶花につく害虫
山茶花につく害虫としては、芽の伸びるころからチャドクガの幼虫が発生します。
葉を食い荒すばかりでなく体に毒を持っているので、素手や皮膚などが触れるとかぶれるので気を付けなければいけません。
チャドクガの駆除はスミチオンやディプテレックスを月2回ほど散布するとよいです。