ライラックの花を咲かせる剪定時期と剪定方法

ライラックは、日本では北海道によく植えられているように、ライラックの原産地も冷涼な東南ヨーロッパ地域です。

関東以南での栽培は難しいと言われていますが、暖い地域向きに改良された品種もあるようです。

ライラックの別名は、いろいろあり次の通りです。
和名:ムラサキハシドイ(紫丁香花)
英名:ライラック(Lilac)
フランス名:リラ(Lilas)
中国名:チンシャン(丁香)

ここでは、ライラックの花を咲かせる剪定時期と剪定方法について解説します。

ライラックの花が咲く過程

ライラックの花を咲かせるためには、花芽の形成時期を知っておき、適切な時期に花芽をなくさない剪定をする必要があります。

ここでは、ライラックの花芽が形成されて、花が咲き、実が成るまでの過程について解説します。

花芽形成時期

ライラックの花芽は、前年の7月から9月頃の夏から秋にかけて、春から伸びた枝の先端に、2~3芽の花芽を形成します。

7月から8月頃に花芽の分化が始まり、秋には成長がほぼ完了します。
休眠状態で冬を越して、春になると開花をはじめます。

花芽ができた秋以降に剪定すると、翌年の花が咲かなくなることがあるため、剪定をする場合は、花後すぐの6月頃に行うのがよいです。

花が咲く時期

ライラックは、モクセイ科ハシドイ属の落葉低木で、甘い香りのする花を咲かせます。

ライラックの開花時期は 4月から6月頃ですが、地域によっても異なります。

関東以南の温暖な地域では、4月下旬から5月中旬頃。北海道や東北などの寒冷地では、5月中旬から6月上旬頃です。

開花は気温に大きく左右され、春の気温が高いと早咲きになり、寒いと遅れる傾向があります。

ライラックに実は成るの?

ライラックには、花が咲き終わった後の6月から7月頃に細長い実(蒴果)ができます。

実の中には 2から4個の種子が入っており、秋に熟します。ただし、日本では結実しにくい品種もあり、実がつきにくいこともあるようです。

ライラックの実は観賞価値はあまりなく、種から育てるのも時間がかかるため、一般的には挿し木で増やすのが主流です。

ライラックの剪定時期

ライラックは落葉樹なので葉が落ちた冬期の剪定がベストです。

ライラックの花芽は、前年の7月から9月頃の夏から秋にかけて、春から伸びた枝の先端に、2~3芽の花芽を形成します。
次の年の春に咲く花の準備が、7月頃から始まっているので、花が終わった直後の、6月上旬頃までに軽く剪定しておくとよいです。

6月上旬頃までに剪定した後の、新しく伸びた枝に、来春に咲く花芽が準備されるので、花を咲かせたいのなら、秋頃から翌春までの強い剪定は極力しない方が良いです。

ライラックの剪定を行なうのに良い時期は、大きく2回あります。
■落葉樹なので葉が落ちた冬期の剪定がベストです。
■花が終わった直後の、6月上旬頃までに伸びた枝葉を軽く剪定する。

花を咲かせる剪定方法

ライラックの花芽は、前年の春から伸びた充実した枝の先端の2~3芽につくので、花を咲かせるには花後の剪定が必要です。

枝が密生していない場合は、花の咲き終わった枝を切る程度でよく、地際から伸びる徒長枝やひこばえは早めに確実に切り取ります。

高さを抑えたり枝を間引くなら花後すぐに切り詰め、充実した枝が広がるような剪定をしましょう。

冬期の剪定方法

秋頃から翌春までの冬期の剪定では、混み入っている枝や徒長した不要な枝は切ったほうが良いです。樹形を乱した枝、立ち枝を切り取り、混んでいるところは、長い枝を間引き、枝数を減らすようにします。

ライラックが若い時は特別な剪定はしないで放置しても良いのですが、年を経るうちに横方向へ広がって大きくなり枝も繁茂します。樹形の整いやすい木ですが、落葉期には不要な枝を整理して、樹冠の中までまんべんなく日が当たるようにします。

枝が混みすぎ樹形が大きくなった場合は、一定の高さと幅を保つために剪定します。小さい庭では枝葉を抑え、枝を広げないように整枝します。

ライラックには、カイガラムシが発生するときがありますので、冬のうちに石灰硫黄合剤を散布して予防しておくと良いです。