ライラックの花を咲かせる剪定時期と剪定方法

はじめに

ライラックは、春に甘い香りの花を、ふわっと咲かせる、モクセイ科の落葉低木です。和名を「ムラサキハシドイ(紫丁香花)」といい、フランスでは「リラ」の名で親しまれています。北海道のシンボルのような木で、紫や白、ピンクの花房が、初夏の庭を彩ってくれます。

ライラックは、もともと涼しい地域が原産の木です。関東より南の暖かい地域では育てるのが少し難しいといわれますが、暑さに強い品種も出てきていますので、上手に付き合えば、各地で楽しめます。

このページでは、ライラックの剪定について、「いつ切るのか」「どう切るのか」という基本はもちろん、「切りすぎてしまったときの直し方」「かかりやすい病気や害虫」「使うと楽な道具」「切った枝の捨て方やご近所マナー」まで、まるごと解説していきます。

なぜ、ここまで盛りだくさんにお伝えするのか。理由は、ライラックの剪定で困っている方の多くが、「時期と方法」だけを調べても、結局その先で立ち往生してしまうからです。とくにライラックは、「剪定の時期を間違えると、ぱったり花が咲かなくなる」という、初心者がつまずきやすいポイントがある木なのです。

ですから、このページを上から順に読んでいただければ、ライラックの剪定に関する不安は、ひとつ残らず解消できるはずです。どうぞ、ゆっくり読み進めてくださいね。

ライラックの木の特徴を知ろう

ライラックの剪定で、いちばん大切なこと。それは、「花の芽が、いつ、どこにできるのか」という、花のつき方のルールを知ることです。

なぜなら、このルールを知らずに切ると、せっかくの花の芽を、まるごと落としてしまうからです。ライラックは、剪定の時期をひとつ間違えただけで、翌年の花がゼロになることもある、デリケートな一面を持っています。だからこそ、まずこの仕組みを、しっかり頭に入れてください。

ライラックの花の芽(花芽)は、その年の春から伸びた、充実した枝の「先端」に作られます。できる時期は、前年の7月から9月ごろ、つまり夏から秋にかけてです。枝の先のほうに、2つから3つの花の芽が、ちょこんと用意されます。

そして、その芽は、休眠して冬を越し、春になると花を咲かせます。花が咲くのは、4月から6月ごろです。暖かい地域では4月下旬から5月中旬ごろ、北海道や東北などの寒い地域では、5月中旬から6月上旬ごろになります。春の気温が高いと早く、寒いと遅れる傾向があります。

ここで、いちばん大事なポイントです。花の芽は「枝の先端」にできます。ということは、秋から春にかけて、枝の先をうっかり切ってしまうと、その先にあった花の芽も、いっしょに切り落としてしまうのです。これが、「剪定したら花が咲かなくなった」という、よくある失敗の正体です。だからこそ、ライラックの剪定は「花が終わった直後」に行うのが、いちばん安全なのです。この点は、次の章でさらにくわしく説明します。

■ライラックに実はなるの?

ライラックは、花が咲き終わったあとの6月から7月ごろに、細長い実(蒴果・さくか)をつけることがあります。実の中には、2つから4つの種が入っていて、秋に熟します。

ただし、日本では実がつきにくい品種も多く、あまり実を見かけないこともあります。ライラックの実は、見て楽しむほどのものではなく、種から育てるのも時間がかかります。ですから、ライラックを増やしたいときは、種ではなく「挿し木」で増やすのが一般的です。実については、「つくこともある」くらいに、気軽にとらえておけば大丈夫です。

ライラックの剪定時期

ライラックの剪定に、いちばん適した時期は、ずばり「花が咲き終わった直後の、6月上旬ごろまで」です。あわせて、葉が落ちた冬の時期にも、軽い剪定ができます。

なぜ、花後すぐがベストなのでしょうか。理由は、さきほど説明したとおり、ライラックの花の芽が、夏(7月ごろ)から作られ始めるからです。花が終わってから、新しい花の芽ができるまでの「すきま」の時期に剪定すれば、花の芽を落とす心配がありません。逆に言えば、このタイミングを逃すと、花の芽を切るリスクが、ぐんと高まるのです。

くわしく説明しますね。ライラックは、花が咲き終わると、すぐに次の年の花の準備を始めます。6月上旬ごろまでに剪定をしておけば、そのあと新しく伸びた枝に、来年の花の芽が、ちゃんと準備されます。「花が終わったら、早めに切る」。これが、毎年花を楽しむための、いちばんの合言葉です。

もう一つの時期、葉が落ちた冬の剪定も可能です。落葉樹なので、葉のない冬は枝の形が見やすく、混み合った枝や、枯れ枝を整理するのに向いています。ただし、冬に枝の先を切りすぎると、すでにできている花の芽を落としてしまうので、冬は「混み合った枝を間引く」程度にとどめ、枝の先をバッサリ切るのは避けてください。

まとめると、こうなります。本格的に形を整えたいなら、花後すぐ(6月上旬まで)。混み合った枝の整理だけなら、冬。そして、花の芽ができる秋から、花が咲く春までの「強い剪定」は、できるだけしない。これを守れば、毎年、甘い香りの花を楽しめますよ。

ライラックの剪定方法

ライラックの剪定は、「充実した枝の先(花の芽がつくところ)を活かしながら、混み合った枝や、根元から出る余計な枝を整理する」のが基本です。

なぜなら、ライラックは、若いうちは自然に形が整いますが、年を取るにつれて、横に大きく広がり、枝が混み合ってくるからです。混み合うと、木の中まで日が届かず、花つきが悪くなります。だから、風通しと日当たりを良くするために、間引いてあげる必要があるのです。

■花後すぐの剪定(メインの剪定)

花が咲き終わったら、まず、咲き終わった花房(花がら)を、切り取ってあげましょう。これを「花がら摘み」といいます。咲き終わった花をそのままにしておくと、木が種を作ろうとして、余計な栄養を使ってしまいます。花のすぐ下で切り取ってあげると、その栄養が、来年の花の芽づくりに回るので、花つきが良くなります。

枝があまり混んでいない場合は、この花がら摘みと、伸びすぎた枝を軽く整える程度で十分です。高さを抑えたいときや、枝を間引きたいときも、この花後すぐのタイミングで行います。充実した枝が、バランスよく広がるように、整えてあげましょう。

■地際から出る「ひこばえ」は早めに切る

ライラックの剪定で、忘れてはいけないのが、「ひこばえ」の処理です。ひこばえとは、木の根元(地際)から、ひょろひょろと伸びてくる、細い枝のことです。

このひこばえを放っておくと、木の栄養がそちらに取られて、肝心の花つきが悪くなります。見つけたら、早めに、確実に、根元から切り取ってください。ひこばえは、油断するとどんどん出てくるので、こまめにチェックするのが、元気な木を保つコツです。

■冬の剪定方法

葉が落ちた冬には、木の骨組みを整える剪定をします。まず、混み合っている枝や、まっすぐ上に勢いよく伸びた徒長枝、樹形を乱している枝、立ち枝などを切り取ります。混んでいるところは、長い枝を付け根から間引いて、枝の数を減らします。

ライラックは、年を取ると横に広がって大きくなるので、小さなお庭では、一定の高さと幅を保つように、枝を整理します。木の中まで、まんべんなく日が当たるようにしてあげると、花つきが良くなります。ただし、何度も言うように、冬は枝先の花の芽を切らないよう、間引き中心にしてくださいね。

■忙しい人向け・15分でできるズボラ剪定

「完璧に整えるのは難しそう」「そんなに時間をかけられない」。そんな方のために、これだけやればOK、という「ズボラ剪定」のコツをお伝えします。

結論から言うと、忙しいときは、花が咲き終わったあとに、「咲き終わった花房」と「根元から出るひこばえ」の、二つだけ切れば十分です。

なぜこれでよいかというと、この二つを切るだけで、木の栄養が来年の花にしっかり回り、見た目もすっきりするからです。難しい樹形づくりは、後回しでかまいません。

具体的な手順はこうです。花が終わったら、茶色くなった花房を、花のすぐ下のところで切り取っていきます。次に、木の根元を見て、ひょろひょろ生えているひこばえを、根元から切ります。これで終わりです。慣れれば15分で終わりますし、これだけで、来年の花つきは、ぐっと良くなりますよ。「完璧な形」より「花がたくさん咲く」を優先する、かしこいやり方です。

切りすぎた・時期を間違えた!失敗したときのリカバリー

もし剪定で失敗してしまっても、あわてないでください。ライラックは丈夫な木なので、たいていの失敗は、時間が解決してくれます。

なぜなら、木には「自分で立ち直ろうとする力」が、もともと備わっているからです。切りすぎたり、時期を間違えたりしても、すぐに枯れてしまうことは、めったにありません。大切なのは、失敗したあとに、よけいなことをして、さらに木を弱らせないことです。

■切りすぎて、スカスカ・坊主にしてしまった場合

「切りすぎて、枝がスカスカになってしまった」「うっかり坊主みたいにしてしまった」。そんなときは、まず、それ以上は切らないことが大切です。

そして、やってほしいのは「待つこと」です。ライラックは、強く切られると、その刺激で、新しい芽を出そうとします。とくにライラックは、根元からひこばえを出して、自分で再生しようとする力が強い木です。一年から二年もすれば、新しい枝が伸びてきて、少しずつ姿を取り戻していきます。

あせって肥料をどっさり与えるのは、逆効果なので避けてください。弱った木に栄養を急に与えると、かえって負担になります。寒い地域なら、雪や寒さから守るために、根元にわらを敷くなどして、木をいたわってあげましょう。あとは、木の回復力を信じて、待ってあげてください。

■時期を間違えて、秋や冬に枝先を切ってしまった場合

「知らずに、秋や冬に、枝の先をバッサリ切ってしまった」。この場合、残念ながら、来年の花は、ほとんど咲かない可能性が高いです。なぜなら、枝の先にあった花の芽を、切り落としてしまったからです。

でも、がっかりしないでください。これは、木が枯れるような失敗ではありません。花が一年お休みするだけで、再来年には、また元気に咲いてくれます。むしろ、ここで「やってしまった」と落ちこんで、追加で何かをするほうが危険です。間違えて切ってしまったあとは、もう何もせず、新しい枝が伸びて、夏に花の芽がつくのを待つのが正解です。そして、来年からは「剪定は花が終わった直後だけ」と覚えておけば、もう失敗しません。失敗は、次に活かせばよいのです。

ライラックがかかりやすい病気と害虫

ライラックを健康に保つには、剪定で「風通し」を良くしておくことが、何よりの予防になります。

なぜなら、病気や害虫の多くは、枝が混み合って、風が通らないジメジメした場所を好むからです。逆に言えば、剪定でスカッと風が通る木にしておけば、病害虫はぐっと減ります。剪定と病害虫対策は、いつもセットなのだと覚えておいてください。

■気をつけたい害虫

ライラックで、いちばん気をつけたい害虫は、カイガラムシです。

カイガラムシは、枝に、白っぽい、または茶色っぽい小さな粒のようなものが、びっしりつく害虫です。木の汁を吸って弱らせるうえ、これが原因で「すす病」という、葉や枝が黒くすすけたようになる病気を引き起こします。ライラックには、このカイガラムシが発生しやすいので、注意が必要です。

予防には、冬のうちに「石灰硫黄合剤(せっかいいおうごうざい)」という薬を散布しておくと効果的です。すでについてしまったカイガラムシは、使い古しの歯ブラシなどで、こすり落とすのが手軽です。数が多い場合は、専用の薬剤を使いましょう。

このほか、新芽にアブラムシがつくこともあります。アブラムシも木の汁を吸い、すす病の原因になるので、見つけたら早めに対処してください。

■気をつけたい病気

病気では、さきほど触れた「すす病」のほか、葉に白い粉をふいたようになる「うどんこ病」や、葉に斑点ができる病気などがあります。これらも、ほとんどが、風通しの悪さや、害虫の発生が引き金になります。

早期発見のサインとしては、「葉や枝が黒くすすけてきた」「葉が白っぽく粉をふいたようになった」「葉に斑点が出てきた」「枝に白い粒がついている」といった変化です。水やりのときなどに、ちらっと葉や枝を見る習慣をつけておくと、早めに気づけます。病気の枝や葉は、早めに切り取って処分し、木全体に広がるのを防ぎましょう。

ライラックの剪定におすすめの道具

ライラックの剪定には、「よく切れる剪定ばさみ」があれば、ほとんどの作業ができます。太い枝には「剪定用のノコギリ」を用意しておくと安心です。

なぜ、道具にこだわるかというと、切れ味の悪い道具は、枝の切り口をつぶしてしまい、そこから病気が入りやすくなるからです。スパッときれいに切れた切り口は、木の治りも早く、見た目もきれいです。道具は、木の健康に直結する、大切なものなのです。

■剪定ばさみ

ライラックは、枝がそれほど太くならない低木なので、剪定の主役は、剪定ばさみになります。花がら摘みも、ひこばえ切りも、混み合った枝の間引きも、ほとんど剪定ばさみ一本でこなせます。

剪定ばさみは「おの義」のものがおすすめです。なぜなら、切れ味がよく、手になじみやすく、長く使えるからです。切れ味のよいハサミは、軽い力でスパッと切れるので、手の力が弱くなってきた方でも、疲れにくく作業できます。ライラックの細かい枝や花がらを、たくさん切る作業でも、疲れにくくて助かります。

■ノコギリ

ライラックも、年を取って幹が太くなると、剪定ばさみでは切れない太い枝が出てきます。親指より太い枝を切るときは、無理にハサミで切ろうとせず、剪定用のノコギリを使いましょう。無理にハサミで太い枝を切ると、ハサミが傷みますし、切り口もつぶれてしまいます。折りたたみ式のノコギリが、収納に便利です。

■石灰硫黄合剤・噴霧器

ライラックはカイガラムシがつきやすいので、冬の予防散布のために、「石灰硫黄合剤」と、それをまくための「噴霧器(ふんむき)」があると便利です。冬の間に予防しておくと、春からの害虫の発生を、ぐっと抑えられます。

■作業後の道具の手入れ

作業が終わったら、道具のお手入れも忘れずに。ハサミやノコギリの刃についた汚れや樹液を、布でよく拭き取ります。汚れたまま放っておくと、サビたり、切れ味が落ちたりします。

とくに、病気の枝を切ったあとは、刃をきれいに拭いて、消毒用のアルコールなどでふいておくと安心です。汚れた刃で次の枝を切ると、病気をうつしてしまうことがあるからです。最後に、刃に薄く油をぬっておくと、サビ止めになって、長持ちします。道具を大切にすると、道具も長く、よく働いてくれますよ。

切った枝の処分とご近所マナー

剪定で出た枝葉は、お住まいの自治体のルールに従って、「燃えるゴミ」として出すのが、いちばん手軽で安く済む方法です。

なぜなら、業者に処分を頼むとお金がかかりますが、自分でゴミに出せば、基本的に無料か、わずかな費用で済むからです。ただし、出し方には少しコツがあります。

■枝を楽にゴミに出すコツ

多くの自治体では、太い枝は「長さを切りそろえて、ひもで縛る」というルールがあります。たとえば「50センチ以下に切って、ひもでしばって束にする」といった具合です。お住まいの地域のルールは、自治体のホームページや、ゴミ収集カレンダーで確認してください。

ライラックは低木なので、出るのは細い枝や、花がら、葉っぱが中心です。これらは、ゴミ袋に入れて「燃えるゴミ」に出します。袋がパンパンにならないよう、足で軽く踏んで、かさを減らすと、袋の数が減って経済的です。花がらは、量が多いと、しおれてかさが減るので、少し乾かしてから袋に詰めると、コンパクトになります。

一度に大量に出てしまった場合は、何回かの収集日に分けて、少しずつ出すと、近所迷惑になりません。

■お隣にはみ出した枝のマナー

ライラックは横に広がる木なので、枝が、お隣の敷地にはみ出してしまうことがあります。このとき、トラブルにならないための、大切なマナーがあります。

それは、「自分の判断で、勝手にお隣の敷地のほうへ手を伸ばして切らない」ことです。はみ出した枝も、あくまで自分の木のものです。いちばんよいのは、はみ出す前に、こまめに自分の敷地側から剪定して、枝を広げすぎないことです。

それでもはみ出してしまった場合は、「枝がそちらに伸びてしまってすみません、切らせていただきますね」と、ひとこと声をかけてから作業すると、おたがい気持ちよく過ごせます。ライラックは香りの良い花を咲かせる木なので、お隣にも喜ばれることが多いですが、花がらや落ち葉が飛んでいくこともあるので、その点に気を配ると、ご近所づきあいが円満になります。

自分でやる限界と、業者に頼む目安

ライラックは低木なので、多くの場合は自分で剪定できますが、「大きくなりすぎた古木」や「高い場所の作業」になると、無理をせず、プロの植木屋さんに頼むことをおすすめします。

なぜなら、高い場所での作業は、転落の危険が大きいからです。お庭の手入れは、楽しみのためにするもの。それでケガをしては、元も子もありません。とくに年齢を重ねると、脚立の上でのバランスは取りにくくなります。命にかかわることですから、引き際を知ることが大切です。

■こんなときは、プロに頼みましょう

具体的に、次のような場合は、プロに任せたほうが安全で確実です。

ひとつ目は、長年放置して、木が大きく育ちすぎ、脚立に乗っても手が届かない高さになってしまったとき。高所での作業は危険ですし、大きな木を切り戻すのは、重労働です。

二つ目は、幹の芯が腐っていたり、根元にキノコが生えていたりするとき。木が中から弱っているサインかもしれず、専門家に見てもらったほうが安心です。

三つ目は、「花が咲かなくなって、何が原因かわからない」とき。剪定の時期、日当たり、病害虫など、原因はいくつも考えられます。プロに見てもらえば、原因を見つけて、よみがえらせる手入れを教えてもらえます。

四つ目は、「どう切ればいいか、まったくわからなくて不安」なとき。無理に自己流でやって木をだめにするより、一度プロに頼んで、ついでに切り方を教わるのも、賢い方法です。

プロに頼むのは、決して「負け」ではありません。自分の身を守り、大切な木を守るための、かしこい選択です。できる範囲は自分で楽しみ、危ない部分や難しい部分はプロに任せる。この線引きが、ライラックと長く付き合う、いちばんのコツです。

ライラックの剪定・よくある質問Q&A

最後に、ライラックについて、よく寄せられる質問に、お答えしていきます。

Q1. 花が咲かないのは、剪定のせいですか?

その可能性が高いです。ライラックの花の芽は、枝の先端につきます。秋から春にかけて枝先を切ると、花の芽を落として、花が咲かなくなります。剪定は「花が終わった直後(6月上旬まで)」に行うようにしてみてください。また、日当たりが悪い、根元のひこばえに栄養を取られている、という場合も、花が咲きにくくなります。

Q2. いつ剪定すれば、いちばん安全ですか?

花が咲き終わった直後、6月上旬ごろまでが、いちばん安全です。この時期なら、新しい花の芽がまだできていないので、花の芽を切る心配がありません。「花が終わったら、すぐ切る」と覚えておけば、失敗しません。

Q3. 根元から細い枝(ひこばえ)がたくさん出ます。切っていいですか?

はい、切ってください。根元から出るひこばえは、木の栄養を取ってしまい、花つきを悪くします。見つけたら、早めに根元から切り取りましょう。こまめに取り除くのが、元気な木を保つコツです。

Q4. 関東より南でも育てられますか?

ライラックは涼しい地域が原産なので、暖かい地域では、少し育てにくいです。ただ、最近は暑さに強い品種も出ているので、そうした品種を選び、夏の西日を避けた、風通しの良い場所に植えると、暖地でも楽しめます。夏越しが、いちばんの関門です。

Q5. 剪定する前に、お神酒(おみき)をあげたほうがいいですか?

これは、昔からの心づかいとして、とても素敵なことです。木に感謝し、「これから切らせてもらいますね」という気持ちで手を合わせる。そうした心持ちで作業をすると、自然とていねいな剪定になるものです。気持ちが向くなら、ぜひやってみてください。木を大切に思う気持ちは、必ず良い手入れにつながります。

Q6. 切り口に、薬は塗ったほうがいいですか?

細い枝なら、とくに何も塗らなくても大丈夫です。ただ、直径3センチを超えるような太い枝を切ったときは、切り口から雑菌や病気が入るのを防ぐため、市販の「癒合剤(ゆごうざい)」を塗っておくと安心です。切り口にフタをして、木の傷の治りを助けてくれます。

Q7. ライラックを増やしたいのですが、どうすればいいですか?

ライラックは、種から育てると時間がかかるので、「挿し木」で増やすのが一般的です。剪定したときに出た、元気な枝を使って挑戦できます。また、根元から出たひこばえを、根ごと切り分けて植える方法もあります。花後の剪定とあわせて、増やしてみるのも楽しいですよ。

ライラックは、剪定の時期さえ守れば、毎年、甘い香りの花で、私たちを楽しませてくれる木です。このページを参考に、ぜひ、初夏のリラの花を、長く楽しんでくださいね。

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