ボケの花を咲かせる剪定時期と剪定方法

剪定をしないで放っておいたお宅のボケの花はきれいに咲いていることが多いです。

花を見たいのであれば放っておくのが一番良いですが、樹勢が強い木なので放っておくと枝葉が伸びやすく、見栄えが悪くなります。

ここでは、来年も花を咲かせられるようなボケの剪定時期と剪定方法について解説します。

ボケの花芽が形成されるための条件

ボケの花芽形成に関する条件について説明します。

花芽が形成されるためには、次のような環境条件や管理が必要です。

1. 光条件
■ボケは日当たりを好む植物なので、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てると、花芽がつきやすくなります。
日照が不足すると、枝葉ばかりが茂り、花芽がつきにくくなります。
■半日陰で育てている場合は、できるだけ明るい場所に移動しましょう。

2. 栄養バランス
■窒素肥料が多すぎると枝葉ばかりが成長し花芽が付きにくくなるので、栄養状態が適切であることが重要です。
■花後(5~6月)は、リン酸やカリウムが多い肥料を施すことで、花芽形成が促進されます。
■休眠期前(10月頃)には、緩効性肥料を施し、翌年の花芽の発達を助けます。

3. 剪定のタイミング
■剪定時期が遅れると、花芽が形成される枝を切り落としてしまう可能性があります。
花後(5~6月)に適切に剪定することで、花芽がつく枝を確保できます。

4. 樹齢と枝の状態
■花芽は若い枝(その年に伸びた枝)につきやすいです。
■古い枝よりも新しい枝が元気に育つように、更新剪定を行うことが大切です。
■樹齢の高い枝ばかり残すと、花付きが悪くなります。

5. 水やりと湿度管理
■適切な水やりが重要です。
■乾燥しすぎると花芽形成が妨げられるため、梅雨明け後の乾燥期には注意が必要です。
■湿気が多すぎると根が傷むため、排水性の良い土壌で育てることも重要です。

花芽形成には適切な環境と管理が欠かせません。
これらを守ることで、翌年も美しいボケの花を楽しむことができます、

ボケの花芽はいつできる?

ボケの開花時期は3月頃~5月上旬頃です。

ボケの花芽は、前々年の伸びた枝につけて、春に花を咲かせる「前々年生枝タイプ」です。

たとえば、来年の春に花が咲く場合今年伸びた枝に花芽ができるのではなく、去年伸びた枝に花芽ができるという事になります。

少しややっこしいようですが、通常ほかの木の花は、今年伸びた枝に花芽がついて、来年の春に花が咲く「前年生枝タイプ」が多いのですが、ボケの場合は、それよりも1年前の枝に花芽がつくという事です。

ボケ 剪定

なので、今年伸びた枝を切ったとしても、その前の年の短い枝に花芽が出来ていれば花は少し見れる可能性はあるという事です。

だから、常に伸びた分の枝を切る剪定を行なっていると、いつの日にか、花芽が少なくなっている可能性はあります。

花芽が出来てからその枝葉をバッサリと切るような剪定を常に行なってしまうと、花芽をすっかりなくしてしまうことになります。
そのため、次の年の春にボケの花を咲かせるには、花芽がいつ形成されるのか方を知っておく必要があります。

花芽のつき方は、一昨年伸びた枝に、その次の年の8月~9月頃に、その枝の元部の枝葉が伸びた部分に花芽が形成されます。

写真の赤線の位置から先が今年伸びた枝だとすると、赤丸の位置に、今年ではなく次の年の8月~9月頃に花芽がつきます。

ボケ 剪定

そして花芽がついたその次の年の春にその位置に花が咲きます。

ボケ 剪定

花芽が形成される時期のまとめ

ボケの花芽形成は、以下の時期に集中します。

■花芽は、花が終わった後から夏にかけて(5~8月)形成されます。
■6~7月に新芽が伸び、その新芽の先端や節にその年ではなく、次の年に花芽がつきます。
■夏に形成された花芽は、秋から冬にかけて成熟します。
■冬の間に花芽がしっかりと育ち、春先に花を咲かせる準備を整えます。

花芽形成のタイミング

花芽形成のタイミングについて具体的に解説します。

例えば、ボケを今年の冬(2月)に剪定したとします。
その場合、その剪定を終えた年の6月から伸びた枝に花芽が形成されるのはいつか?

ボケの場合、冬(2月)に剪定して伸びた枝に花芽が形成されるのは、
その年ではなく、そのまた次の年の6~8月頃です。

■2月の冬の剪定で、古い枝や不要な枝を取り除き、春に新しい芽が出てきます。
この新芽が、次の年の花芽形成の主な候補となります。
■6月頃から新芽が伸び始めますが、この新芽の節や先端部分が次の年の花芽形成の重要な場所になります。
■花芽形成の開始(6~8月)
前年に伸びてある程度成長した枝に、6月以降、7~8月にかけて花芽が形成されます。
この期間に十分な日光や栄養、適度な水分が確保されると、翌春の開花に向けた花芽がしっかりと作られます。
■花芽の成熟(秋~冬)
前年に伸びた枝に、夏に形成された花芽は、その後の秋~冬(9~12月)にかけて成熟し、休眠状態に入ります。
翌春(3~4月頃)には、やっとこれらの花芽が開花します。

花芽形成のタイミングのまとめ

冬(2月)に剪定した後、6月以降に伸びた枝に花芽が形成されるのは「今年ではなく」「翌年」の6~8月です。

つまり、2月に剪定して6月から新芽が伸びた場合、その枝には「翌々年の春」に花が咲く可能性が高いということです。

花芽形成の条件を整えるために、新芽が形成される6~8月に十分な日当たりと栄養を与えることが重要です。

特にリン酸やカリウムを含む肥料を適切に施しましょう。

剪定が遅すぎると新芽が短くなり、花芽が十分に形成されないことがあります。

適切な栄養と日照管理を心掛けることで、より多くの花芽を育てることができます。

ボケの花を咲かせる剪定時期はいつがよいか

ボケは、11月以降になると花芽を確認できます。

ボケ 剪定

ボケは萌芽力が旺盛な木なので、枝葉が伸びてうっとうしくなった頃の夏ころに剪定をされる方が多いようです。

花芽は前の年に伸びた枝につき、今年伸びた枝にはつかないので、バッサリと短く切っても来年の花芽には影響が少ないかもしれません。しかし、問題はその次の年の開花に関してです。

夏になるとグングン枝葉が伸びると思いますが、今年伸びた分をすっかり切ってしまうと、来年に花芽ができるはずの枝がないという事になるわけです。

なので、今年伸びた枝に来年花芽をつけるためには、今年枝が伸びたとしてもバッサリと短く切るような剪定はしないで、今年伸びた枝を半分残すとか、適度に短く残すことをおすすめします。

それが夏に行なえる剪定方法です。

ボケ 剪定

ボケは落葉樹ですので、本来は葉が落ちた冬に行なうのがベストです。

そのほうが、花芽も確認できるし、樹勢にも影響が出ることがありません。
切った後で再びボウボウと伸びることもありません。

11~2月の剪定時期に行うと良い点は、落葉したことで内部の混み入ったところまで確認しながら、重なった枝などを切り取れます。

ボケの花を咲かせて楽しむための剪定時期は、花芽がわかりやすく、花芽も落とさずにすむ葉が落ちてからの11月すぎが最も良い時期ということです。

ボケの花を咲かせる剪定時期のまとめ

ボケの剪定には、以下の2つのタイミングがありますが、それぞれ目的が異なるので注意してください。

花後剪定(5~6月頃)

■花後剪定の目的は、花が終わった後に次の花芽を形成させるためです。
■花が終わった直後の5~6月頃に行うことで、新しい花芽が作られやすくなります。
■ボケの花芽は、その年の春から夏にかけて作られるため、剪定が遅れると翌年の花付きが悪くなる可能性があります。

冬期剪定(12~2月頃)

■冬期剪定の目的は、樹形を整えたり、枯れ枝や不要な枝を取り除くためです。
■落葉期に行うことで、枝の状態がよく見え、無駄な枝や病害虫の被害を受けた部分を効率的に取り除けます。ただし、この時期に花芽を切りすぎると花付きが悪くなるので注意が必要です。

ボケの花を咲かせる剪定方法

ボケは新しく伸びた今年の枝には花芽がつかずに、次の年に花芽が形成されるということをもういちど理解しておいてください。

ボケの剪定方法ですが、花が咲き終わってから伸びている枝を、適度に短く剪定することをおすすめします。

要は枝にどのくらい咲かせたいかで、残す枝の長さを決めて切るという事になります。

ボケ 剪定

ボケ 剪定

それ以外に行なう剪定作業では、樹形を整えるように先端部分は切り詰め不要な枝は枝元から切り取る作業をします。

枯れ枝や弱い枝、不要枝を整理するとともに、乱れた枝は枝が分かれた部分で切り取ります。

若くて元気のある伸びやすい徒長枝や、上に向かってからみ合っている枝を抜き取くとよいです。

一番気をつけなくてはいけないのは鋭いトゲの存在です。
ボケは、意外と鋭いトゲがあることを知らない方が多く、トゲに気づかないで枝が密集している内部に手を入れると痛い思いをすることになりますので気をつけて下さい。
意外と危険な木なので、庭に植えてあるボケは適度な剪定をして、毎年花を見れるようにしておいたほうが得策なようです。

トゲの対策として、「ゴム手袋」ではなく、「厚めの革手袋」をすると少し握ってもトゲの痛みを防げます。

ボケの木が古く大きくなった場合の剪定方法

ボケの木が古く大きくなった場合の剪定は、まず古い枝を根元から30cmくらい残して、青線の位置あたりで一度短くするように整理します。

ボケ 剪定

この時逆さ枝や、ふところ部分にある枯れ枝や弱い枝、混みすぎている部分も全て切り取り整理します。

次に高さを決め、その位置に合わせて、伸びた枝を切り詰めて樹形を整えます。

花後に伸びた新梢が樹形を乱している場合は、新梢の先端を二節くらい止める程度とします。

ボケの花を咲かせる剪定方法のまとめ

花後剪定(5~6月頃)の剪定方法

■花後の剪定(5~6月頃)では、花が終わった枝の2~3節目(下から数えて2~3芽)を残して切ります。
■古くなった枝や細い枝も適宜取り除いてやります。
■花芽がつく可能性がある部分(若い枝)を大切にして、新しい枝を残すように剪定することです。

冬期(12~2月頃)の剪定方法

■徒長枝は、他の枝より長く伸びすぎた枝を枝元から切ります。
■混み合った枝や密集している部分を間引きます。
■枯れ枝や病害虫に侵された枝を完全に取り除きます。
■樹齢の高い古い枝を適宜更新するように切ってやります。
■枝が交差している場合は、一方を切り落とし樹形を整えます。
■全体のバランスを見ながら、自然な形を保つようにします。
■剪定ばさみやノコギリを使用する場合、消毒してから使用してください。
■太い枝を切った場合は、切り口に癒合剤を塗布して病害虫の侵入を防ぎましょう。
■ボケは自然な曲線を持つ樹形が美しいので、あまり整いすぎないように意識すると良いです。
■適切に剪定することで、翌年以降も美しい花を楽しむことができます。
■剪定後は、必要に応じて追肥を行い、土壌の栄養を整えることも忘れずに行いましょう。

毎年、ボケを剪定していると、いつしか花の数が少なくなっていると感じるはずです。
花の咲かない枝葉は増えるけど、花は咲かないと感じるほど、ボケの剪定は意外と難しいのです。
ボケ 剪定

ボケの木の名の由来は何?

ボケはもともと、中国原産の落葉低木です。
日本原産の「クサボケ」は樹高が70cmほどで株立ちしやすいのが特徴です。
この2つのボケを掛け合わせて作ったのが現在日本で多く見られる「ボケ」のようです。

ボケは品種改良で生まれたものが多く、紅色や白色、黄色など種類が豊富にあり、盆栽などにもよく使用されています。

ボケ(木瓜)の名前の由来にはいくつかの説があり、以下のような興味深い歴史や文化的背景が存在します。

木瓜という漢字からの由来

「ボケ」という名前は、木瓜(もっけ・もけ)という漢字が変化して生まれたとされています。
「もけ」→「ぼけ」と音が変化して現在の呼び名になったとされています。

木瓜(もけ)の意味は、「瓜」は果実が瓜(ウリ)に似た形をしていることから来ています。
ボケの実が楕円形で、瓜のような形をしているため、この名前がついたと考えられています。

花や実の形状からの由来

ボケの実が熟したとき、外皮が少しぼやけたような質感になるため、「ボケ」という名前がついたとする説もあります。
また、花が少し霞がかったように見えることから、「ぼけ」という言葉が連想されたとも言われています。

日本語の「惚ける(ぼける)」との関係

一部の説では、「ぼける」(霞む、柔らかくなる)のような意味合いが名前に関連していると言われています。
ボケの花が咲いた景色がやわらかく感じられること。果実が熟すとやわらかくなること。など

中国から伝わった植物名の影響

ボケは元々中国原産の植物で、日本に伝わった際に中国語の名前「木瓜(ムーグア)」がそのまま漢字として取り入れられた可能性があります。
中国では、ボケは花が観賞用としても珍重され、庭木として広く栽培されていました。

家紋としての「木瓜紋(もっこうもん)」との関連

日本では「木瓜(もっこう)」の形が家紋としても使用され、縁起の良いシンボルとされてきました。
この家紋は瓜の断面に似た形をしており、ボケの名前の由来と類似点があるとされています。
木瓜紋を家紋に持つ家系では、ボケの木を庭木として植えることが多かったとも言われています。

ボケの名の由来のまとめ

ボケの名前の由来には、「木瓜」という漢字の音の変化や花や実の形状、日本語の言葉との関連、中国からの伝来など、さまざまな説が絡み合っています。
いずれにしても、自然の美しさや特徴が名前に反映されており、古くから人々に愛されてきた植物であることがうかがえます。