エゴノキの花を咲かせる剪定時期と剪定方法

エゴノキは自然な樹形が似合い、たくさんの白い花が咲く木です。
ここでは、エゴノキの花を咲かせるための剪定時期と剪定方法について解説します。

花芽形成から結実までのサイクル

エゴノキの花を咲かせるためには花芽が形成される時期を知ることで、剪定時期と方法を誤らずに切ることができます。

ここでは、エゴノキの花芽が形成される時期、開花時期、結実されるまでの過程についてについて説明します。

花芽形成時期

エゴノキの花芽は、前年の7月~9月頃に形成されます。

この時期に、翌年の春に咲く花の準備が始まります。
花芽は、葉の付け根の「葉腋」にできますが、小さくてわかりずらいです。

開花時期

エゴノキは、地域によって多少前後しますが、5月~6月頃に花が咲きます。

白く可憐な花が多数ぶら下がるように咲き、甘い香りを放ちます。
花は1週間~10日程度で散りますが、満開時にはとても美しい景観を作ります。
花は横枝から出た小枝の先端に房状に白い花を下向きに多数つけます。
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エゴノキの花の色は白色ばかりかと思いましたが、園芸品種で「ピンクチャイム」という、一見「カイドウ」に似た薄ピンク色のエゴノキもあるようです。

「ピンクチャイム」↓
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「カイドウの花」↓
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結実時期

花が終わった後に受粉が成功すると、8月~10月頃に実が成熟します。

実は楕円形で緑色ですが、成熟すると灰白色がかった色になります。
果皮にはサポニンを含み、水に入れると泡立つ性質があります。

エゴノキの実は長さ2cmほどの楕円な形をしています。
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エゴノキの特徴

エゴノキの樹高は高いもので 10mほどになるので、エゴノキを庭木として植えている場合、剪定で樹高を制限しないまま自然に放任させておくと、大きくなりすぎて手が付けられなくなります。

樹皮は赤褐色できめが細かく、一見象の足にも見えます。
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葉っぱは、先端のとがった楕円形です。
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エゴノキの漢字豆知識

エゴノキは漢字でどう書くのかと気になったので調べてみました。

そうしたら「斉墩果」と難しい字を書くようですが、そもそもこれはオリーブの漢字名のようです。

さらに調べるとエゴノキの漢字は「野茉莉」と書く事がわかりました。パソコンで「エゴノキ」と入力してみると、「野茉莉」と出てくるので間違いないかと思います。

エゴノキの剪定時期

エゴノキの剪定時期ですが、花芽ができる時期を知っておくと、剪定をしてはいけない時期を理解することができます。

エゴノキが花芽を作る分化時期は7~9月頃になります。

なので、この時期よりもあとの葉っぱが生えている時期に剪定してしまうと、来年の花芽ごと切ってしまうので花数を減らすことになります。

しかし、枝葉を大きく強く切る剪定をしないで、徒長した枝葉を間引く程度であれば問題ないかと思います。

エゴノキの剪定時期ですが、11月~3月の葉っぱが落ちた冬期の落葉時期は、木が休眠期に入っており、しかも作業がやりやすいので一番良いです。

11月~3月頃の冬の休眠期であれば、太い枝を切る強い剪定も可能ですが、エゴノキは自然に樹型が整う木なので切りすぎることは避けたいです。よっぽど太く伸びすぎた以外、特に強い剪定はいらないと思います。

尚、葉をつけた夏場の剪定は樹勢を弱めますし、花芽の分化活動にも大きく影響するのでできるだけ控えます。

花を咲かせる剪定方法

エゴノキの基本的な剪定では、枯れ枝の除去をし、細い枝や混みすぎた枝葉を切る程度にすることで、樹勢を弱めることなく、剪定による枯れも防げます。

エゴノキの手入れですが、樹形はできれば自然のままの姿がよく庭の広さに応じて、まだ伸ばせる大きさである場合には、強い剪定は必要ありません。

エゴノキの剪定は、はじめに枯れ枝を必ず除去しておくと作業が楽になります。そして、混みすぎて重なり合った枝を、枝の根元から切って間引く程度にし、できるだけ自然の樹形を保つように剪定します。

エゴノキの枝張りが強く混み過ぎると、内部や下の枝に光が届かないので、枝枯れをおこしてしまいます。

できるだけ下の枝まで光が行き届くような剪定を心がけてください。

エゴノキの剪定は自然樹形に

大きく伸びすぎた場合には剪定が必要になってきます。そして大きさを制限する場合でも自然樹形にする必要があります。

株立ちで 4、5本になっているものは太い幹を根元から切除したり、弱い枝を残して、全体を小さく整えていきます。

1本立ちで植えているものは、太くて強い枝や古い枝を枝元から切り取り、小枝や新生枝に入れ替えて姿を小さくする作業をすると良いです。

この株立ちの場合でも 1本立ちの場合でも、太い枝を切る作業になるので、11月~3月頃の落葉している休眠期に剪定します。

あまりにも大きく育ったものは、適当な大きさに切り詰めて、同時に太い枝を切断して樹勢を抑えてやる作業が必要です。

枝を切る時は、腐れる部分を考慮して、数センチ枝を残したつけ根から切り落としてください。

太い枝を夏に短く切るとこうなります。この位置は適切なので巻き込みもうまくいっていますが、夏場の強剪定は樹勢を弱くしてしまうので極力しないほうが良いです。

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