
庭に植えてあるザクロは、花や実よりも姿を優先する傾向があります。
もちろん花や実を楽しむ方もいると思います。
とは言いましても手入れをしていないザクロの木は見る価値もなくかわいそうです。
トゲがある木なので、私は剪定するのは避けたい木です。
そんなトゲのあるザクロですが、花と実をつけるには、いつどのような剪定をしたらよいのでしょう。
ザクロの花芽形成時期について
ザクロが花と実をつけるためには、「開花時期」と「花芽形成時期」を知っておく必要があります。
ここからは、ザクロの「開花時期」と「花芽形成時期」について詳しく解説します。
ザクロの開花時期
ザクロの花が咲く時期は、地域や気候条件にもよりますが、一般的には次の期間になります。
ザクロの花は、5月中旬~7月中旬に咲きます。
温暖な地域では5月頃から咲き始め、6月が最盛期となります。
涼しい地域では、開花が少し遅れて6月から7月にかけて見られることが多いです。
ザクロの花芽形成の時期
ザクロの花芽は、前年に伸びた若い枝(1年枝)に、その年の夏から秋にかけて形成されます。
具体的には以下のタイミングで花芽が発達します。
■前年の成長期に新しく伸びた枝に、7月~9月頃に花芽が形成されます。
■花芽は葉芽よりも丸みがあり、少しふくらんでいるのが特徴です。
■翌春の以降の気温の上昇とともに、これらの花芽が発達して花を咲かせます。
花芽形成と開花に影響を与える要因
ザクロの充実した良い花芽を形成するための条件には、次のようなことがあげられます。
■ザクロは日光を好むので、日当たりが良い場所で栽培すると、花芽が多く形成されます。
■前年の枝に花芽がつくため、枝を切りすぎないよう注意し、剪定時に若い枝を残すことが重要です。
■秋(9~10月頃)にリン酸を多く含む肥料を与えると花芽形成が促進されます。
開花前(春)にも追肥を行うと良いです。
ザクロの花が咲かない原因
ザクロの花が咲かない原因には次のようなことがあげられます。
■前年の花芽がついた枝を切りすぎると、花が咲きません。
■ザクロが日当たりの悪い場所で育っていると、花芽が十分に形成されないことがあります。
■肥料が足りないと花つきが悪くなり、窒素分が多すぎると葉ばかり茂り、花が少なくなることがあります。
花の特徴
ザクロの花の特徴は、鮮やかな赤色やオレンジ色の美しい花を咲かせます。
ザクロの花は主に3つの種類があります。
■両性花:実をつける花。中心部がふくらみ、雌しべが発達しています。
■雄花:受粉には役立ちますが、実をつけません。雌しべが退化しています。
■不稔花:実をつけない花です。
花が咲いた後のケア
開花後は、結実を促すために水やりを適切に行うとよいです。
特に乾燥が続くと実がつきにくくなるため注意してください。
自然受粉が難しい場合は、人工受粉を行うと実付きが良くなります。
ザクロの花は観賞価値も高く、実も楽しめるので、しっかりと管理を行って、美しい花と実を楽しんでください。
ザクロの剪定時期について
ザクロの花芽は、充実した太い枝の節から前年に伸びた若い枝(1年枝)に、その年の夏から秋にかけて形成されます。
具体的には、前年の春から成長期の間に新しく伸びた枝の先端近くに、7月~9月頃に花芽が形成されます。
剪定の際には、この花芽がつく前年に伸びた若い枝を誤って切りすぎないことが大切です。
このことを知らずに、不適切な時期に、しかも良くない剪定の仕方をしてしまうことで、ザクロの花や実が残るかどうかが決まります。
ザクロの花は、5月中旬~7月中旬に咲きますが、咲く前に伸びた枝先を切ってしまうと花数は減ることになるので避けたいです。
ザクロだけでなく冬になると葉が落ちる落葉樹は冬期の剪定が基本です。
ザクロも例外なく、葉が落ちた頃から 3月ころまでの間に、剪定を終わらせておきたいところです。
「花も実も関係ない!」という方は枯らさない剪定にならいつ切っても良いです。
剪定時期のまとめ
ザクロの主な剪定の時期は、以下の2つの時期です。
■冬期剪定(休眠期)は、12月~2月が最適です。
この時期はザクロの成長が止まっているため、木に与えるストレスが少なく行なえます。
主に枝の形を整えたり、枯れ枝や古い枝を取り除く「整枝剪定」を行います。
■夏期剪定は、6月~8月頃に行います。
これは、花や実に栄養を集中させる目的があります。
花が咲き終わった後から夏の終わりに軽い剪定をします。
花後に伸びすぎた枝や混み合った枝を軽く剪定します。
ザクロの剪定方法について
ザクロの花や実を楽しむためには、樹形を整えたり、日当たりや風通しを良くする適切な剪定が重要になります。
ここでは、ザクロの剪定方法について解説します。
基本の剪定手順
ザクロは幹からトゲのある胴ぶき、徒長枝が出やすい木です。
花を楽しむ自然樹形にするためのザクロの剪定手順として、次のような順番に行なうと楽に作業ができます。
■作業をする際に特に気をつけていただきたいのが、トゲによる被害です。
ゴム手袋や軍手ではトゲによる被害に遭うので、できるだけ痛みを軽減するために「革手袋」の使用をおすすめします。
■作業の初めに、枯れ枝や病害虫による被害枝の除去をします。
被害枝を枝元から切り落とすことで病害虫の再発生を防げる可能性が高くなります。
■内側に向かって伸びている枝や、交差している枝など、混み合った枝の整理や間引きをします。
これをすることで、日当たりや風通しが良くなり、健康な成長を促します。
■枝や幹から強く伸びる徒長枝や胴ぶきは樹勢を弱めるため枝元から切り落とします。
■枝先を詰める時は、花芽に影響が出ないように気をつけながら、小枝のあるところで切り自然樹形を維持します。
■3年以上経過した古い枝は花や実をつけにくい傾向があるため、1~2年目の若い枝を優先的に残すようにします。その際、古い枝は枝元や根元から切り落とします。
■樹高を抑えたい場合は、主要な枝の先端を切り詰めて高さを調整します。
■ザクロは前年に伸びた枝に花芽をつけるため、剪定しすぎると花や実が減る原因になります。
■花芽はふくらみが大きく丸みを帯びているので、これを誤って切らないよう注意してください。
もしかしたらザクロはトゲが多いので、逆の順番の方が作業がやりやすい場合もありますので、ザクロの木の状況を見て決めて作業してください。
私なら、ザクロの剪定はこの図解の位置まで切ります。
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トゲのある枝先は何で切ったらよいか?
トゲのある枝先を切る場合ですが、本当は1本1本切ってやれば良いのですが、
私は面倒なので「太い枝切り鋏」で、サラッと上の図解の赤線の場所で枝先を揃えるように切ります。
トゲに刺されて痛い思いをするのは嫌ですから^^
「刈り込みバサミ」は「小枝や葉を刈るハサミ」なので、もしかしらザクロの固い枝を切るのは不向きかもしれません。
庭植えのザクロの場合は、幹の状態を見る面白さがあるので、一般的にはあまり枝葉をつけない強い剪定を行う傾向があります。
ただこの時に気をつけなければいけないのは、トゲがあるため、剪定作業は革手袋が必要になります。
幹を鑑賞するように玉仕立て風につくる場合は、下端の枝を枝配りを考えながら切り落としてすっきりさせます。
この仕立てる剪定方法は枝先を切るため、花や実は犠牲になることは覚悟してください。