枝垂れモミジを枯らさない剪定時期と剪定方法

枝垂れモミジはどこを切ったらよいのか、剪定の仕方がわからないようで、けっこうやり方を聞かれることがあります。

モミジ類って夏に剪定しちゃうと大変なことになるんです。

ここでは、枝垂れモミジの剪定時期と剪定方法についてお伝えします。

夏場に普通のモミジを「こんなに伸びるんなら剪定しなきゃよかった!」と後悔するくらい、切ったところから枝葉がどんどん伸びてきたことはありませんか?

特に夏場のモミジは、樹勢が強い木の代表のような感じですね。

枝垂れモミジは落葉樹なので樹勢が強い木ですが、懐が広いせいか、普通のモミジよりは、剪定したあとに葉っぱはたくさん出ないような気がします。

枝垂れモミジのベストな剪定時期

枝垂れモミジの剪定は夏にしたいところでしょうが、夏の剪定は切った以上に伸びようとします。
枝葉が伸びたくらいの樹勢も使っているので夏に切るとさらに弱る可能性があるのでおすすめはしません。

ほとんどの方はどうしてもお盆前にサッパリしたいと思っているようですが、その時期はお勧めできないです。

それでは枝垂れモミジの剪定はいつ行なったら良いのでしょう

それは、冬です。

枝垂れモミジの一番のおすすめの時期は、
葉っぱが落ちた初冬の12月頃から2月頃前がベストな時期です。

2月頃という理由は、2月に入ると枝垂れモミジは、眠っているようでもすでに動きだしています。

小枝のところをちょっと切ってみるとわかります。枝垂れモミジが動き始めている証拠に、水分がダラダラたれてくることからわかります。水がたれ始めていたらもう動き出している証拠なので、もしもその時に枝を切ってしまうと切ったところのあちこちから水が滴りますので、そうなった状態では強い剪定はあまりしない方が良いです。

寒い時に剪定するのは誰でも嫌でしょうし、その前に枝垂れモミジの剪定は終わらせておきたいものです。だから忘れないように、葉っぱが落ちたら剪定すると覚えておくと良いです。

冬期の剪定時期以外すすめない理由

枝垂れモミジの一番のおすすめの時期は、葉っぱが落ちた12月頃から2月頃までの冬がベストな時期だと言いました。

その時期に行なう理由は次の通りです。
・切った以上に葉っぱが伸びるからです。
・暑い夏に剪定すると木の樹勢が弱り枯れる可能性が高いです。
・蜂や毒虫が頻繁に活動する時期で危険だからです。
・枝垂れモミジの内部の混み具合がわかりやすいからです。
・休眠期なので、不要な太い枝も切ることができるからです。

このようなことから、夏場の枝垂れモミジの剪定は全くおすすめせずに、冬に行なったほうがよいです。

我が家の枝垂れモミジは真冬にしか手をかけないので、夏はわりと葉も枝も伸びにくいです。

どうしても枝垂れモミジの剪定を冬にするのではなく、夏にしたいという場合は、紅葉を気にしないのであれば 9月過ぎ頃が良いかと思います。

紅葉が見たいのであれば我慢して冬の剪定にするか、枝葉がいったん伸びきった7月頃に、樹形を乱す伸びた徒長枝だけを切るとよいです。

枝垂れモミジの剪定時期のまとめ

冬期の剪定時期は、12月~2月頃がよいです。
この時期に行なう剪定の目的は、枯れ枝や不要な枝を取り除き、樹形を整えることです。
冬は葉っぱが落ちて樹形内部の枝の状況がわかりやすいため、効率よく作業ができます。
この時期は樹木の活動が鈍いため、剪定によるダメージが少ないことも利点です。

夏期の剪定時期は、6月~7月頃がよく、新芽の成長の伸びが一段落した頃なので、ごく軽い剪定を行ないます。
この時期に行なう剪定の目的は、混み合った枝を間引いたりして、日当たりや風通しを良くすることです。
成長が著しいこの時期は、太い枝を切る強い剪定を行なうと枯れる危険性があるので、軽い剪定を行うことで、風通しを改善し病害虫を防ぎます。

枝垂れモミジの剪定方法

剪定方法については、次の手順で行なうと効率よく作業ができます。

■不要な枝を見極めて、枯れ枝や、交わった枝、徒長枝などを適宜切り取ります。
 枯れ枝や病害虫の被害を受けた弱った枝は不要なので必ず切り取ります。
 交わった枝や逆さ枝など、他の枝と交差したり、内側に向かって伸びる枝は樹形を乱すので取り除きます。
 勢いよく長く伸びた徒長枝は、養分を吸い取り、さらに伸びる可能性があるので、枝元から切り除きます。
■切り口は枝分かれしている部分の少し上や節の少し上を選んで切ります。
 幹に近い枝元を切る場合は、枝元の膨らみ始めるところで切るようにします。
 ここを切ることで枯れる可能性が低くなり、切り口の治癒が早くなります。
■枝垂れモミジの美しく枝垂れる樹形を保つために、均等に枝が垂れ下がる形を意識して剪定します。
 長すぎる枝や不揃いな枝を適度に切り詰め、全体のバランスを整えます。
■樹形内部で混み合っている枝を間引くことで、日当たりと風通しを良くし、病害虫の予防に役立ちます。
■一度に切りすぎると樹木にストレスがかかり、生育が悪くなる場合があります。

具体的な剪定方法を図で解説

■枝垂れモミジの剪定方法ですが、枝垂れモミジに限らず、枝垂れ系の樹種の枝が伸びる特長は、下に向かって垂れるように落ちていきます。
■基本的に枝垂れる木の剪定は、下図を参考にすると、切る元枝の下に伸びる枝(オレンジ色の線)を枝元で切ってやります。
■元枝から下に伸びる枝を残して(紫色の線)切ってしまうと幹に向かっていく枝ばかりが残り、窮屈で密集した枝の樹形になるので気をつけてください。

4.28-1

不要な枝を外すだけで木の形が整い、幹に近い懐の枝にまで太陽光を当てることができます。形を崩す立ち枝、見切り枝、下り枝などの不要枝があれば、切った後に腐れる部分の枝を見越して、数センチ残した枝のつけ根あたりから切りとります。

特に木の内側に向かって伸びた枝は、思い切ってきれいさっぱり取り除くと良いです。

枝垂れモミジの剪定のコツは、枝垂れモミジの枝は、自然と下に向かって落ちていくように伸びていくので、幹近くの懐に大きな空間を作るように、外側に向かい、斜め上に伸びる枝を残すように切ると良いです。

枝葉が生い茂り密集するということは、日当たりや風通しが悪くなり、害虫の格好の溜まり場となりますので、混み入った枝葉を残さないような剪定をしてやると良いです。