しだれ桃の滝を流れ落ちるかのように枝垂れて咲く花の姿は見事で、
その色あざやかさは見る人の心を和ましてくれます。
ここでは、しだれ桃ができるだけ多くの花を咲かせるための剪定について解説します。
しだれ桃の開花時期
しだれ桃の剪定をするために大事なことは、
「開花時期」と「花芽がつく時期」を知る必要があります。
まずは開花時期ですが、しだれ桃は花の期間が長く2週間以上咲く花で、
開花時期は梅の花が咲く時期と同じ頃の、3月~4月にかけて咲きます。
園芸品種もたくさんあるのでどの色の花を庭に植えるか迷うほどです。
花びらの種類にも八重・小型などあり、
色もピンク・濃紅色・明紅色・澄んだピンク・白・紫などあります。
「花芽がつく時期」については、後半の
「しだれ桃の剪定時期のポイント」でお伝えします。
しだれ桃の剪定時期
しだれ桃に関しての剪定の時期ですが、書かれている園芸書が少ないかと思います。
しだれ桃とは言いましても剪定などはハナモモと同じように考えて良いと思います。
ハナモモの剪定時期は12月~2月、もしくは花の終わった後に枝の切り戻しを行います、
と園芸書には書いてあるかもしれません。
しかし私の経験上、しだれ桃の剪定の時期は落葉後の冬期剪定で、
普通のハナモモと同様11月頃~芽吹くまでの間の休眠期
が間違いのないベストな時期かと思います。
冬期剪定を行う理由は休眠状態になること、そして
葉を落とす時期なので、枝の混み具合がよくわかることが大きいです。
しだれ桃のおすすめしない剪定時期
しだれ桃の剪定時期について注意点ですが、
葉っぱが生い茂っている時に剪定をしてしまうと、
樹勢を落とし枯れる元となるのでおすすめしません。
葉っぱばかりに樹勢を持っていかれるので
次に咲く花に行くはずの養分が回らなくなる可能性もあります。
一般の人達はどうしても、葉っぱが生い茂り、
うっとうしくなった夏場に剪定をしてさっぱりしたい思っています。
でもそれは、来年の花芽の数を減らす原因になりますし、
切った後そこからさらに枝や葉っぱが伸びようとします。
結果的に切ったそこから葉を出そうとする部分に栄養分がいってしまうので、
花芽の数を減らす結果になってしまうのです。
次に解説する「しだれ桃の花芽のポイント」を抑えると
いつ切れば良いかが分かってきます。
しだれ桃の剪定時期のポイント
しだれ桃の剪定時期でもうひとつ大事なのは花芽ができる時期です。
花芽はその年の春に伸びた充実した枝に7月頃までに作られます。
ということは、花芽がつき終わった7月以降の、まだまだ枝葉が
伸びる時期に切ってしまうと、花芽の枝まで切ってしまいますし、
下図のように、(青線)で7月以降の花芽ができ終わった時に切ると、
切った所からまた枝が伸び(青線)、そこには花はつかないので
不要な葉っぱが生える枝を増やすことになります。
結局、しだれ桃の剪定時期はいつが良いかまとめますと
11月頃~芽吹くまでの間の冬期休眠期
花が咲き終わりまだ花芽がつかない7月前までの間
ということになります。
冬期剪定まで待てないという方は、7月になる前の早いうちに剪定しておくと良いでしょう。
しだれ桃の剪定方法
枝葉が生い茂るということは日当たりや風通しが悪くなりますし
害虫の格好の溜まり場となります。
しだれ桃の冬期の剪定方法は、次に咲く花芽を確認して花芽を残して切ります。
しだれ桃に限らず枝垂れる木の特長は、下に下に枝が落ちていくので
基本的に枝垂れる木の剪定は、切る元枝の下に伸びる枝(オレンジ色の腺)を切ってやります。
元枝から下に伸びる枝を残して(紫色の腺)切ってしまうと幹に向かっていく枝ばかりが残り、
窮屈で密集した枝の木になります。
不要な枝を外すだけで木の形が整い、幹に近い懐の枝にまで太陽光を当てることができます。
なので、形を崩す立ち枝、見切り枝、下り枝などの不要枝があれば
腐れる部分の枝を見越して数センチ残して、枝のつけ根あたりから切りとります。
特に木の内側を向いて伸びた枝は、思い切ってきれいさっぱり取り除くと良いです。
しだれ桃の枝は自然と下に下に落ちていくように伸びていくようになっているので
しだれ桃の木の剪定のコツは、懐を大きく作るように外側に伸びる枝を残すように切ると良いです。