
ヒイラギモクセイ(柊木犀)の剪定は、適切な時期と方法を選ぶことで樹形を整え、美しい状態を保つことができます。
ここでは、ヒイラギモクセイ(柊木犀)の花が咲かない原因を取り除いた剪定時期と剪定方法について詳しく説明します。
花が咲かない原因はヒイラギモクセイの性質にあるかも
ヒイラギモクセイの性質を知ることで花が咲かない原因を理解できます。
ヒイラギモクセイ(柊木犀)の花は、10月から11月頃に咲きます。
具体的な開花時期は、地域やその年の気候条件によって若干異なりますが、秋が深まり始める季節が目安です。
ヒイラギモクセイは雌雄異株といってオスとメスのある種類の木で、本来は雌雄異株ではありますが、オスの木しか見られないようです。ということは、つまり、花は咲いても実はならないということです。
ヒイラギモクセイは、とても良い香りのする木として有名で、真っ白い花に甘い香りが漂いますが、若干ギンモクセイよりも香りは弱いです。花は、葉っぱの濃い緑を背景にして、真っ白い花がボール状に群生させて咲きます。
ヒイラギモクセイは寒さに弱いので、関東以西では育ちますが、関東以北では無理・・・という説明をされているサイトもありますが、岩手県南部までは大丈夫育っています。
ヒイラギモクセイの成長は意外と早く、毎年15㎝くらいは伸び、陽の当たる場所を好みますが、半日陰から日陰まで生育できます。しかし、日陰のヒイラギモクセイは枝葉の付き具合が悪くなり、その結果、花付きもよくないようです。
ヒイラギモクセイは放任すると樹形が崩れやすく樹幅が出るので、植えるには広い庭が必要ですし毎年の剪定も欠かせません。
小高木なので、10mほどにはなってしまいますので、剪定をしてなるべく小さくすることです。
しかし、ヒイラギモクセイの時期の悪い剪定は、翌年の開花に影響を与えるので剪定が難しい木なのです。
庭師モドキの方はこのことを知らないので、枝葉が生い茂った夏頃に思いっきり刈り込んだりして、お客様に花が咲かないと苦情を言われて「おかしい!」と頭をひねるありさまです。
ヒイラギモクセイの花芽はいつ形成されるか?
ヒイラギモクセイ(柊木犀)の花は、10月から11月頃に咲きます。
ヒイラギモクセイの剪定時期を解説する前に、花芽が形成される時期を知っておく必要があるのでお伝えします。
この花芽の形成時期を知っておくことで、花芽がなくなったり、次の年に花が咲かないという原因を取り除くことに役立ちます。
ヒイラギモクセイ(柊木犀)の花芽は、6月~8月頃にかけて形成されます。
この時期に翌年の花を咲かせるための花芽が作られるため、剪定のタイミングには注意が必要です。
花芽形成中や花芽形成後(6月~8月頃)に強い剪定を行うと、花芽を切り落としてしまう可能性があります。
ヒイラギモクセイの剪定時期
春から秋の生育期に葉が茂り、おもいっきり剪定したくなりますが、花を楽しみたい場合は注意が必要です。
ヒイラギモクセイが花芽を付ける時期は、6月~8月頃にかけてです。
その年の春から夏に伸びた枝や前年枝の葉腋に花芽はつき、秋に花が咲くので、夏ころに剪定をすると花を楽しめなくなります。
剪定次第で花を付けなくなりますし、7月~8月以降に切った場合や、それ以降に伸びた枝には花芽を付けないという事になります。
このことからも分かるように、剪定の時期は、地域にもより少しずれますが、花後すぐから年内ころまでがベストで、広く見ても、翌年の花に影響の少ない花後の11月~3月ころまでが適切な剪定時期となります。
花は関係ないからとにかく小さくしたいという場合は、厳冬期を避ければいつ剪定しても大丈夫です。
ただし葉がほとんどなくなり枝だけになるような剪定は、枯れますのでダメです。
ヒイラギモクセイの剪定時期のまとめ
ヒイラギモクセイの剪定に適した時期は以下の通りです。
■花後(11月~12月)
ヒイラギモクセイは秋に花を咲かせますので、開花後に剪定を行うことで、翌年の花芽を傷つけずに済みます。
花が終わった直後の11月~12月が最適な剪定時期です。
■冬期(1月~3月)
落葉樹と違い常緑樹であるため、冬場でも剪定可能です。
ただし、寒冷地では強い寒さを避けた方が無難です。
■梅雨明け(6月~7月)
新芽が伸びすぎて樹形が乱れるこの時期には、突発的に伸びて樹形を崩す徒長枝を軽く切り整えます。
補助的に軽く剪定を行なえる時期です。
ヒイラギモクセイの剪定方法
基本的にヒイラギモクセイの剪定方法は、今年伸びた枝の下から1~2節残して剪定します。
それでも年々大きくなるので、その場合は何年かに1度は翌年の花を少しあきらめて、太い枝のところまで切る強剪定をする必要があります。
ヒイラギモクセイの剪定の進め方
■清潔でよく切れる剪定バサミやノコギリ、刈り込みばさみなど剪定で使う道具の準備をします。
さびや病害虫を防ぐために、使用前後に道具を消毒することを推奨します。
少し葉がトゲっぽいのでゴム手袋や軍手でひどい時は、革手袋を使うとよいです。
■病害虫などの被害により枯れている枝は枝元から切り落とします。
混み合った枝は風通しを良くし、病害虫を発生させるので、密集している枝を間引きます。
■外側に伸びた枝や、形を崩している枝を適度に剪定し樹形を整えます。
樹形を整えつつ、自然な円錐形や丸みのある形を保つようにします。
■生垣や低木として育てている場合は、全体を軽く刈り込むことで形を整えられます。
大きく強く刈り込みすぎると翌年の花が少なくなることがあるため注意が必要です。
■太い枝を切った場合には、切り口に「癒合剤」を塗ることで病害虫の侵入を防ぎます。
■ヒイラギモクセイは成長がゆっくりなため、切りすぎると回復に時間がかかることがあるので、剪定は控えめに行います。
風通しを良くすることで病害虫を防ぐ効果があります。
剪定後は施肥を行い、木の健康を保つことが推奨されます。
剪定の仕方のポイント
・樹形を乱している突発的で目立つ徒長枝がある場合は、伸びた枝を切り取ります。
・混み合った部分の不要な枝は枝元のつけ根から切ってすかします。
・花後か芽吹き前に開花枝の葉が2~3枚残るぐらいの刈り込みをします。
・ヒイラギモクセイが大きくなり過ぎの場合は、時期を見計らって小さくなるように強剪定をします。
・強い剪定を行なう場合、次の年の花芽に多少の影響が出る場合もあります。
ヒイラギモクセイの育て方
ヒイラギモクセイは、白く小さな花が枝先や葉の付け根に集まって咲きます。
花は控えめながらも、甘い香りを漂わせます。
ヒイラギモクセイの開花の条件は、日光をよく浴びることで、花付きが良くなります。
そして適度な温暖さが必要で、急激な寒波や気温の変化が開花に影響する場合があります。
ヒイラギモクセイは、夏の終わりから秋にかけて花芽が形成され、10月以降の涼しくなる時期に開花します。
開花期間は通常1~2週間程度と短めですが、条件によってはもう少し長く楽しめることもあります。
花芽形成を促進するためのポイント
ヒイラギモクセイの花芽は、葉の付け根(葉腋)に小さく形成されます。
花芽がわかりづらい場合もありますが、枝の先端部分に多く形成される傾向があります。
日当たりが良く、適度な湿度がある環境で花芽がより良く形成されます。
強い剪定や肥料の不足・過多は、花芽形成を妨げる原因となる場合があります。
5月~6月に緩効性肥料を適度に与えることで健康な花芽形成を促せます。
夏以降の剪定は控え、軽く形を整える程度に留めるように注意します。
日光不足は花芽形成に悪影響を及ぼすため、日当たりの良い場所に植えるのが理想です。
花芽ができる夏以降の剪定は避け、開花後に剪定を行うようにします。
花芽形成期の前(5月~6月)に肥料を与え、木の健康を保ちましょう。
密集した枝を適度に間引いて風通しを良くすることで、花付きが向上します。
ヒイラギモクセイの植えつけ場所
ヒイラギモクセイの植えつけは、日当たりと水はけのよい場所に植えます。
土壌がやせ地の場合は腐葉土などを混ぜ込んで植えつけます。
ヒイラギモクセイは根が浅く張る性質があるので、水はけ、水もちのよい場所なら最適です。
ヒイラギモクセイは日陰でも生育できますが、日当たりが悪いと花芽がつきにくくなるので、午前中ぐらいは日光に当たる場所がよいです。
また、栄養過多、栄養不足によっても生育は悪くなります。
車の排気ガスなど、大気汚染の影響も受けやすい木です。
ヒイラギモクセイの植え付け時期
ヒイラギモクセイは常緑樹なので基本的に植え付けは、4月~5月上旬から入梅までに終えたほうが良いです。
秋の植え付け時期は、9月下旬~10月頃に行い、寒冷地では秋植えより春植えのほうがよいかもしれません。
ヒイラギモクセイの病害虫
ハムシの1種で、てんとう虫を小さくしたような虫です。
駆除方法として、新葉が開き始めた時期にスミチオン乳剤とオルトラン液剤を同時散布すると良いです。